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こうりん③

長々と話を3つにわけてしまい、すみません。
ななめてんぱ です。

自分でも、こんなにも話をまとめるのが難しいなんて、そのセンスがないだなんて、今年最後にまた1つ自信を失いました。
そして、こんな年末に何を書いているんだという感じですが、
こんな元気でいたい冬休みの中、インフルエンザやコロナで高熱に苦しんでいる子供たちと、それを介抱する親御さんたちもたくさんいらっしゃると思います。
なかなか、うちの娘のようなことは起きないとは思いますが、もし何か似たようなことがあった時に少しでも励みになったらいいなと、思います。

読んで頂けたら嬉しいです。

こちらも是非、ご覧ください。



熱性痙攣、熱せん妄、夜驚症。
どれを調べても、あの夜に娘に起きた内容は見あたらない、、、。

息子の場合は高熱になると、

●幻覚、幻聴
●硬直状態
●泣き叫ぶ
●とてつもなく怖がる
●泡をふく
など、調べるとすぐに出てくるような症状を起こすのですが、、、。




娘が寝たのを確認した後、夫から聞いた話。

娘の隣りで寝ることになり完全にビビっている夫を残し、私が寝落ちした後、

すぐに娘がフッと起き上がった。
(手も脚も伸ばしたまま、額を何かで引っ張られたように)
かと、思ったらパタンと後ろに倒れる。
寝たのか?と思ったらまたスッと起き上がる。

本当にもうやめてくれよと、掛け布団を口の方まで引き上げ、その裾を両手でしっかりと掴み、娘の様子を横目でジーッと見つめることしかできない。

隣りでは嫁がイビキをかき始める。

恨めしい。

娘は、起きる倒れるを何度か繰り返した後、
今度は両手を上げて前に下ろす、両手を上げて前に下ろす。と、いうような、何かに崇拝のお辞儀でもしているような動きを繰り返す。

いよいよ、まずい気がする。

嫁のイビキも盛り上がってきた。

何度もお辞儀をした後、パタンと倒れ、、、、

そしてムクッと起き上がり、

(ちょうど嫁のイビキもそういう周期なのか、ピタッとなり止む)



「ここはどこだ」

「そうか人間の家か」

「人間の家に来てしまった」




恐怖中の恐怖。


娘だし、心配だけど怖い。
でも何も言わないのも怖い。
嫁の呼吸も止まっている。(無呼吸症候群)

で、出た言葉が、

「なんだよ~ こわいよ~」


ここで、私が起きる。

どうでもいい話、私はかなり大きめの扁桃腺もちで、イビキもかき、無呼吸症候群にもなるけれど、物音に敏感な方で、少しの音や声ですぐに起きてしまう。
夫の情けない声にもすぐに気づいた。

そして、私が起きたことで安堵し、逃げるようにトイレへ行った夫が、中途半端に閉めた扉の隙間から漏れる灯りを睨みつける娘を、
私もまた、口まで布団を引き上げ裾を両手でガッシリと掴み横目で観察していた。

