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勝手な思い

再開とは…本当に突然の事である。

都内某所、オフィス街の一角に
多くのキッチンカーが止まり
お昼時に販売をし始める。

それを目当てに列に並ぶ社会人達。
その中にはこれからある人と
再開する人物、遠藤〇〇がいた。

??:次のお客様どうぞ。

遠藤:えっと、チリホットドッグの
セットでポテトをLでお願いします。

??:かしこまり…って、〇〇?

遠藤:え!…金村先輩っ?!

…二人の動きが止まる。

…何故なら、二人は男子高校の
先輩後輩である…

スタッフ:あのぉ…金村さん?
バレちゃいますよ?
(金村のイアモニに声が届く)

金村:あっ…すみません。
料理が出来次第呼びますね?

〇〇:えっ…あぁ。はい。
(何も言わず席に着く)

……その後、料理を食べて
会社に戻ろうとする〇〇……

マネ:あの…すみません
遠藤〇〇さんでお間違えないですか?

〇〇:あ、あってますけど…

マネ:少し着いてきてもらえませんか?
貴方に会いたいって言ってる方が
いらっしゃいまして。

〇〇:えっと…お昼そろそろ終わりそう
なんですけど……

マネ:どうしてもだそうで……

〇〇:わかりました…10分だけです。

…そう言ってついて行くと
ある車の前へ……

…コンコンッ……

マネ:失礼します!ガチャ…
(車のドアを開ける)

ピーピーピーッ…

マネ:さぁ!中に入って!

〇〇:は、はい…
(車の中へ)

……ガチャ(扉が閉まる)

金村:おっ、来た来た。
久しぶり〇〇っ。

〇〇:やっぱり!さっきのは
金村先輩だったんですね!

金村:まぁな、実はドッキリでさ?
キッチンカーの店員が人気モデル
だったら?みたいなやつ。

〇〇:なるほど…それで。
けど、なんで僕を呼んだんですか?

金村:"なんで"って…お前が電話番号
変えちまうからだろ!

〇〇:そ、そのことは……

金村:とりあえず、電話番号教えろ。

〇〇:わ、わかりました。
えっと…08ゼ((

金村:遅いっ!携帯貸せっ!
(〇〇の携帯を奪う)

…数秒後…

金村:これ、俺の連絡先な。

…ガチャ……(扉が開く)

マネ:〇〇さん…そろそろ時間が

〇〇:そうですね。
(車から出る)

……その日の夜。

プルルルッ…(〇〇の携帯に電話が来る)

〇〇』はい、もしもし

金村』ほ、本当に出た……

〇〇』僕の電話番号なので
電話をすれば僕が出ますよ?

金村』知ってるわ!
俺が言いてぇのはそゆことじゃない!

〇〇』えっと…どういうことですか?

金村』はぁ…別にいいよ。
ってか明日〇〇仕事は休みか?

〇〇』はい、休みです!

金村』なら、今すぐに俺のLINEに
お前の住所送れ。

〇〇』な、なんで…ですか?

金村』そんなの会いに行くからに
決まってんだろ。明日の夕方には
仕事終わるから待ってろ。

〇〇』わかりました、なにか
食べたいものでもありますか?

金村』やめろ…別に話をしに行く
だけだ、変な気を遣うな。

〇〇』そうですか、ではお待ちしてます

ツーツーツー…(電話が切れる)

……翌日の夕方頃…

ピンポーン…(インターホンが鳴る)

ガチャ…(扉を開く)

金村:久しぶり…

〇〇:昨日会ったばっかりですよ?

金村:はぁ…一言余計だっての。

…金村をリビングへ招き…
二人対面に座る……

〇〇:金村先輩、お話って?

金村:あ〜ぁ。いや、なんでさ
お前、携帯電話の番号変えたんだ?

