二人の後輩男子。
面白くない、特に普通。
特出した個性もない高校生男子。
それが俺、的野〇〇
それなのに……
??:はぁ…そうやって
年下扱いするのやめてください。
〇〇:えっ…?
??:僕は〇〇先輩に
かっこいいって思って欲しいんです!
〇〇:そ、それはぁ……
??:〇〇!
〇〇:ん、んぅ?
(呼ばれた方を向く)
??:年下の男子じゃダメですか?
…なぜ俺がこんな状況なのか…
それは…約3ヶ月ほど遡る………
進級し高校二年生になった俺は…
去年と同じように部活に入らず
学校が終わると速攻で帰宅していた…
が……この日は違い。
図書委員の活動をした後に
帰宅する…その途中……
??:はぁはぁ…あかん。
ほんまに息できひん……
(息が上がりその場に座り込む??)
ピッ……ガランゴロンッ…
(自販機で水を買う〇〇)
〇〇:あ。
(??と目が合う)
??:はぁはぁ…
(気づいてない)
〇〇:これは……
心)恩を売っとくって意味で…)
……
??:はぁはぁ……
〇〇:こ、これ…どうぞ。
(キャップを空けて水を渡す)
??:え、あ……
〇〇:別に怪しい物とか入ってないから!
??:ふふっ…別に疑ってないです
ありがとうございます!
(疲れているのに優しく微笑む)
…ゴクゴクッ……プハァ…
(水を飲む??)
〇〇:そ、それじゃ…
ガシッ…(〇〇の服を掴む)
??:待ってや…
〇〇:え、えぇ?
??:水のお金払うので
名前教えてもらっても……
〇〇:だ、大丈夫だよ?
ただの水だし大したことしてないよ?
??:ただの水だとしても
僕はその水に助けてもらったんです!
僕は1年2組の井上梨名って言います!
〇〇:え、えっと…お、俺は…
2年4組の的野〇〇って言います…
井上:覚えました!
〇〇:あ、あはは……
……翌日…
ガラガラガラッ…
(〇〇の教室の扉が開く)
井上:〇〇先輩いますか!!
(教室に声が響き渡る)
〇〇:ぇえ?!(驚く)
井上:〇〇先輩!!
(〇〇に駆け寄り抱きつく)
〇〇:うぉぉ……(驚きながらも支える)
……ザワザワッ…(教室中がザワつく)
井上:めっちゃ見られとる…//
(〇〇に抱きつきながら言う)
〇〇:敬語と方言が混じってるんだね。
井上:〇〇先輩には方言でもええやろ?
僕の好きな人やもん!︎
……ザワザワ
〇〇:あはは…
井上:ちゃんと水のお礼するから
やから…うちと仲良くしてな?
〇〇:……(無言)
井上:な、なんか言ってや…//
〇〇:あ、ごめん。
なんか、今の可愛かった…//
井上:なっ……//
ほんまに…//
……キーンコーンカーンコーン
(チャイムが鳴る)
〇〇:ほら、早く戻って?
井上:っ…//また後で会いに来ますから!
〇〇:うん。笑
(微笑みながら手を振る)
……その後…
周りの女子から聞いたのだが…
井上梨名は一年生の中でもかなりの
イケメンだ…ダンス部のファンの中では
ガチ恋勢が現れるほどだ…
…少しづつ後輩の井上梨名と
仲良くなる中…ずっと気になっていた…
??:……
…去年まではいなかった…
〇〇の登下校の道に小さな橋から
川を見つめる男子高校生…
〇〇:今日は話しかけてみようかな…
??:……
〇〇:あの…▒▒高校の生徒ですか?
??:えっ…は、はい。
貴方も…ですよね?
〇〇:そうです!2年4組の的野〇〇って
言います。
森田:ぼ、僕は1年1組の森田ひかるです
けど、どうして急に?
〇〇:あ…去年まではこの橋から川見てる男子高校生なんて居なかったから(笑)
森田:た、確かに…(笑)
〇〇:森田さんってここら辺の人?
森田:僕は隣町に住んでます
〇〇:そうなんだ。なら自分の家の近くの
川見たりしないの?
