古代からの叡智を受け継ぐシャーマン「召命型」と「探究型」のイニシエーション、そして魂の再生へ
インド哲学では「真我」のことを「アートマン」と言います。ウパニシャッド(神学書)でアートマンのことを次のように語っています。
本当の自己は五官で捉えることも思考で捉えることもできないのです。本当の自己は死ぬことも生まれることもありません。私たちの本質がそのまま美しい蓮の花で
あるという真実に気がつくことを「ロータス・ヴィジョン」と言います。蓮は泥を栄養に成長して平安と成熟に輝く美しい花を咲かせます。
私たちの本質も蓮の花のように内側から自然に輝く美そのものです。泥の中にあっても蓮の本質が汚れることはありません。どんな状態であってもあなたは、自己であり続け、そこから外れることもなく、そこにあらゆる問題はなく、原因と結果もありません。
自己とは「認識の主体」であり、見ることも聴くことも触れることもできません。本当の自己は分離されておらず、心が統合された状態であり、全体性をもたらします。ただ、あるがままの純粋な自己に気づいているだけなのです。過去から未来へという時間の流れはなく、あるのは永遠の「今」だけです。
チャクラを開発して超人的な能力を求めようとしたり、いきなり究極の悟りや覚醒を求めても必ず身体と感情のプロセスは、通過しなければなりません。
シャーマンになる者は、変性意識状態になり、身体がバラバラにされてから組み立てられて復活します。イニシエーションによって古い自我が死に新しい自我が再生されて「シャーマン」となります。
変容のプロセスとして、
そして「シャーマン」になるとこの世から天上界へ、あるいはこの世から地下界へ自由に行き来できるようになるのです。
スピリチュアルな道を探究するならば、否定し、拒絶した自分の感情と和解する方法を学ぶ必要があるのです。それを避けても必ず、身体と感情のレベルに引き戻されます。実存的変容は誰も避けては通れない道、意識は上昇し再び下降し、それを実感します。
霊媒体質のシャーマンに共通する特徴は、人生の中で突然、極端な不幸、災難、困難に出会い、発狂寸前まで追い込まれるということです。病気や苦悩の頂点で神さまと出会います。危機状態を通過したのち、霊能力を活かして人々を導いていくことになります。
シャーマンにとって人生の意味を失い、共同体の繋がりの感覚を失う魂の喪失は、最も深刻な病です。伝統的なシャーマン文化での治療の最終地点は、身体の症状の回復ではなく、魂を取り戻すこと、共同体、地球との全体性を回復することにあります。
シャーマニズムによるとシャーマンになるには2つのパターンがあります。「召命型」と「探究型」です。普通の人生を送っていた人が、どちらにしても普通の人では耐えきれない人生を送ることになりますが、その時は不幸だと思い込んでいるのです。
後に神様の世界から見ることができるようになると素晴らしい経験だったということに気がつくようになります。「聖なる病」であるカミダーリィをシャーマンの病と呼ぶことができます。
シャーマンは自分の心の無意識を含めた全体をあるがままに見ている神のような眼を持つことが必要なことであり、イニシエーションは死と再生のプロセスを経てより高次の存在に再誕生することにあるのです。
古代からの叡智(ダアート)を受け継ぐシャーマンとは、(ヒーラー)コミュニティにおいて人の成長や変容を手助けする人のことです。そしてシャーマンはロジックや言語など、思考の限界というものをよく知っていていました。
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