〇〇:っ……

金村:おい、早く答えろ。

〇〇:僕と金村先輩は住んでる世界が
違うんですよ……

金村:は?なに急に。

〇〇:僕は陰キャで地味で…
ジメジメした世界に住んでて
僕みたいな奴が…金村先輩の時間を
奪ったらダメなんです…足でまといです

金村:っ……んだよそれ。
五年待って返ってきた回答がそれかよ。
ふざけんな…ふざけんじゃねぇよ!!

バンッ…(机を叩く金村)

金村:お前が5年前に俺の電話に
留守電入れて何かと思ったら…
"金村先輩、僕と別れてください"
"めちゃくちゃ大好きです"
"金村先輩…幸せになってね。"
って音声だった……

〇〇:っ……

金村:既に三日前の留守電だった。
その後〇〇に何度電話しても
"現在使われておりません"って流れるし
〇〇の家に行っても引っ越してた…

〇〇:………お茶淹れますね。
(席を立つ)

金村:ふざけんな!
まだ話は終わってねぇよ!
(席を立つ)

〇〇:もう終わってますよ…
話も僕達の関係も…

金村:勝手に終わらせんじゃねぇよ!
そもそも、そっちがずっと俺に
"好き"って言いまくってきたんだろ!
そっちが俺を好きにさせたのに…
なんでそっちから…別れを告げんだよ…
そっちにそんな資格ねぇだろ…グスッ

〇〇:僕が金村先輩の足でまといにn((

金村:自惚れんじゃねぇよ!
〇〇ごときに俺の人勢いを
止めることなんて出来ねぇよ!
〇〇が足でまといになるほど
俺はちっちゃくねぇよ!!

〇〇:っ……

金村:なんでそっちが被害者面
出来んだよ…被害者は俺だろ!
昔も今も…
〇〇が"好きです、結婚しましょ"って
俺は"男同士なんだから無理だろ"って
あの頃をずっと忘れられないんだよ…
俺も…好きなんだよ…グスッ
(涙をこぼす)

〇〇:っ……
ギュ…(金村を抱きしめる〇〇)

金村:ズルい…勝手に好きにさせて
勝手に俺を手放して…〇〇なんか
好きじゃないっ…大っ嫌いだ…グスッ

〇〇:僕は大好きです

金村:知らないっ…そんなの聞いてないっ

〇〇:この5年間ずっと好きでした…

金村:うるさいっ…
あの留守電…〇〇の声震えずきだ…

〇〇:泣いた後だったので……

金村:俺に相談しろよ…グスッ

〇〇:相談したら金村先輩の時間を
無駄にしちゃうから…

金村:無駄じゃねぇよ…
俺は…〇〇がいないと駄目だ…
好きなんだよ…ずっとずっと……
〇〇が傍にいない5年間は
気が狂いそうだった…常に頭の中には
〇〇がいて…好きって言ってる。
けど、朝起きると横には〇〇がいない…
毎朝…涙が溢れてた…何度後悔しても
何も返ってこない…

〇〇:ごめん…

金村:嫌だ…絶対に許さない…
〇〇が俺と付き合ってくれるまで…
いや、結婚してくれるまで…許さない。

〇〇:男同士なんだから…結婚は
出来ませんよ?

金村:うるさい…傍にいろよ…
ずっと俺の傍に居てくれよ…
俺は〇〇の為なら人生全部捨ててまでも
一緒にいたい…〇〇しか見れない
〇〇しか好きになれない…
〇〇しか愛せない……
俺は〇〇と一緒じゃないと…
幸せじゃないんだよ!!
(号泣しながら〇〇に訴える)

〇〇:ギュッッ…(力を強める)

金村:ちょっと…

〇〇:っ……(金村を見つめる)

金村:そんな熱い視線送ってくんなよ…

〇〇:好きです…

金村:知ってる…

〇〇:大好きです…

金村:わかってる…

〇〇:愛してます…

金村:俺も…愛してる…

〇〇:結婚しましょう

金村:する…絶対にするから…

〇〇:静かな所に一軒家建てましょ…?