森田:ん〜…あんまり見ないですね
〇〇:そっか。(笑)俺もさ?
この橋から見る川好きなんだよね〜
(皮を見ながら微笑む)
森田:〇〇先輩って……
〇〇:う、うん…
森田:なんか話しやすいですね?
〇〇:えっ…ありがとう…//
そんなこと初めて言われた…//
森田:それに顔に出やすいですし
〇〇:ふぇ?!
(顔を手で隠す)
森田:ふふっ…(笑)
〇〇:あ、あのさ?
聞きたかったんだけどさ……
森田:はい、なんですか?
〇〇:森田さんって…毎年さ?
隣町のお祭りで太鼓叩いてるよね?
森田:うぇ?!
な、なんで知ってるんですか?
〇〇:わ、わかんないけど…
なんか見た事あるなぁ〜って
森田:僕の事見てくれる人いるんだ
僕、沢山の太鼓の中で叩いてますよ?
〇〇:まぁ…一際、楽しそうで
笑顔で叩いてる人がいればね?
見ないわけないじゃん?(笑)
森田:少し嬉しいです…//
〇〇:今年も期待してるね?
森田:ぷ、プレッシャーを……
かけないでくださいよ…(笑)
……そう会話しながら…
駅まで森田さんを送ってから帰宅する…
ピロンッ…
〇〇:あ、森田さんからだ。
…森田さんを駅に送る途中で
LINEを交換していたのだ…
森田』一学年の森田ひかるです。
よろしくお願いします
〇〇:な、なんか硬いなぁ…(笑)
〇〇』ちょっと固くない?(笑)
森田』すみません。これから直します
〇〇』わかった。(笑)
……数十分後
森田』おやすみなさい
〇〇』おやすみ〜
〇〇:ふぅ…寝よっ。
……そう言ってベッドに潜り眠る…
翌日の朝…
〇〇:ふぁ……
…〜♪
(体育館から聞こえる音楽)
〇〇:ん?なんだ?
(体育館を見に行くと)
井上:はぁはぁ……
(ダンス部の朝練をしている)
〇〇:おぉ…凄っ。
(呟き体育館を後にしようとする)
井上:せ、先輩っ!!
(ダンスから抜け出し〇〇に駆け寄る)
〇〇:ん?ち、ちょ…止まって!!
(勢いよく走ってくる井上を止めるが)
……ガバッ……バタッ…
(勢い余って〇〇を押し倒す)
〇〇:痛っ……って、井上?
(上半身を起こす)
井上:はぁはぁ…〇〇先輩っ…//
〇〇:えっと……おはよう
井上:っ…ぷははっ!!
おはよ!〇〇先輩!
〇〇:ふぅ…(上半身をゆっくり下ろす)
…ギュッ…(井上の腰に手を回す)
井上:ふぇ?!…//
〇〇:ん?どうした?
井上:いや…腰に手回してるやん?
〇〇:あ!ご、ごめん!!
手すぐ話すね!
井上:ぼ、僕は……
〇〇:ん?
井上:僕はこのままでもいいですよ?
〇〇:男同士でなにやってんだって
言われんぞ?わかったら早くどいて〜
井上:もぅ……(〇〇の上から離れる)
〇〇:いててっ。
井上:あ、僕朝練すぐ終わらせるんで
〇〇先輩ここで待ってるって言うか
見ててくださいよ!
〇〇:あ〜…まぁいいよ?
井上:やった!!
待っててくださいね!
……数十分後…部活を終えた井上
井上:お待たせしま…って…
〇〇:あ、おかえり
森田:……ペコッ(軽く会釈する)
井上:その人誰?
〇〇:一年生の森田ひかる
森田:1年1組の森田ひかるです。
井上:1年2組の井上梨名です…
そ、それより〇〇先輩!
僕と一緒に話さへん?
〇〇:話したいのは山々だけどさ
森田さんのこと一人にするのは…
森田:僕はいいですよ…?
〇〇:そ、そっか…ごめんな?
(森田の頭を撫でる)
森田:んん……
また後で連絡しますね。
〇〇:うん、また後でな〜👋
(手を振って森田を見送る)
井上:チッ…………
(〇〇に聞こえない声量)
〇〇:よし、じゃあn((
井上:僕とも連絡先交換してください!
