遊びじゃねぇよガチだ。
…若い男子教師。
それが俺、菅井〇〇。25歳。
正直、男子校に配属されるなんて
聞く前は共学。なんなら女子校に行って
モテまくるなんてしょうもない
想像をしていた……だが現実は違った
生徒1:〇〇先生さぁ〜
さくちゃん先生の連絡先持ってないの?
〇〇:……実は…
生徒達:ぉお〜?!
〇〇:持ってません。(笑)
『んだよぉぉ〜!!』
〇〇:俺だって欲しいっての。
生徒とは友達のような距離感…それと
よく男子校は男子同士の恋愛が〜…
なんて話を聞くがうちの男子校はない。
なんせこの男子校に来るものは全員。
校長の深川麻衣さんにつづき…
齋藤飛鳥先生
秋元真夏先生
梅澤美波先生
山本美月先生
保健室の北野日奈子先生は
見ての通りナイスバディで大人気……
学校案内のパンフレットがメル〇リに
売り出されてしまうほどに教師陣が
人気で店員が毎年凄い倍率になる。
そんな学校には教師陣目当ての生徒で
溢れかえり…男子同士の恋愛に発展する
なんてことは滅多に起きない。
遠藤:はぁ。〇〇先生っ!!
(職員室で〇〇の横の席)
〇〇:は、はい…
遠藤:全然止まないんですけど?
〇〇:すみません……
…この人は遠藤さくら先生
俺と一緒に一年前この男子校に来た…
三年経った今。遠藤先生の人気が
爆破しているのだ……。
だがそのせいで…毎日遠藤先生に
告白や連絡先の交換を迫る男子生徒が
溢れているそうだ……なんなら俺も
連絡先を交換して欲しいほどなのだが。
〇〇:あはは…ちゃんと言っては
いるんですけどねぇ〜…あはは……
遠藤:もしかしてですけど…
〇〇先生も私に下心を持ってるんじゃ!
〇〇:違いますよ!!違いますって!!
心)違くない違くない)
遠藤:そんなに過剰に反応されると
返って怪しいです。
〇〇:あはは……
…そんないつも通りの雑談をしながら
職員室を出て教室へ向かう……
〇〇:あ、あの…遠藤先生
遠藤:はい?(先を歩いていたさくらが)
(〇〇の方を振り向く)
〇〇:そ、そのぉ…俺と連絡先のぉ……
??:おはよっ!さくちゃん先生っ?
遠藤:あっ!遥香くんっ…//
〇〇:なっ……
賀喜:あれ?〇〇先生?
さくちゃん先生といい感じだったかな?
遠藤:へ?
〇〇:ち、違うわっ!!
賀喜:ならいいけどさ?
さくちゃん先生?早く教室に行きな?
〇〇:はぁ?
遠藤:え?なんで?
賀喜:クラスの担任の〇〇先生と
お話したいからさ?
遠藤:ふふっ。遥香くんは
真面目なんだねっ!
賀喜:まぁね?😁
遠藤:じゃあ私先行きますね!👋
(二人を置いて先に教室へ)
賀喜:またね〜👋
(手を振り返す)
〇〇:ま、またぁ……👋
(力無く手を振り返す)
賀喜:はぁ…本当に〇〇先生わかりやすい
〇〇:うるせぇ……
賀喜:教師が生徒に暴言はダメだよ?
〇〇:なっ……
賀喜:本当に何度言えばいいのか…
俺が一年の頃から言ってるじゃん。
俺以外に鼻の下伸ばすなって……
〇〇:確かに去年から言ってるな…(笑)
ってかその男子校特有のノリいつまで
続けんだよぉ…俺も本気で遠藤先生を
狙ってんだからさぁ…
賀喜:っ……(顔を歪める)
〇〇:賀喜も遠藤先生を狙ってるなら
こんな邪魔してくるんじゃなくて
もっと正々堂々と戦おうぜ?(笑)
賀喜:っるせぇ……ボソッ
〇〇:ん?なんて?(笑)
賀喜:うるせぇって言ってんだよ!
ガシッ…バンッ……
(壁に手をついて〇〇に迫る)
〇〇:か、賀喜…?
賀喜:俺は…〇〇のことが…好きだ……
(苦しそうな顔で思いを伝える)
〇〇:男子校特有のノリってか
遊びとか…も、もういいって……
賀喜:違ぇよ…俺は本気だ
〇〇:い、いいって…
賀喜:俺は…ノリでも遊びなんかじゃ
告白なんかしねぇよ……
お、俺は本気で〇〇を好k((
〇〇:ち、ちょっと待て……
お、俺さ…そっち側っていうか……
俺…賀喜の気持ちには応えられない……
賀喜:それは…お、男だから…だよな?
