写真家とN-ONE 秋の北関東ドライブ
はじめに
自身の車が車検に入庫したので代車をお借りすることになった。
ホンダには乗ってみたい車がたくさんあって、中でも注目はやっぱりNシリーズ。
出たばかりの3代目N-BOXも自動車業界の話題の中心にいてぜひ試乗させていただきたいのですが、今回はNのお洒落番長N-ONEをリクエスト。
試乗インプレッション第2弾は運良く晴れの日と雨の日に乗れ、様々な表情を見ることができた。
さらにボディカラーも写真映えしそうなフレームレッド。
“1人でふらりと行く初秋の日帰り旅”
こんにちは、写真家の小川元貴です。
かわいい丸目ライトに眩しいほど真っ赤なN-ONEを見たらぶわーっと撮影イメージが湧いてきた。
頭の中でルートや移動時間、撮影時間も踏まえて色々組み立てる。
午前中出発、カフェしてカメラ散歩して、漁港で美味しい海鮮を食べたり自然のあるところに寄り道し、遅くなる前に帰宅できる平和で充実した1日。
N-ONEはそんなゆるい感じが似合う。
なので海沿いを走りつつ古い町並みも立ち寄れる千葉県北東部〜茨城県北部エリアに決めた。
見た目以上にゆったり広い車で涼しくなった北関東へ出かけよう。
N-ONEの第一印象
ホンダ初の市販軽乗用車であるN360をオマージュして登場したN-ONE。
丸目や台形のフォルム、鉄ホイールに装着されたメッキのトリムリングなど、どこか昭和レトロのにおいがするデザインは誰が見ても嫌味がなく親しみやすい。
そう、ホンダいわく“タイムレスデザイン”。
今回はレッドということでレトロさがより強調されているように思える。
もちろん中身はホンダセンシングをはじめ最新の電子デバイスもりもり搭載の令和の車。
昔のデザインが好きだけれど壊れず安心して乗れる車が欲しい、という方には筆頭候補になるんじゃないかと。実際に乗ってみて色んな景色で写真を取りたくなる。N-ONEを買って休日の過ごし方が変わりました、って全然ありえそうだよね。
N-ONEの走りは…
まずは大きめの国道や県道を走って海に出る。
そこから太平洋沿いに北上するルートだ。
スポーツモデルではないのでアクセルに対する反応はとてもマイルド。
この車のキャラクターによく合っているセッティングだと思う。
ノンターボ(ターボモデルもある)ながら840kgの軽量ボディとi-VTEC+CVTの恩恵でトルクフルかつシームレスな加速感、全くストレスを感じない。
峠道の登りで若干の力不足を感じなくもないが、
1人や2人乗車くらいなら特に問題ないかな。
それこそターボモデルなら軽々登ってくれるだろう。
N-ONEが搭載するパワーユニットはi-VTEC付S07B。
実燃費は峠道2割・一般道8割で23.9km/lだった。
ハンドリングもマイルドで、軽すぎず節度感のある重さで運転しやすい。
ヘッドライトにかぶさるボンネットの盛り上がりが運転席から視認できるので前方の感覚がとりやすく狙ったところに曲がっていける。
さしずめ教習車のような、すごく運転しやすいなという印象。
そんなエンジンとハンドリングで乗り心地はゆったりと穏やか。
背中〜腰あたりのサイドサポートが大きめなシートは身体の揺れを抑えてくれて長距離の運転でもあまり疲れを感じない。
視界の良い大きなウィンドウやホンダセンシングによる様々なサポートの恩恵は言わずもがな。
近所にお出掛け、が似合うキャラクターだけど長いホイールベースが相まってツアラーとしての資質も持ち合わせている優等生。
ただベースグレードだからかアームレストがついていないのでぜひ欲しいところ。(オプションにあり)
N-ONEで出発
気持ち良い秋晴れの朝、カメラを持って家を出た。
駐車場で赤い洒落た車が目に入ると自然とワクワクしてきた。
まずは海に出るべく東へ舵を取り、立ち寄ったのは柳の葉が揺れる水郷“佐原の町並み”。
佐原は関東近郊ではわりと人気の観光地で、小野川沿いには素敵なカフェがあったり、舟に乗ることができたり、タイムスリップしたかのような江戸情緒あるれる町並みは散歩するだけでも楽しい。
次に向かったのは港町“銚子”。
「さっきから北関東じゃねえ」という声が聞こえてきそうですが笑
大丈夫ですここから海に出たので北上します、その前に腹ごしらえします笑
さて、午後からは大雨予報ということで出発せねば。
秋の空はきまぐれ。
銚子から日立駅を目指す海沿いルートは広くてまっすぐな道が続く。
この日は交通量も少なく、直進安定性に優れるN-ONEは快適そのもので、開口部の広いウィンドウを全開にするととても涼やかな開放感が得られる。