〇〇:え?
井上:うちのこと嫌いなん?
〇〇:ふふっ…なにそれ。(笑)
別に嫌いじゃないよ?けど
急で驚いただけ…(笑)交換しよ?
井上:やったぁ…
…その後、連絡先を交換して各々
教室に戻る……そしてお昼の時間にて……
……ガラガラッ…(〇〇の教室の扉が開く)
〇〇:おぉっ…
森田&井上:〇〇先輩!!
僕とお昼ご飯食べましょ!!
〇〇:ふぇ?!
……森田は前のドアから…井上は…
後ろのドアから〇〇を同時に誘う…
井上:僕と食べたいんやろ?
(〇〇に近づいてくる)
森田:いや、僕と食べたいですよね。
(〇〇に近づく)
〇〇:あ、えーっと…
三人で食べない?
井上:ん〜…
森田:んぅ。
〇〇:そうじゃないなら
俺は一人で食べます。!
井上:あは、あはは!!
森田さ"ぁ"んと食べたかったんよなー。
森田:僕も"ぉ"ですよ僕もー。
〇〇:なら良し!
…〇〇は後ろの窓際の席なので近くの
座席を借りて三角形の形で三人で
昼食を摂る……
〇〇:ŧ‹”ŧ‹”…
森田:なんか…リスみたいですね。笑
井上:ほんまや…愛くるしぃなぁ〜
〇〇:ゴクッ…(ご飯を飲み込む)
お、お行儀悪かったよね?ごめん。
森田:いえ全然…。
井上:悪いちゃ悪いんやけど…
それよりも可愛いのが勝ってたで?
〇〇:別に可愛くなりたいわけじゃ
ないんだけどなぁ〜(笑)
井上:じゃあ、僕以外の前で
そんな可愛い顔せんでな?
〇〇:独占欲強いのか?(笑)
井上:独り占めしたいものは
ちゃんと主張しないとやで?
〇〇:確かにね。(笑)
……お昼を食べ終わる…
森田:〇〇先輩
〇〇:ん?
森田:お米ついてますよ?
〇〇:ん?どこ?
(口元を触る)
森田:ここですよ。
(〇〇に顔を近づけ)
はむっ……
(米粒を〇〇の唇ごと食べる)
〇〇:んっ……
森田:モグッ…ゴクッ……
ふふっ…美味しい……//
井上:うぇ……?
……ザワザワッ…(井上含め周りが驚く)
〇〇:独特の取り方だね?(笑)
けど、ありがとう!
森田:いえいえ。(笑)
井上:……〇〇先輩まだついてますよ?
〇〇:え?どk((
……ガシッ…
(〇〇の頭を掴み唇まで近づける)
〇〇:ち、ちょ…(キスを止める)
井上:な、なんでぇ?!
〇〇:なんでって…キスしそうに
なってたからでしょ(笑)
井上:んな…
〇〇:二人とも俺は別に年下に
取ってもらうほど子供じゃないぞ?(笑)
森田:ですよね…すみません。
井上:はぁ…
(不服の様子)
……そのあと食事を終え
何故か屋上に風に当たりに行く流れに…
ガチャ……
〇〇:ふぅ…風が気持ちいい
森田:ふふっ……
井上:……ん。
……数分後…
〇〇:そろそろ戻ろっか。?
森田:ですね!
井上:うん……
……階段を下りる…
〇〇:あ、森田さん
先行ってて?
森田:え?
〇〇:頼むわ。
森田:わかりました…
……森田を先に行かせる…
〇〇:井上さん…
俺、なんか言っちゃったかな?
井上:へ?
〇〇:だ、だって……
ずっと…不満そうな顔してたから…
俺が悪いなら直すからさ?教えt((
……ギュ…(〇〇に抱きつく井上)
〇〇:ご、ごめんね?
(優しく抱き返す)
井上:ほんまやで……グスッ
〇〇:ご、ごめん…お、俺
なにかしちゃったよね…
井上:僕のことも…構ってや。
〇〇:ん?
