Web小説発掘記 その223 幼女になったオレ。うっかり親友のメインヒロインを目指してしまう♡♡♡♡♡ 作者 三丈 夕六様
本編URL
https://kakuyomu.jp/works/16817330669717976054
前書き
この記事は作品のネタバレを含みますのでご注意。
こちらの記事はあくまでも筆者の個人的意見です。
評価の基準としては200円~700円前後の書籍を購入し、読んだものとして付けさせていただきます。そのため基本的には厳しめとなります。
※こちらは記事を書いた時点での最新話である『第17話 あ〜じれったい! アオイ視点』までを読んでの感想、レビューとなります。
※甘口記事です。
あらすじ
「え? アナタが女の子になりたいと願ったから女の子にしてあげただけよ? ついでに幼女にしてあげました!」
ある日、たまたま耳にした「願いを叶える本」を使ったオレは目が覚めると幼女になっていた!?
女神は身に覚えの無い願いを聞き届けてオレを美少女にしたという。
困り果てたオレは幼馴染で親友の男友達、「シズ」に連絡することに。
オレの言うことを疑わないシズ。
優しいシズ。
だけど全然モテないシズ。
そんなシズにオレは……心まで女の子になっちゃう!?
どうなるの!? オレ!?
これは幼女になってしまったオレが、本当の「願い」を見つけるまでの物語。
ストーリーと見所
ふーん……TSして、幼女になって親友と恋愛をねぇ……。
ふーん、エッチじゃん悪くないじゃん。
と、タイトルにある通りにTSして幼女になって親友と恋愛するような感じの物語。
冒頭からTSした状態で女神が出てきて、そして適当に説明をして去っていく。このスピード感こそが戦場よ。
その辺りからしてもう、「余計なことは気にするな、TS恋愛を楽しめ」という作者さんの熱いメッセージが伝わってくるかのような気合の入りっぷりを見ることができる。
そこからの流れもまぁ、いい感じにスピード展開。
しかして決して雑というわけではなく、女の子になったことによる色々な違いに戸惑ったり、同様の理由で親友への恋心(?)に気付いてみたりと必要な部分はちゃんとあるのでご安心あれ。
物語としてもかなりわかりやすく、セールスポイントが強調された作品。なので読者は戸惑うことはない、ちょっと親友同士から一歩踏み出しそうで踏み出さなそうで踏み出しているちょっと甘めなTS恋愛小説をお楽しみあれといったところだ。
ちょっとばかりTSものにありがちな要素が削られているような気がしないでもないが、その辺りも問題なし。
あくまでも主題は親友に対しての主人公の気持ちの変化……変化というか、気付き?的なまあそんな感じのあれこれなので、物語としての主題がぶれることはない。
細かい話は抜きに、TSオレっ子ロリを愛でればそれでいい。
おまけに親友の視点での恋愛的な気持ちの変化も丁寧に書かれている。
そちらもそちらで充分な読み応えがある、一粒で二度美味しい小説となっている。
キャラクター
内川蒼
主人公。
元々は大学生で、TSしてロリになる。
ふーん、あたしそういうの嫌いじゃないわ。
親友の恋が実らないことを心の底から心配しており、『ある願い』を女神に叶えてもらった結果幼女になった。
そのある願いについては忘れており、それを思い出すのが物語の主軸にもなっているがまぁ、もう殆ど明かされてるようなものだろう。
それはそれで、味があるというものだ
身体や心の変化に戸惑う部分もあるものの、基本的には親友にデレデレである。
それがいいんだよ、それがさ。
芦山静樹
男役?相手役?
つまりは主人公の親友。
幼女になった親友のために色々してくれるいい男。
ついでに幼女にドキドキするのはまぁ、うん。
そういう趣向があってもいいんじゃないかな。物語の世界ってのは自由だ。
総評
評価点
わかりやすく、入り込みやすいストーリーは秀逸。
上にも書いたが、細かいことは気にするなと言わんばかりに全力で恋するTSオレっ子の可愛らしさを叩きつけてくるストロングスタイル。
楽しみ方から何までちゃんと用意されているので、読者はそれを享受し心を震わせていればそれでいい。
当然、主人公の心理描写にはかなり力が入っており、彼(彼女)の健気でいじらしい心の内を存分に堪能することが可能となっている。
問題点
あのさぁ……15話の件なんだけどさぁ……どうして♡の一つも付けないんだい!?文句の一つも付けようがない。
もっと開放するべきものがあるだろう?魂の扉のその奥にある心のディス・レヴを開放してテトラクテュスグラマトンからのアイン・ソフ・オウルだろそこはさぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!!
え?なに?つまりここからもっと過激に無敵な展開になって二人の心と体の距離が近付くことであれがあれになってこうなってってことだね?
まあ確かに物語はまだ始まったばかりだからね、焦ってはいけない。
このままじっくりと二人の距離が縮まって最終的にはアイン・ソフ・オウルすることを眺めているのも悪くはないだろう。
完璧な小説だ。
問題点の部分で語られていることは全て忘れてくれたまえ。あの日の僕はどうかしていたんだ。
最終評価 XX点(甘口なので点数はなし!)
わかりやすい!
読みやすい!
可愛い!
とまぁ、これだけあれば充分。必要なものは何でも揃ってる。
なんでもは言い過ぎかもしれない。
とにかくスピード展開、そして主人公の可愛らしさを前面に押し出したとても読みやすいTS恋愛小説。
一人称で口当たりの良い文章も魅力で、ちょっと空いた時間に軽く読み進めることができるのも良き。
いい意味でマニアック過ぎないのも、そこまでTSものに対してこだわりがない人でも読めるという作品の良さに繋がっている。
全体的にかなりライトなので、普通にラブコメとして読むのもいいだろう。
所要時間は記事を書いた時点での最新話である『第17話 あ〜じれったい! アオイ視点』までで凡そ20分ほど。