音楽をかけて快走路を走っていると大洗を過ぎたあたりで雨の気配が…いいぞもっと降れ。
というのも赤い車に乗るのが初めてで、雨に濡れるとより色濃くなって艷やかな写真が撮れそうだと思ったから。
次は峠道へ。登山をするので普段は軽箱バンで峠を走っているけど、それと比べるとN-ONEは重心が低くカーブでもフラつかずに安定している。
ブレーキも車両重量に対して余裕があるし、ABSの制御も秀逸。少し強めに踏んでもガツンと効かずに扱いやすい。
コンパクトな車体は狭いカーブやすれ違いでも困ることが少ない。
リング型のデイタイムライトは対向車へのアピールが強く、安全性に寄与。
プロジェクターLEDヘッドライトも明るく、雨の山道でも見やすかった。
ライト関係は全てオートでやってくれるので、特別何もなければ出発〜到着までライト操作をしなくても良い。
スイスイ〜と軽快に山を降りて辿り着いたのは袋田の滝で有名な茨城県大子町。
滝はもちろんだけど、大子駅周辺も色々とフォトジェニックな場所があったり素敵な飲食店も点在していて穴場的なスポット。
そんなこんなで時間は15:00をまわった。
そろそろ帰路について遅くなる前に帰ろう。
帰り途中に柵のない沈下橋のようなところがあったような記憶があるからそこだけ寄って。
N-ONEのディテール
ここからはN-ONEのディテールを見ていく。
パッと見た目はもちろん、細かなところにも気を使われているのがわかって特徴探しが楽しかった。
N-ONEギャラリー
それではここから載せきれなかった写真を何枚か。
デザインが際立つ車はどんな背景でも映えるから写真を撮るのが面白い。
N-ONEとさよなら
車検は預けた翌日には終わったんだけど、ディーラーさんとの受け渡し日がなかなか合わず、結局1週間ほどお借りしたN-ONE。
前々から乗ってみたかったから、今回じっくり試乗できて最高だった。しかもフレームレッド。
ベージュやグリーン、イエローにオレンジとカラバリ豊富な車だけど、レッドが第1希望だった。
ボディカラーはその車種ごとに似合う色があるけど、N-ONEのような車は遊んじゃっていいと思うんだよね。リセールとか考えなければ。
特にお出掛けして車の写真を撮りたい、みたいな方は景色から浮く色がおすすめ。
そしてN-ONEは見た目だけじゃない、走りも荷物の積載も燃費の良さも全てが高得点。
普段乗りはもちろん、チョイ旅にも使えてきっと色鮮やかな日々になるでしょう。
今回のドライブコースは水郷佐原〜銚子〜日立〜大子という“過去と現代がミックス”されたようなコース。
1人の日帰り旅がテーマだけど、正直もっと削って良い。撮影のために多少急ぎめでたくさん回ったから。
普段なら佐原でコーヒーを飲んで、銚子で海鮮丼をいただいて、あとは海でボーッとして帰る。
そんなリラックスしたシチュエーションにN-ONEは本当に合っていた。
おわりに
試乗インプレッション第2弾はホンダN-ONEでした。
N(ニッポンのノリモノ)としてホンダからデビューしたNシリーズはN-BOXを筆頭に見ない日はない、まさに日本の風景の一部となった。
軽自動車とは思えない各部の質感や広さは“小さな高級車”なんて言ってみても面白い。
極論、移動の道具なわけだけど、そこにN-ONEのような“コダワリ”をエッセンスとして加えると何気ない時間が豊かになると思う。
事実、駐車場に着いてN-ONEのドアロックを解除すると「あ、今日は良い日になりそうだ」と、そんな気持ちにさせてくれる。
気になった方はぜひ1度試乗してみてください。
紅葉が綺麗な季節になってきた。
ホンダからは新型N-BOXが出たし、三菱デリカミニもスズキジムニーも気になる、“小さなエルグランド”日産ルークスだってそう。
「いや普通車もやれよ」は間違いないんですが、最近の軽自動車が魅力的すぎてまずは↑らへんをチャンスがあれば試乗したい。
各ディーラーさま、平日1泊2日でぜひお貸しいただけないでしょうか?
それでは読者の皆様も良きカーライフを。
今回もご拝読ありがとうございます。
N-ONEのスペック
ホンダ N-ONE JG3
ボディーサイズ:3395×1475×1545mm 長幅高
ホイールベース:2520mm
車重:840kg
駆動方式:FF
サスペンション:Fマクファーソン式、R車軸式
トランスミッション:CVT
エンジン:660cc直列3気筒DOHC12バルブ
最高出力:58PS(43kW)/7300rpm
最大トルク:65N・m(6.6kgf・m)/4800rpm