連載小説 奪われし者の強き刃 第3章11話 「戦闘開始 峯風vs八部鬼衆」
峯風がいる中央西部に八部鬼衆と思われる魔物が現れた。
峯風:
「なぁ雲嵐。なんか結構強そうなやつらが来たぞ。大丈夫かな?」
雲嵐:
「また弱気な発言が出てるぞ。」
魔物:
「はっ、師団員に当たってラッキーと思っていたがとんだ腰抜けとあったもんだ。がっかりだぜ。」
蛇のような魔物がそういうと、やせ細った魔物が続けざまに
魔物:
「わしらに会うとは不運なお方だ。せめて楽に行けるように努めましょう。」
峯風:
「なんか物騒なこと言ってるよ。」
魔物:
「まぁ冥途の土産に俺らの名前を教えてやるよ。【四天王】の側近【八部鬼衆】が一人竜王(りゅうおう)と富單那(ふたんな)だ。
覚えておけ。」
竜王は名乗るな否やその蛇のようなしっぽで周辺を薙ぎ払った。富單那は竜王の攻撃をよけた二人の動きに合わせて近づき、拳を繰り出した。峯風たちはその拳に触れることに嫌な予感がして直感的に避けた。
富單那:
「よく避けましたな。わしの拳は病原菌を移す。」
雲嵐:
「何が楽にいかせるだ。苦しめるき満々じゃねえか。」
峯風:
「雲嵐、こいつらは俺が受け持つ。お前は他の隊員を連れて離れたところにいろ。」
雲嵐:
「何を言って・・。」
雲嵐は反論しようとしたが峯風の真剣な面持ちを見て指示に従い、その場を離れた。
竜王:
「いいのか腰抜け。さっきのやつがいたほうが少しでも勝率が上がるんじゃないのか。」
峯風:
「そうかもな。だがな、ここにいるだけであいつらは危険だからな。そうだろ。そこのがりがりさんよ。」
富單那:
「よくわかりましたな。わしが攻撃するほどの病原菌をばらまいておることに。ですが、あなたも危険なことには変わり在りませんよ。このあたりに充満している病原菌は散布力はないものの範囲内にいるものを確実に蝕んでいきます。あなたはどのくらいもつでしょうかね。」
峯風:
「だったらなおさらお前たちをここから動かすわけにはいかないな。俺はビビりだが、副師団長として守るべきものは必ず守る。」
峯風は背中に担いでいた刀袋から大薙刀を取り出した。峯風の扱う大薙刀は普通の大薙刀の刀長サイズ120㎝を優に超えており、柄を合わせると4mをも超える巴形薙刀。重さは10㎏にも及ぶ。
竜王:
「おいおい、お前みたいなヒョロガリがそんな武器を扱えるかよ。無理すんなよ。」
峯風は昔からいくら鍛えても筋肉がついたようには見えず、お世辞にも鍛え抜かれた体には見えない。
峯風:
「よくしゃべる口だな。俺から1ついいこと教えてやるよ。人を見た目で判断すると後悔することになるぞ。」
竜王:
「はっ、人間が強がるなよ…。」
竜王らが構えたとき、峯風の薙刀の刀身はすでに竜王の目と鼻の先にあった。竜王らは間一髪で峯風の攻撃をよけ、後方に木の上に避難した。峯風の攻撃が地面に当たると小さなクレーターのように地面が陥没した。
富單那:
「なんと、あんな貧相な体にこれほどの力があるとは。」
峯風:
「体についてはお前に言われたくないね。」
竜王:
「なんだこいつ。ついさっきまでなよなよしてたくせに戦闘が始まった瞬間、雰囲気が急に変わった。」
富單那:
「竜王殿。こやつおかしいですぞ。わしの病原菌がまるで効いておりません。わしの病原菌は感染したら数分で発熱・嘔吐を発症して動けなくなるはずなのですが。こやつピンピンしております。」
竜王:
「そういえばそうだな。どういうことだ?」
峯風:
「教えるかよ。」
峯風は薙刀を横に薙ぎ払い、竜王たちが避難していた木を切り倒した。
竜王:
「あれは人間に出せる威力じゃない。あの薙刀に何か仕掛けが?」
峯風:
「残念外れ。」
攻撃をよけた竜王らの背後に回っていた峯風は地面に竜王らを蹴りつけた。
峯風:
「この薙刀には何の仕掛けもないぞ。ただ普通の大薙刀より大きくて重いってだけ。」
富單那:
「あのような体のどこにこのような力が。到底人間が出せるものではありませんぞ。」
峯風はその見た目とは裏腹に普通の人の5倍のも筋力を有している。腕力はもちろん脚力も凄まじいため、彼がスポーツ選手になっていた場合、金メダルは確実で新記録も次々と叩き出すだろうと言われていた。
峯風:
「被害を増やすわけにはいかないからな。ここで叩き潰す。」
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