〇〇:う…うん……
賀喜:……そ、そうだよな…(笑)
パッ……(〇〇から離れる)
〇〇:ご、ごめんな…
(申し訳なさそうに賀喜を見る)
賀喜:そんな目で見んなよ…(笑)
ほ、ほら…い、いつもの遊びだって!
〇〇:な、なんだよ…遊びかよ…
びっくりしたわぁ…
キーンコーンカーンコーン(チャイムが鳴る)
賀喜:ほら、チャイム鳴ったよ?
行きな!
〇〇:あ、う、うん!!
(走って教室に向かう)
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……数日後…体育館にて…
男子バスケの部活中だった…
パシュ…ドンドンッ……
(部員の自己練習中)
〇〇:今日は雨で外出出来なかったし
その分アップしっかりな〜。
……ちなみに〇〇は男バスの顧問です。
部員1:あ、〇〇先生賀喜は?
〇〇:えっあ……ぇっと。
か、賀喜は家庭科の補習だってさ。
すぐに来るとは言ってたけど。
部員1:そっか…なら。
じゃあ、賀喜来たら試合しますか。
〇〇:そうだな。(苦笑)
……数十分後…
賀喜:はぁはぁ…遅れました!!
(息たえだえに何ながらも言う)
〇〇:っ……
部員1:遅いぞ賀喜〜!
ういっ!
パシュパシュ……シュッ
(賀喜に強めのパスを出す)
賀喜:あっ……
心)やばい…パスが取れない)
このままじゃ…顔面に……)
キキッ……(シューズの音が響く)
バンッ………(賀喜に当たるボールを)
(手で防ぐが少し鈍い音がする)
〇〇:痛ッ…
部員2:〇〇先生!!
賀喜:〇…〇〇…先生…
〇〇:だ、大丈夫…(笑)
部員1:す、すみません!!
ほ、本当に…す、すみません!!
〇〇:大丈夫だって。(笑)
お、俺保健室行ってくるわ。
自主練で頼むわ…(笑)
(防いだ腕を抱え保健室へ向かう)
………保健室にて…
ガラガラッ……(保健室のドアを開ける)
〇〇:おっと……誰もいないのか…(笑)
とりあえず冷やさないと……
……一人でやろうとするが…
〇〇:痛ッ…やべぇ…難しいわ。(笑)
ガラガラッ…バンッ
(保健室のドアを閉められる)
賀喜:……手伝います。
(〇〇に駆け寄る)
〇〇:大丈夫だって(笑)
賀喜:大丈夫なわけない……
俺のせいで…
〇〇:別に賀喜が悪い訳じゃない
誰も悪くないよ。(笑)
だからそんな顔すんなよ…ヨシヨシ
(賀喜の頭を撫でる)
賀喜:っ……//反則過ぎだろ…//
(顔を赤らめ俯く)
〇〇:なにがだよ。(笑)
賀喜:別になんでもない…//
(そういうと袋に氷と水を入れ渡す)
〇〇:おぉ…ありがとう。(笑)
賀喜:ギュッ…(〇〇に抱きつく)
〇〇:な、何してんだよ…
賀喜:この数日…寂しかった……
〇〇先生のそばに居れないのは…
すっごく苦しかった…
〇〇:あ、えっ……
パッ……(〇〇からすぐに離れる)
賀喜:じ、じゃあ…俺は…こ、これで
…グスッ(涙を見せないように出ていく)
〇〇:か、賀喜っ…
いま…泣いてたよな……
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……一週間後…
軽度の打撲で腕は回復に向かった頃…
賀喜:おはよ。〇〇先生?
〇〇:あぁ…賀喜。
……腕を怪我した時は痛みに耐えるのに
必死だったが冷静に対面すると
壁ドンや保健室でのことを思い出し…
変に強ばってしまう…
賀喜:今日の放課後……
体育倉庫に来てくれませんか?
〇〇:えっ…な、なんで?
賀喜:そこで…全部終わらせます
〇〇:な、何言って……
賀喜:とりあえず…来い。
〇〇:……わ、わかった。
……その日の放課後…体育倉庫にて……
賀喜:っ……
〇〇:賀喜…いるか?
賀喜:お、やっと来たな。
〇〇:で、話って?
