ブラック企業からの脱却
ブラック企業4年勤務のうち、1年がすぎた頃ある本と出会った。
それは、どこかの人事採用部の方が書いたものであった。人事採用部ということもあり、様々な会社を見てきた方で、異様な説得力のある本だった。
その中の一部に
私はブラック企業で10年間働いてきた。その中で得たものをあなた達に伝えたい。
見たいなことが書いてあった!
それを見て、教祖様(社長)に対する意識、視点を変えることで、ブラック企業に勤めていることは、これからの自分の人生の糧になると考えた。
要は、私は逆にブラック企業を利用しようと考えたのだ!
気持ち改革を実施したことで、会社への足取りも軽くなったように思える。
教祖様(社長)はどんな時にどんな言葉、態度を発するのか。観察するようになった。
しかし、ある事件が起きた。
ナイフを向けられた
遊びと本気の狭間でナイフを向けられると頭が対処しきれない。
あるミスをした。期限を1日過ぎてしまった!
ある記事を書いていたのだが、思考力もそれ程盛んな方ではないので、考えることに時間がかかっていた。そこで一緒に厨房にいる際に突然ナイフを向けられた。
教祖様(社長)の怒りのコップは、溢れたのだ。
「お前、何か俺に言うことないか」
この際次に発する言葉、「何でしょうか」か「すみません」かと思われる。どちらにせよ、この問いに答えはない。
ナイフを向けられ、罵られ、実際刺すつもりはなく脅しだったと思うが、お腹に5ミリ程刺さった。
その時は何も感じずにいたが、その状態で腕立てをさせられている時に冷たい感覚に気づいた。
血が出てたのだ。別に痛くないから気にしてはいなかったが、普通ならあり得ないし、恐ろしいのが、その時に私は「やったー」と心の中で思った。
刺すつもりはなかったから、血が出ることで流石に教祖様(社長)も冷静さを欠いて、自分の過ちに気づくだろう、こういうパワハラもなくなるだろうと、嬉しくなったのだ。
しかし、予想とは裏腹にこんな言葉が返って来た。
「何これだけで、慌ててる。かすり傷程度だろ」
といいながら、笑ってるように見えた。
お腹を刺されたのだが、見せてみろと傷を見せると、大したことないといいながら、消毒し絆創膏を自ら貼ってくれた。
教祖様(社長)も何も考えなくそうしたわけではない。全て教育でよくするため。自分の正義のために。でも、自分では正義でも、相手がそれを受け取るだけのキャパがなければ、パワハラになるんだ。
何だか、妻に暴力を振るって後で謝り優しくする、DV夫のような感じがして、気持ちが悪い。
精神的にきつい日々がまだまだ続くが、毎日乗り越えて、会社に行く日々が続いていく。