金村:周りの人から羨ましがられるな。

〇〇:ずっと二人で暮らしましょ

金村:当たり前だ…

〇〇:金村先輩…

金村:もういいだろ…美玖って呼べ…

〇〇:ふふっ…美玖っ。

金村:な、なんだよ…

〇〇:大好き…

金村:俺も大好k((…んんっ…//

チュ…(〇〇から金村にキスする)

…数分間お互いの愛を…
確かめるようにキスをし続ける…

〇〇:ぷはぁ…

金村:んっ…はぁ……

…お互いを繋げるように…
お互いの唇に糸が引かれる……

金村:もう俺から離れるな…

〇〇:もちろん!

金村:急にいなくなるのもナシだから。

〇〇:わかってますよ!

金村:次、いなくなられたら……
俺、タヒぬから…

〇〇:そんなこと軽々しく言うもn((

金村:軽くねぇよ!…本気だから。
俺から離れるようなら監禁だから。

〇〇:あはは……

金村:束縛もしまくってやる!
これが〇〇への罰だから……

〇〇:ふふっ…ちゃんと受けますよ罰。

金村:なぁ…嫌いにならないよな?

〇〇:なんで?

金村:重い女性はある程度需要あるけど
重い男性って…需要ないだろ?

〇〇:重い人は好きじゃないですよ?

金村:うっ……

〇〇:けど、重い金村美玖は大好きです。

金村:なっ…//バカ変態っ!

〇〇:ふふっ…愛してます。

金村:俺もだ…バカっ…//
ベッド行くぞ…//

〇〇:え?なんで?ニヤニヤ

金村:わかってる癖に…黙って着いてこい

……約一時間後…寝室にて。

〇〇:はぁはぁ…//

金村:ふぅ…ふぅ…//

〇〇:ギュ…
(息の乱れた金村を抱きしめる)

金村:えへへ…//ギュ…//(抱き返す)

〇〇:美玖さ…
ちょっとぎこちなかったね…(笑)

金村:うるさい…初めてだったんだよ…
こうもなるだろ。?

〇〇:えっ?!初めてだったの?!

金村:は?もしかして
〇〇は初めてじゃなかったの?!

〇〇:あ、いや……ええっと。

金村:墓穴掘ったな。
んで、?詳しく聞かせてくれよ。

〇〇:だ、大学時代に……ね?

金村:何人だ。

〇〇:男女合わせて二人です。

金村:どんぐらい付き合ったの?

〇〇:女性の方は5ヶ月程です

金村:ふっ…そんくらいか。

〇〇:男性の方は2年半ぐらい

金村:……は?あ、いや…今なんて?

〇〇:……2年半でs((

ガバッ…(〇〇を押し倒す美玖)

金村:マジでぶっ倒れるまでヤるぞ。

〇〇:ち、ちょっと待って

金村:ちょっとやそっともねぇよ!
それで体許したんだな?

〇〇:あうっ……

金村:その反応は"許した"って
言ってるのと同じなんだよっ!!
(〇〇に跨る)

〇〇:も、もう…疲れて…

金村:嫌だ…〇〇には俺だけ…
俺だけの色に染まってもらうから…
俺が全部上書きしてヤる。

〇〇:ち、ちょっと!!
んぁああ…!!

…その日の晩はベッドの軋む音が
鳴り続き…翌朝を迎える……

金村:んぅ……〇〇っ…グスッ
〇〇が…本当にいるっ…嘘じゃない
夢じゃない…本当にいるよぉ…グスッ

〇〇:……ん?金村先p((
ふふっ…僕はちゃんといますよ?

金村:これからも一緒?グスッ

〇〇:これからず〜っと!一緒です!
だから…もう泣かないで?
ギュ……(金村を抱きしめる)

金村:うわぁぁん😭😭
(号泣する)

ブルルルルッッ…(金村の携帯がなる)

〇〇:あっ…美玖の携帯電話が…

金村:ん。…ポチッ(携帯の電源を消す)

〇〇:いや…それはまずいんじゃ?

金村:〇〇より大切なものなんて
俺にはないよ?

〇〇:っ…//愛してます…//

金村:知ってる…//

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

終わり…。

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