この夜はこれで娘が朝まで寝たことで終わったけれど、もちろん娘には記憶がなく、、、。

本当に記憶がないのだろうか、ないフリをしているのではないか、、、なんて疑ってしまう。

人間の家に来てしまった誰かはもう娘の中からはいなくなったのか、、、。

娘が何かするたびに、いつもと違うような気がしてしまう。
娘が笑うたびに、少し恐怖を感じてしまう。

「それはよくない。」と。
「そんなことあり得ないよ。」と。

夫婦お互いに言い合いながらも2人の携帯の検索履歴は、
悪魔、 崇拝、 お祓い、 熱せん妄 悪魔、 憑依
なんていうワードで埋め尽くされていたと思う。

どう検索しても、

似たような症状で言えば

幻覚、聴覚
恐怖症、、、と、いうところかなと思うけれど、

それらは、恐いものが見えるとか、嫌な声が聞こえると言ったことであり、
あくまで自分主体で、恐い何かから逃げたり戦ったりしている。

まさか、自分自身がその怖いものになってしまうというような内容は見つけられなかった。

私たちが一番恐怖だと思ったことは、最初こそ大暴れだったけれど、途中から信じられないくらい静かになったこと。

具合が良くても悪くても、起きていればずっとしゃべり続けるような娘が、お茶漬けを食べたあたりから全くしゃべらなくなった。
顔も無表情、冷静沈着。

「ここはどこだ」

「そうか、人間の家か」

「人間の家に来てしまった」

とんでもないことを言ってくれたものだ。
大騒ぎしてくれたほうがよっぽど良かった。


娘なんだけど、娘じゃない気がする。
返事をする声も、様子もいつも通りと言えばいつも通り。
ただ、すごく静かだし、心なしか眼差しが大人びているような気がする。

あの夜の次の日はずっとこんな感じ。

そしてその夜、子供たちは熱もすっかり下がり、
通常通り子供を先に子供部屋で寝かしつけてリビングで夫と2人で話していたのだけれど、
眠ったのを確認してから30分もたたないうちに息子の泣き叫ぶ声。
夫と急いで見に行くと、2段ベッドの下の段で息子が、お姉ちゃんが怖いと怯えて泣きじゃくっている。

夫を見ると夫もしっかり怯えている。

上の段にいる娘を夫に覗かせると、娘はスヤスヤと寝ている様子。

これは、本当なのか、、、。寝たフリなんてことはないだろうか。

とりあえず怖いので、息子をなだめて、またリビングへ2人で戻る薄情な両親。

そしてまた、2人で話していたら、

いつからだろう?娘がリビングにきていた。

ただ立っている。

こわい。

寝ぼけたのかな?と、声をかけようとすると、

急に口を両手でガッとおさえて、跳び出そうなくらい目を見開く。
芸人の有吉なみに肩を上下させ、両足でダンダンダンダンと床を踏みつける。

こわすぎー

私 「吐くの?吐きそう?」
  「どうした?大丈夫?」

と、テンパった私は、わりと早口で娘に質問してしまう。

突然 フッと、もとに戻ったようになる娘。

私 「え?なに?気持ち悪いんじゃないの?どうしたらいいの?」

と、ますますテンパる私。

夫 「ちょっと、うるさいから!ちゃんと聞こう!」

そう言っている間も、またガッと口をおさえ、肩をガクンガクンさせ、足をジタバタさせる娘。

私 「なになに!?どうしたの!?どうしたらええの!?」

出るとしたら、何が出るの?

真っ黒いのとか出たらどうしよう 
虫とか出てきたらどうするの?

悪魔祓い系の映画観すぎな私は、そんな不謹慎な心配もしてしまうが、普通の子供の気持ち悪い時の様子とは全く違うのだ。

私 「吐く?どうする?どうしたらいい?」

何度も、聞いてしまう私も悪かったが、
そんな私に、娘の肩を掴み、夫が言い放った。





「うるさいから!!!!!!!!!この子はもう、取り憑かれているんだよ!!!!!!!!!」





言っちゃった。

言っちまったね。

言っちゃったって顔してる。

結構、叫んだね。


その時の娘の表情も、一言でいうなら  


「え。」


これが良かったのか、
キョトンとする娘が、いつもの娘に見えたから大丈夫な気がした。

気持ち悪いのか、ただのパニックだったのかはわからないけれど、その後は朝まで眠りました。たぶん。

次の日からも、やはりしばらく不信感は消えず、いろいろ疑ってしまい、

「人が目の前で苦しんでいます。あなたならどう思いますか?」

と、いうような類の問題をいくつも出して、その回答が優しい心のあるものならば、(悪魔ならこうは答えられまい)と、安堵する自分に反省したけれど、

ある夜、お風呂から出たら聞こえてきた、夫と娘の会話も似たような内容だったから、夫もまだ心配なんだなと思った。

あれから、現在までの4年の間、
とにかく高熱は出させまいと必死に育て。笑
この4年間の間は病気にもならず元気に暮らしています。


熱せん妄は、10歳頃までが起こりやすい年齢とされていますが、
娘も息子もこれから先も熱せん妄には気をつけないといけない気がします。

なぜなら、夫が夢遊病。

夢遊病と熱せん妄に強い結びつきはないかもしれませんが、熱があるかないかの違いだけで、似ていることから、何かしらの遺伝も疑ってしまいます。

夫もまだまだ、寝ぼけている範囲なのかもしれないけれど、片足はつっこんでいます。年齢と共に悪くなっていかないことを願うばかり。

夫の、とんでもない寝ぼけエピソードも、来年書かせて頂けたらと思います。

今回も長い文章を読んで頂き、ありがとうございました。





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