Web小説発掘記 その332 脳筋妖力探偵は、今日も眠らない。 作者 倉田恵美様

本編URL

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前書き

この記事は作品のネタバレを含みますのでご注意。
こちらの記事はあくまでも筆者の個人的意見です。
評価の基準としては500円~1200円前後の書籍を購入し、読んだものとして付けさせていただきます。そのため基本的には厳しめとなります。
※こちらは記事を書いた時点での最新話である『第十三話』までを読んでの感想、レビューとなります。

あらすじ

脳筋気味の格闘オタクの男子高校生・氷川健志はひょんなことから妖力探偵・八雲澄香に助手見習いに勧誘されてしまい…!?

「ところで幽霊って見える?」「......見えない」「はあ! ?」そう、彼らには見えないのだ。なぜなら――。「――脳筋バカ! 」――かくして八雲貞治の元で働くことになった1人の大男が織り成すドタバタコメディストーリー! !

ストーリーと見所

妖怪などがいる現代が舞台のローファンタジー。

主人公はバリバリの肉体派で、物理攻撃を使って妖怪やらなんやらと戦うというのが主なストーリーとなっている。

お話としては肉体派の主人公が妖怪退治を生業とする女性に勧誘され、アルバイト代わりに妖怪達と戦っていくというもの。

ストーリーとしてはコメディ寄りで、取り敢えず読んだ時点ではあまり重苦しい話などはでてこない。
とはいえバトル要素もあり、妖怪との戦いをしっかりと描いてくれているのでその辺りも楽しめる小説といっていいだろう。

少なくとも序盤を読んだ段階の印象としては、気軽に楽しめるお話といった印象。

なのだがまぁ……。
こちらの小説、幾つか問題点があったりもする。

情報量の割に物語が詰まりすぎていて、読んでいてキャラクターや用語の把握が困難なのが一番気になるところだろうか。
それに加えてコメディ要素なのか後の伏線なのか、微妙な表現が多くそれらが読んでいてノイズになってくる。

もしそれらを笑いどころとして描いているのであれば、この辺りは単純に感性の問題ではあるのだが。

ストーリーとしては人気が出そうな要素を含みつつ話のテンポもいいので、これからの展開に期待といったところだろうか。

キャラクター

氷川健志

物語の主人公。

基本的な主人公像は踏襲しているのである程度は理解できるが、彼自身の心情が語られないこともあってどういう人物かが把握し辛い。
もっともこの辺りは、お話自体が始まったばかりなので今後に期待といったところだろうか。

彼に限った話ではないが、登場人物の口調が安定していない。

総評

評価点

物語のテンポはとてもいい。

設定や舞台なども適度な個性を発揮しつつ、読者に好まれそうな要素を多分に含んだものとなっている。

ストーリーが序盤ということもあってかまだまだ未知数な物語であり、今後を追いかける楽しみであるともいえる。

問題点

文章に関しては全体的に読みにくい。

キャラクターも安定しておらず、口調なども場面ごとに違ったりする。

一つのストーリーがかなり薄く、その話で登場したキャラクターや要素が定着する前に次の話に移ってしまう。
なので読んでいると物語は進んでいるのに、次々と登場人物が増えていき情報量が多いように感じてしまう。

とはいえ、物語はまだ始まったばかりなので続きが書かれることでこれらが解消される可能性は充分にあり得る。

最終評価 37点(うーん……)

現代に現れた妖怪を物理で解決していくという、非常にキャッチーなテーマが魅力な現代ファンタジー小説。

物語自体は軽妙でとっつきやすく、妖怪との物理を用いた戦闘もしっかりと書かれているので様々な面で楽しむことができる。

コンセプトはかなりユニークで面白い、物語もまだ序盤なので追いかけやすいとこれからの可能性に期待が高まる小説。

所要時間は『第十三話』までで凡そ15分ほど。

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