マンションは買うのか、借りるのか ?
ショウスケ
マンションは、戸締りや掃除が楽、エレベータがあれば高齢者にも楽、災害に強い などの良さがある。マンションには分譲マンションと賃貸マンションがあるが、どちらにするかは以下のようなことに留意したほうが良いのかも。
・コンクリートは当初アルカリ性だったものがひび割れ等により中性化し、それにより鉄筋が錆び、更にひび割れが拡大することにより益々劣化し、また配水管等の水廻りも腐食により劣化するので、結果としてマンションの寿命は通常数十年程度であると言われている。また、杭打ちを偽装したり鉄筋の本数を設計より減らして建築費を浮かす、コンクリートをミキサー車から型枠に流し込む際に余分に加水して作業時間を短縮する(所謂「シャブコン」)といった手抜き工事はなかなか減らないと言われている。それを防ぐには発注者が建設工事に立ち会って充分に監視するしかないが、分譲マンションの場合には困難かもしれない。(分譲マンションの場合は発注者であるディベロッパーが販売した段階で所有権が各購入者に移るので、建設段階でコストのかかる充分な監視を行うインセンティブが働かないのかも… ?? 会社が自社ビルを建設し自社の資産として持ち続ける場合にはしっかりと監視して手抜き工事はさせないだろうが… ?? また米国等では手抜き工事をさせないために公的な第三者が工事に立ち会い監視するインスペクター制度があるが日本にはそのような制度はない。数年前に日本で導入されたインスペクターは建築後の劣化状況を確認するもので別物) 手抜き工事により強度は設計よりも大幅に落ち、建物の寿命は一段と短くなる。阪神淡路大震災等で倒壊したコンクリート建築物に手抜き工事が数多く判明したのはその例。
・分譲マンションに住む住人は「区分所有権」により、占有面積等に応じて土地を所有し、マンションについてのいろいろな方針(日常のこまごまとした各種ルールから、建物・設備の点検・修理、大規模修繕工事、建て替えに至るまで)は基本的に所有者全員で話し合って決めることとなる。価値観や経済状況の異なる所有者間で合意を得るためには大変な労力・時間を要することとなるのかも。(なお、米国等では集合住宅は賃貸が主流だが、分譲する場合には販売時点で例えば50年後には解体し更地にすることなどを条件にしているようだ。) 所有者間で合意が得られず修繕工事等ができずに荒廃するマンションもでてくるようだ。 また空き家が出ればその住戸分、修繕積立金が不足する。
・なお、新築の分譲マンションの場合、広告・宣伝費が加算された価格となるが、入居した途端にマンション本来の価値に合わせ2割程度下落した価格となり、あとは建物の劣化に合わせて下落していくこととなるようだ。
・「家賃を払うくらいなら、ローンを払ってマンションを買ったほうが得」と考えるのは間違いかも。ローンは20年、30年と払い続けなければならない。また修繕積立金の他に管理費や固定資産税も払い続ける必要がある。めでたくローンを払い終えても、その頃にはマンションは寿命を迎えるかも。
・賃貸の場合は、価値観や経済状況の異なる所有者間で様々な合意を得るために大変な労力・時間をストレスを抱えながら費やすことがないように思われる。さらにタワーマンションの場合にはタワマン・カーストのような問題もおこるかも。
(すべて個人の意見です)