井上:森田さんだけやなくて…
僕も…僕のことも見てや……
(切なそうに〇〇を見つめる)
〇〇:あっ…ご、ごめん…
井上:許さへんっ…。
〇〇:う、嘘…何したら
許してくれる?俺に出来る事ならさ?
何でもするから!
井上:じゃあ…キスしてぇや…
〇〇:え…そ、それは…
井上:してくれへんなら…
許さんから……
〇〇:わ、わかった…
こ、後悔しないでね?
井上:せいへんから。
(目をつぶり〇〇に顔を向ける)
チュ……
(井上のおでこにキスする〇〇)
井上:あーっと…おでこ?
〇〇:わっ…//
俺のファーストキスが…//
(顔を赤らめる)
井上:あ、いや…ファーストキスって…
口と口でキスした時の事を言うやろ?
〇〇:えっ…そうなの?
は、恥ずぅ……//
井上:ま、まぁ…男の僕が〇〇先輩の
ファーストキスもらっといたわ…//
〇〇:こ、これで許してくれる?
井上:ん〜…どうしよっかな〜(笑)
〇〇:ち、ちょっと…
井上:許すで!(笑)
けど、追加で頭を撫でてくれたら…
もっと許したる…//
〇〇:本当?そのくらいなら
すぐ出来るよ。(笑)
ヨシヨシ…(井上の頭を優しく撫でる)
井上:んんぅ…//
〇〇:これで許してくれる?
井上:こ、これで許すわっ!
〇〇:ふふっ。井上さんって可愛いね!
井上:あぅ……
……キーンコーンカーンコーン…(チャイムが鳴る)
〇〇:あ、チャイムが鳴った!
井上:帰りましょっか…//
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
翌朝……教室には〇〇一人…
いつも通り一人の時間を満喫していると
ガラガラッ…
森田:あ、居た。
〇〇:あはよ〜。森田さん
森田:もう。昨日言ったじゃないですか!
ひかるって呼んでくださいって!
(座る〇〇の目の前に座る)
〇〇:確かにそうだったねぇ〜
ふぁ〜(あくびをする)
ピタッ…(〇〇の頬を両手で優しく掴む)
森田:ちゃんと呼んでください!
〇〇:わぁかったかぁらぁ…
手をどぉけてぇ?
(訳わかったから…手を退けて?)
森田:もう。
パッ……(手を離す)
〇〇:ふぅ……ひかる…おはよ!
森田:よ、呼び捨てっ…?//
〇〇:えっ…だって
"ひかる"って呼んでって言ったのは
ひかるでしょ?(笑)
森田:そうですけどぉ…
〇〇:わがままだなぁ〜
ひかるくん?ひかるちゃん?
ひーくん?ししまる?
ひかる先ぱi((
ムギュッ…
(小さい体で机を挟んで)
(〇〇の頭を抱きしめる)
〇〇:んむぅ?!
森田:〇〇先輩が僕の名前を
呼んでくれるなら……//
も、もう…なんでもいいです……//
〇〇:んん!!
森田:けど…やっぱり〇〇先輩にだけは……
ひかるって……呼んで欲しい…//
僕が一番好きな人には…下の名前で…//
〇〇:ゴホッ……
森田:って…あれ?!〇〇先輩!!
……パッ…(急いで抱きしめるのをやめる)
〇〇:ぷはぁはぁ…
き、急に何すんだよ…はぁはぁ
森田:す、すみません…
(申し訳なさそうにする)
〇〇:はぁ…ひかる?
森田:な、なんでしょうか…?
〇〇:ハグしたいなら言ってよ
(そう言って立ち上がり手を広げる)
森田:え、えっとこれは…?
〇〇:ハグしたいんでしょ?
おいで?ひかるっ
森田:あ、ああっ…//
ギュッ…(〇〇に抱きつく)
〇〇:案外ひかるの体って華奢なんだな
森田:〇〇先輩は大っきい体してます!
〇〇:ガタイが良いって
言って欲しいかな。(笑)
森田:〇〇先輩にしか許してないんで…
〇〇:ん?何を?
森田:"ひかる"呼びですっ!
