しいたけ賞(仮)ボクっ子賞 気弱少女と機械仕掛けの戦士 作者 円宮 模人様

本編URL

https://ncode.syosetu.com/n8346hr/

前書き

こちらはしいたけ賞(仮)の受賞作品の発表記事になります。
作品に対しては下読みの段階で紹介記事を書かせていただいているので、こちらでは軽いコメントを送らせていただきます。

またしいたけ賞(仮)は筆者の独断と偏見と好みと気分によって選ばれる賞となっております。
各作品の優劣を決めるものではないことは予めご了承ください。
記事には作品のネタバレを含みます。

以前の記事紹介

一言コメント

本題に入る前に、こちらの賞についての概要に軽く触れておこう。
ボクっ子賞とは今回開催したしいたけ賞(仮)に送られた作品の中から、筆者の独断と偏見と好みと気分に即した最も魅力的なボクっ子を観測できた作品に贈られる賞である。

とはいったものの、勿論上にもある通りこちらの賞の中で作品やキャラクターの魅力に優劣をつけるつもりはないし、あくまでも選考の範囲で一番印象に残ったボクっ子のキャラクターがいた作品ということと捉えてほしい。

で、こちらの作品について軽く触れておこうと思うのだが……。
ぶっちゃけ過去に幾つも記事を書いているのでそちらを参照してもらった方が手っ取り早い。

まあこの辺りに飛べば上手い具合に過去記事まで読めるので、よければそちらまでといったところだ。

なので作品の説明に関しては必要最低限にさせていただこう。
こちらの作品は所謂SF小説。それも人型ロボットに搭乗する感じのロボットSF的な小説だ。
舞台は未開の惑星で、主人公であるボクっ子(!)が相棒の不愛想な少年と出会い一緒に戦いながら成長していくのが主なストーリーとなっている。

作品の大きな特徴としては、とにかく堅実なストーリーの作りが挙げられる。別に物語的に冒険していないとか、そういう話ではなく。
きちんと物語の道筋が立っており、一つの章の中で出会いや挫折、それを乗り越えての成長など一通りの物語がしっかりと納められている。

この辺りの構成の巧みさに加えて、SF作品でありながらややこしい専門用語やら複雑な世界観やらがそれほど出てこないかなり読みやすい作品となっている。
出てくる用語も基本的には直感的にわかりやすいものが多く、読んでいて迷うことが少ないのは確かな魅力だろう。

さて、では何故この作品がボクっ子賞をとるに至ったかの話をしよう。
そもそも、魅力的なキャラクターとは何かという話をしようと思ったが長いのでやめておくとして。

ボクっ子が持つ魅力というのは語ればキリがないのだが、一人称がボクであるということだ。ああ、まさか9文字で語り終えるとは思わなかった。
……が、当たり前だが悲しいことに大抵の人類が生きていて最も長く目にする何よりも忌まわしき物。

端的にいうなら現実において一人称をボクとする女性は決して多くはない。そしてそれはフィクションの世界でも同じことだ。

例えファンタジーだろうと、SFだろうと、歴史物だろうと、恋愛だろうと一人称がボクというキャラクタはーは少ない。
つまりボクっ子の特徴の一つとして、その特異性が挙げられる。

特異であるものには理由と違和感が必要だ。それを持ってキャラクターはより際立ち、個性を得る。
作中において一人称がボクであることに至った経緯、そしてそれを聞いた周囲の反応。
そういったものが揃って初めてボクっ子は存在感を放ち、世界に生まれるのだ。

嘘だ。上の話は適当言ってるだけなので忘れていい。
そんな理由はいらん。一人称がボクであればそれでいい。

単純に出番が一番多かったからだ。

以上。

というのもまぁ流石にあれなのでもう少しだけ詳しく語っておこう。
そも、魅力的なキャラクターとは何か。

作者にとって魅力的であることは大事だが、読者にとってもそうであって初めて魅力的なキャラクターというのは産声をあげる。

ではどうやってキャラクターの魅力を読者にアピールするか。
そんな方法がわかったら苦労しない。

苦労しないことはできないのでもうちょっと地に足を付けてやっていこう。
魔法で空が飛べなければ歩けばいい。

それはつまり、出番を増やすことだ。
カメラの中心に捉え続けろ。
脇に追いやるな。

写すべきはボクっ子であり喋るべきはボクっ子であり、語られるべきはボクっ子なのだ。

あまりにも単純だろう?だがそれでいい。

何故なら物語とは虚像であり、人物の容姿やステータスはどうとでも足すことができるのだ。
だが当然、文章で「彼女は貴方にとって最も魅力的なキャラクターです」と冒頭に書かれて納得できる人はいないだろう。

なにを成したか。
なにを成そうとしているのか。
なにを語るのか。
なにを語られるのか

それこそがキャラクターを形作る。

結局のところ、登場人物を作るのはパーソナルであってシンボルではない。
(何を言っているのか筆者にもわからない。何せ今は午前4時30分だ。察してほしい)

ボクっ子であればいいわけではない。
一人称ボクのキャラクターが何を読者に見せてくれたのかが大事なのだ。

そういった意味ではこの作品の主人公であるアオイは読者に対して物語に入り込む導となり、落ち込み、戦い、苦悩と挫折を味わい、自らの能力を示し、勝ち取った。
しかもボクっ子だ。

その全てを見せてくれた作品にこそ、この賞が与えられて然るべきであると筆者は考える。

ちなみに補足しておくが、出番こそが全てみたいな書き方をしたが別段そういう話でもない。
例えば男性主人公に恋をするボクっ子のヒロインを書いたとしたら、当然ボクっ子が主人公の作品よりは出番は減るだろう。

だがそれでも充分に魅力を引き出すことができる。
その方法は……君達の目で確かめてくれ……!

そして高らかに叫ぶのだ。

ボクっ子最高!!

最後に

しいたけ賞(仮)ボクっ子賞、おめでとうございます。

特に賞品も出せない小さな賞ではありますが、これを励みにして今後も執筆活動を頑張っていただければ幸いです。

しいたけ賞(仮)に参加していただき、ありがとうございました。
また何か機会があったときはよろしくお願いいたします。


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