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【解説】富嶽三十六景神奈川沖浪裏


閲覧ありがとうございます。
M1です。

今回は日本人なら誰もが知る

葛飾北斎作
『富嶽三十六景神奈川沖浪裏』
(ふがくさんじゅうろくけい かながわおきなみうら)
について紹介します。

作品背景、概要

制作者 葛飾北斎
作名  富嶽三十六景神奈川沖浪裏
年代  1830〜1833頃
作法  木版画


モデル地についての考察

本作は神奈川沖浪裏(かながわおきなみうら)という名前から、神奈川が関わっていることがわかります。

しかし本作を北斎は、
千葉で描いた説が有力です。

これは作中にある舟がカギを握っています。
この舟は主に伊豆半島や房総半島から東京湾に入っていました。

また改めて作名の神奈川沖浪裏について、
本地名は現在の横浜あたりを指しています。

これらの解析と絵の構図を考えると図のような場所から絵を描いたのでは、と考えられているのです。

現在の木更津あたり?


実は北斎作ではない?

木版画の製作陣は、彫師・摺師・絵師のスリーマンセルで構成されます。
(ちょっと今っぽく言ってみました笑)

このうち北斎は、絵師でした。
絵師は下絵を描く仕事です。

そして絵師が描いた絵をもとに彫師が木を彫ります。
その後彫った木をもとに摺師が紙に摺り付けていくのです。

消しゴムハンコをイメージするとわかりやすいと思います。

まずハンコにする絵柄を考えるのが絵師。
ハンコを彫るのが彫師。
ハンコに色をつけて絵にするのが摺師。
です。

こう聞くと何やら随分と分業してるな?と思いませんか?

しかし木版画は大変なのです。
一つずつ解説しましょう。

まず絵師が絵そのものを完成させます。ここで作品の全体イメージは決まりますので、重要な仕事だと分かると思います。

次に彫師は木を彫ります。今回の作品をよく見てください。波とか舟とか細かくないですか?
これすべて手作業で彫ってるんです。大変さがわかりますね。さらに彫る木板は一枚ではありません。波の白い部分を押す板、青い部分、舟、山など色分けによって違う板に彫らなければいけないのです。

そして摺師は彫られた全ての板に色をつけます。この色付けで作品の印象は大きく変わります。神奈川沖浪裏は日本でも多くの美術館に所蔵されていますが、その一枚一枚で印象が異なります。これは色がくっきりしていたり、ぼやけ気味だったり、背景が異なったりするためです。また当たり前ですが、摺りつける際に細心の注意を払わないと色が薄くなる可能性もあります。ハンコを押してうまくいかなかったこと、誰にでもあると思います。摺師はそれが許されないのです。


最後に

以上、北斎作 神奈川沖浪裏について解説でした。本作はゴッホをはじめとした様々な海外アーティストにも影響を与えています。特にアンリのエッフェル塔連続作は面白いですのでぜひ調べてみてください。

もし解説がよければスキ、コメントよろしくお願いします。


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