〇〇:お!やったぁー!
じゃあ、ひかるも俺の事
"〇〇"って呼んでいいよ?
森田:えっ…そ、それはぁ…
〇〇:俺が呼んで欲しいのっ
ひかるは呼んでくれる?
森田:呼びます!
〇〇:やったぁ、めっちゃ嬉しいわ!
ヨシヨシ…(ひかるの頭を撫でる)
森田:んんっ…僕も嬉しいです…//
〇〇:名前呼びだけでこんなに
盛り上がれるなんて
俺達似た者同士だなっ!😁
森田:は、はいっ!!
と言うか…ま、〇〇は…さぁ?
〇〇:うん。(笑)
森田:い、いつもこの時間帯に
学校来てるの?
〇〇:そうだよ?なんか教室に
一人って結構リラックス出来てさ?
森田:そうなんですね!
そ、そのぉ……
〇〇:ん?どうした?
森田:僕が居たら…
リラックス出来ませんか?!
〇〇:リラックス出来るよ?
今だってさ?こんなに抱き合って
森田:あぅ…//
は、離れましょうか?
ギュッ…(〇〇は抱きしめる力を強める)
〇〇:リラックス出来てるって
言ってんじゃん?(笑)
森田:そ、そうでしたねっ……//
ぼ、僕…明日から朝早く来ます!!
〇〇:別にいいけど
無理せずにな?
森田:無理してでも来ます!
〇〇:ダメだっての。(笑)
……ガラガラッ…
(教室のドアが開く)
生徒:あ……
〇〇:わっ!!
ご、ごめん……(離れようとする)
ギュッ…(ガッチリ掴んで離さないひかる)
生徒:失礼しました…
……ガラガラッ…(ドアが閉まる)
〇〇:ち、ちょっとひかるっ!
森田:ごめんなさい…けど…
あと、もうちょっとだけ……
〇〇:……あと20秒だけな。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
数日後…
井上:はぁはぁ…
……放課後部活の休憩中…
部員1:なぁ、梨名!
井上:ん?どうしたん?
部員1:ホモカップルの噂
知ってるか?
井上:え?なんやそれ。
部員1:それがさぁ?
前、梨名と話してた…えっとー
的野?〇〇先輩だっけ?
井上:は?〇〇先輩が?!
部員1:おぉ…
(やけに食いつき良いな。)
部員1:その〇〇先輩とさ?
一年生の…確か森田ひかるくん?
この二人がさ?朝、教室で
抱き合ってたって言う噂があってな?
井上:なんやねんそれ……
部員1:んでさ、梨名はなんか知ってる?
井上:知らんて…
ちょ、早退するわ。
(荷物を持って走る)
部員1:ち、ちょっと待てよ!!
なんだよあいつ。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
その日の夜…
プルルッ…(〇〇の携帯が鳴る)
〇〇:あ、井上さんだ。
ポチッ…(電話に出る)
〇〇:もしもし?
井上:〇〇先輩!
(声を張り上げる)
〇〇:おぉ…どうしたの?
井上:〇〇先輩と…も、森田さんの二人
噂が立っとるの知ってますか?
〇〇:噂?
井上:はぁ…これやから…
〇〇:なに?教えてよ。(笑)
井上:ふざけられる場合?
〇〇:すみません…教えてください
井上:はぁ…やから…その……
〇〇:そのぉ?
井上:ふ、二人がぁ!!
付き合っとるって噂が!!
立ってるんですよ!!
〇〇:え、えっと…俺と?ひかるが?
井上:ひ"か"る"?
〇〇:うん、ひかる。
井上:下の名前を呼びあってるん?
〇〇:そうそう。(笑)
最近さ?朝一緒に早く来て
俺の教室で話してるんだよね〜
井上:……は?
〇〇:良かったらさ?
井上さんも朝早く来れたら
俺の教室来て話そうよ三人で!
井上:僕のことは…苗字でさん付けで…
僕やって!!〇〇先輩に"梨名"って
呼んで欲しいんよ!!
(電話越しに声を荒らげる)
〇〇:そ、そうだったの?
なら言ってよ!俺も梨名って呼b((
井上:もう遅いやん!