賀喜:すっ……俺さ…
もう…嘘つくのやめるわ……
〇〇:お、おう…
賀喜:俺…本気で〇〇先生のこと
好きだ…ノリでも遊びでもない。
本気で好きなんだ。
〇〇:…………
賀喜:けど、今日でこの気持ちも
終わらせる……
〇〇:え…………
賀喜:だからさ…最後に俺に
キスしてほしい…口に…さ?
大人のキスをしたい……
このことは断ってもいいよ……
だからその……んっ。
(目を瞑り〇〇に向けて唇を尖らせる)
〇〇:もう…俺の事好きじゃなくなるの?
賀喜:……うん…
〇〇:それなら俺も一つだけ言わせて…
賀喜:……なに?
(目を開き〇〇を見る)
〇〇:俺は"これから"一生誰だろうと
同性のことを好きにならない…
賀喜:そ、そうだよな
〇〇:……俺は賀喜遥香が好きだ…
賀喜:は、はぁ?!
〇〇:俺は…"これから"一生誰であろうと
賀喜以外のことを好きにならない…
賀喜:な、何言ってるんだよ……
〇〇:賀喜がボールに当たりそうになって俺が助けたときに気付いたんだ…
俺は今までずっと知らず知らずの内に
賀喜を好きになってた…毎朝遠藤先生に俺が電話番号を聞こうとしてたのは
賀喜が邪魔しに来るからだった……
その事に気づいたのは…
保健室のあの日から三日後だった…
……。
〇〇:あ、遠藤先生
遠藤:はい?
〇〇:そ、その…連絡先交換しませんか?
遠藤:え、えぇ……
〇〇:同僚なんですし!
交換しましょ?
遠藤:まぁ…いいですよ。(笑)
……連絡先を交換する……
遠藤:他の生徒に連絡先交換したこと
言わないでくださいね!ってか!
私の連絡先誰にも教えないでくださいね
〇〇:も、もちろん!
心)な、なんだ…この虚無感は……)
……。
〇〇:俺は…賀喜に会いたくて…
賀喜と毎朝話したくて……
俺は…賀喜と賀喜と……
ギュッ……(〇〇を抱きしめる賀喜)
賀喜:はぁはぁ……
なんで俺…気づかなかったんだろ……
〇〇:俺も自身が気づいてなかったんだ
賀喜が気づくなんてもっと難しいよ……
ってか…賀喜の心臓めっちゃドクドク
鳴ってるぜ?
賀喜:だ、だってぇ…グスッ
今日で諦めようと思ってたのに……
〇〇先生が俺の事好きだって…うぅ…
〇〇:なぁ…本当にノリでも遊びでも
ないんだよな?
賀喜:遊びじゃねぇよ…ガチだ。
ガチでマジで本気でッ!!
好きなんだよ…!!
どうしよもなく好きなんだよ!!
(涙目だが真っ直ぐ〇〇を見る)
〇〇:この数十日…俺はずっと……
賀喜を感じたかった……
ガバッ…(賀喜を押し倒す)
賀喜:俺もだよ……おいで〇〇先生…
お互いに離れられないように……
誰にも盗られないように……
マーキングして……愛し合おう……//
好きだよ……〇〇…//
〇〇:俺も…//愛してるよ…遥香…//
賀喜:ふふっ…//
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
………翌朝…学校の廊下にて……
遠藤:あ!〇〇先生!
(〇〇に駆け寄る)
〇〇:あ、遠藤先生。
遠藤:おはようございm((
賀喜:そこでストーップ。
さくちゃん先生、おはよ?
(〇〇先生を阻むように現れる)
遠藤:あっ…//遥香くん…//
賀喜:俺に惚れてるところ悪いけどさ?
ガシッ…グッ…
(〇〇のネクタイを引っ張り)
〇〇:賀喜っ?!
賀喜:こいつさ…俺の恋人なの。
俺の恋人の範囲1m入っちゃダメね?
遠藤:えっ…どういうこと?
賀喜:どういうことって…
そういうことだよ?ね?〇〇先生?
〇〇:……キスしよっか。
チュ……(賀喜にキスする〇〇)
賀喜:は?何言っt((んんっ……//
遠藤:ふぇ?!…//
(恥ずかしくなり顔を隠す)
(しかし見たくなり指の隙間から見る)
〇〇:ぷは……//遠藤先生。
遥香は俺の恋人なんで……//
賀喜:っ……//
遠藤:ち、ちょっと待って……ふ、二人…
私の反応見て遊んでるんでしょ!
〇〇:あ〜ぁ。
言っちゃった。
賀喜:はぁ…
遊びじゃねぇよ……ガチだ。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
終わり……