「マノン」
みなさま、おはようございます。
お元気でお過ごしでしょうか?
今日は年始に鑑賞したパリオペラ座バレエ団の「マノン」を収録したバレエの感想を。
もっぱらイギリスロイヤルバレエ団の映像や情報を観ることが多いので、パリオペラ座の作品は新鮮でした。
「マノン」はフランスのお話なので、その作品をパリのバレエ団で上演するというのは至極しっくりはまりました。
台詞がもし聞こえたとしたらみんなフランス語なんだろうな、というのが視覚的にも作品の世界的にもまったく違和感ない感じ。
バレエに詳しくない方のために、少し解説しますと、今全幕で上演されるバレエは「ロマンティックバレエ」と「ドラマティックバレエ」の2種があります。
ロマンティックバレエはバレエの創世記から長く使われているフォーマットです。
踊りパート、お話パート(マイムと呼ばれる手振りですね)が明確に分かれていて、それらを織り交ぜてお話が進行していきます。
代表的なのはやはりチャイコフスキーの三大バレエ(「白鳥の湖」「くるみ割り人形」「眠れる森の美女」)でしょうか。
一方、ドラマティックバレエは20世紀に入りできた、新しい形のバレエ芸術です。
ドラマ、つまり芝居とバレエが同時進行する構成で、踊りパートとお話パートが分かれていません。
踊りの中にせりふや役の関係性がすべて落とし込まれています。
こちらの代表は「ロミオとジュリエット」、先日の「LIKE WATER FOR CHOCOLATE」、そして今回の「マノン」でしょうか。
そして、個人的にですが、私はどちらかというとドラマティックバレエが好きですね。
「マノン」全幕通しで観たのは今回が初めてだったのですが、本当に素晴らしかったです。
今回の映画にお話を戻しますと、この収録はパリオペラ座のエトワール、AURELY DUPONTの引退公演。
相手役に起用されたのはROBERT BOLLE。
AURELY DUPONTはマノンそのものの可憐さ。
そしてROBERT BOLLEもスイートなことこの上なく、デグリューにぴったり。
この2人が主演というだけでもう満足!
最高のコンビネーションでした。
全編美しい音楽と伸びやかなで目を引く創造性豊かな振り、魔性の美少女マノンと彼女の周りの男たちの関係と、とても盛り沢山の作品ですが、見どころはやはりマノンとデグリューの3つのパドドゥ(「出会い」「寝室」「沼地」)でした。
音楽、振り付け、世界観の3つが高い次元で完璧に融合した本当に美しい時間でした。
観られてよかった!
素敵な時間をありがとうございました。