〇〇:な、名前呼びに遅いとか
あるの?(笑)
井上:僕は…〇〇先輩のファーストを…
全部欲しいんやっ!!やのに……
〇〇:梨名?
井上:なんですか?
(不貞腐れた声で返事する)
〇〇:ありがとう
(優しく話す)
井上:……え?
〇〇:俺、他人からそんなに
大切に思ってもらったことが無くてさ?
そこまで大切に思ってくれてたんだって
だから…梨名、ありがとう!!
井上:な、なんやねんそれ……
ブチッ…(井上から電話を切る)
井上:なんやねん…ムカつく…
そんなの…嫌いになれないやん…グスッ
(腕で目元を隠し涙を流す)
……一方の〇〇は……
〇〇:俺って案外人から
愛されるんだなぁ〜//
やばいっ…調子乗っちゃうよ…//
わぁ〜!!(子供みたいに枕に叫ぶ)
〇〇母:あんたなにやってんの?
〇〇:あ、こ、これはぁ……
〇〇母:夜ご飯出来たから降りてきなさい
〇〇:は、はぁ〜い。(笑)
〇〇母:まったく。
バタンッ…(〇〇の部屋の扉を締める)
〇〇:恥ずぅ…//
とりあえずご飯食べよっ。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
……翌週の月曜日…
朝早くの〇〇の教室。
ガラガラッ……
(扉開け教室に入る〇〇)
〇〇:ふぅ…ってひかる
俺より早いってどゆこと?(笑)
森田:〇〇が少し遅かったんですよ!
(先に〇〇の前席の座ってる)
〇〇:ごめんって(笑)
ってか知ってる?
森田:何をですか?
〇〇:俺達が付き合ってるんじゃないか
っていう噂が校内に広まってんの!
森田:……知ってますよ?
〇〇:なんだよ〜知ってんのか(笑)
絶対先週の抱き合った奴だやね?
森田:はい……
〇〇:あれ?ひかる元気なくね?
森田:すぅ……ぼ、僕ッ!!
(立ち上がる)
ガラガラッ……
井上:〇〇先輩!!
〇〇:あ、梨名!丁度良かったわ
金曜日に教えてくれた噂の話をs((
井上:僕!!
〇〇:ん?
井上:〇〇先輩の事が好きです!!
〇〇:ふふっ。俺も後輩として好きだy((
井上:あ"ぁ"…だからそうやって!!
〇〇:ち、ちょっと落ち着いて?
井上:はぁ…そうやって
年下扱いするのやめてください。
〇〇:えっ…?
井上:僕は〇〇先輩に
かっこいいって思って欲しいんです!
〇〇:そ、それはぁ……
森田:〇〇!
〇〇:ん、んぅ?
(呼ばれた方を向く)
森田:年下の男子じゃダメですか?
〇〇:えっと…二人ともさ…
何言ってんの?(笑)
井上:嘘やろ……
森田:ぼ、僕達は
〇〇の事を恋愛対象として
好きって言ってるんです!!
〇〇:ふぇ?!
え、えっと…男同士だけど?
そ、そのぉ…結婚相手として
み、見てるってことぉ?
井上:〇〇先輩の恋愛対象の定義が
結婚相手ってことなんなら…
まぁ…僕達は〇〇先輩を
結婚相手として見てるで?
〇〇:あ、えっと……
(目が泳ぐ)
森田:これだからノンケは……
〇〇:の、ノンケ?
井上:あと、鈍感も追加やな
〇〇:鈍感?痛みには鈍感かもだけど…
森田:とりあえずこれから
どれだけ僕達が〇〇を結婚相手として
見てるのか教えてあげますね?
(ネクタイを外しながら言う)
〇〇:ん?ど、どういうこと?
井上:朝やから良かったやん。
あと、小一時間は誰もこうへんなぁ?
(ワイシャツのボタンを外す)
〇〇:ま、待って?
井上:もう待てへんよ?
森田:〇〇…?
〇〇:は、はいっ
井上:好きやで。
森田:好きです。
この日…〇〇は二人の後輩男子に
大人にしてもらったのでした……
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
終わり……