Web小説発掘記 その306 おのこ背中にゃ十六夜の いまもさかりと紅かえで ちとせやちとせ とわには居れぬ いまこそ群れ居 あそぶめれ 作者 樫山泰士様

本編URL

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前書き

この記事は作品のネタバレを含みますのでご注意。
こちらの記事はあくまでも筆者の個人的意見です。
評価の基準としては200円~700円前後の書籍を購入し、読んだものとして付けさせていただきます。そのため基本的には厳しめとなります。
※甘口記事になります。

ストーリーと見所

流れるような文章で描かれる、ファンタジー短編小説。

後書き的な部分を見るに恐らく同作者さんの別作品からのスピンオフ(?)的なお話のような形になっている。

三人の師を持つ少年が、その一人を救うまでのお話。

一人の師との出会いと交流、そして彼との別れを描いている。

実に丁寧な描写が光る作品で、ライトノベルというよりは文芸作品より。
とはいえ文章自体はかなり読みやすいので、そういった作品への入門としてもお勧めできる。

物語としてはしっかりと構成されており、これ単体でも充分読み物として完成されているレベル。

特に世界観が独特で、用語も多用されるのでそういった作品が好きな人には是非お勧めしたいところである。

キャラクター

ウォン・フェイ・イェン

物語の主人公。
彼の師との出会いと別れが今回の物語では描かれている。

少しの情報でも立派に主人公をしている人物であることが語られており、別作品での活躍が期待されるような物語となっている。

ヴァイ=シュ

主人公の師。

彼との出会いから別れまでがこの作品の主な部分となっている。

総評

評価点

文章は流れるようでありながら重厚な部分もあり、読みやすくも作品の空気感を上手く演出できている。

キャラクターに関しても僅かな出番で人となりをしっかりと描けており、もし他に活躍する場面があるのならば気になるところではある。

問題点

特になし。

最終評価 ※甘口なので点数はなし

深みのある世界観や重厚な語り口など、魅力に溢れたファンタジー小説。

その中でキャラクターもしっかりと魅力的に書かれており、何よりも短い分量でしっかりと物語として成立しているのが素晴らしい。

全体を通してレベルの高い短編小説。

所要時間は凡そ10分ほど。


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