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【書評】記者 ラストベルトに住む トランプ王国、冷めぬ熱狂



ドナルド・トランプ氏の大統領就任を明日に迎え、トランプ政権第1期目に労働者の町「ラストベルト」を取材したルポルタージュの書評(のような文章)を書いていこうかと。

読んだのはこの本が発売されてすぐなんだけど、レビュー書いてないな…

本書はトランプが就任した2017年(8年前!)から3ヶ月後にラストベルトに実際に住んでトランプ支持者をはじめ、民主党員、白人至上主義者など様々な人たちに取材している。

ラストベルトは、かつて製造業が盛んであったものの、産業の衰退により経済的な困難に直面しているアメリカの中西部と北東部の地域を指す。

かつては工業で栄えた街も当時はすでに高い失業率や経済的困難が深刻な状況に陥っていた。

トランプが選挙に勝った時、ラストベルトは大いに湧いた。
長年民主党優勢の地域だったにも関わらず。

オバマ政権は福祉政策や移民政策に積極的でその面で救われた人も少なくない。

またラストベルト他アメリカの工業地帯を失速させた北米自由貿易協定(NAFTA)には彼は反対していた。反対していたが、工業の海外流出を止めることも、雇用を増やすこともできなかった…

そんな中、トランプ氏のリーダーシップが有権者に強烈に届いた。

経済と政治の変容:
著者は、ラストベルトが抱える経済的問題と、それがどのようにしてアメリカ全体の政治的な流れ、特にトランプ大統領の台頭に影響を与えたかを探っている。

地域の製造業が衰退し、雇用が減少したことで、住民たちの間での不満や政治的な変化が描かれている。

住民の視点:
この本では、著者が実際に地域に住みながら、現地の住民とのインタビューや交流を通じて生の声を伝えている。

トランプ応援に熱心だった人、失業者、民主党員、飲食店経営者、家族が難病を抱えている人、白人至上主義…

多くは低い賃金で働き、そして高い確率で、アルコールやドラッグなどで身を持ち崩した身内がいる。いわゆる「絶望死」というもの。

40を手前にして亡くなった人の割合もかなり高い。

そういった社会を変えられる、それを期待して彼らは投票に行く。
ルポ当時はトランプ氏就任3か月目ではあるが、その答え合わせは4年後に現れた。結果は言うまでもない。

※2019年に続編「トランプ王国2」が発売されている。

さて、2020年はトランプに対しNOが付きつけられた。(不正選挙だという意見もあるけど…)

それがバイデン政権を経て再び返り咲くトランプ氏。

コロナやウクライナ、ガザなど長引く戦争もあり、8年前とは情勢がガラリと変わってしまった。

バイデン氏を笑えないほど高齢となった彼がアメリカをどう導いていくか、世界はどう動くのか。

もう観覧席はないんだよね。



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