やさしい目をしていた話。

2024年6月。

彼が日帰り出張からの帰り道、ちょうど時間が合ってほんの少しだけ会った。
思いがけず会えて嬉しかった。数少ない、最初から最後まで楽しい気持だったデート。

平日でも休日でも、私が帰る時間や近くにいそうな時、少しだけ顔を合わせられそうな時、彼は連絡をくれた。

小さなワインバーの、路地に面した席に2人並んで座った。もう夏で暑かったはずだけれど、なんだか心地よかったのを覚えている。
交差点で彼を見かけて、わあ、会えた😊と嬉しかったのも覚えてる。

ソムリエのいるお店とのことだけど、気取らない感じですごくよかった。白レバーのパテを食べたり、サラダを食べたりした。美味しかったな。

彼は、今日は出張だからほとんど移動で仕事してなくて、こんな日があってラッキーだと話していた。そう聞いて、いつも忙しそうな人だから、たまにはそんな日を過ごせてよかったなと思った。
彼は、何か副業したい、と言い、その時も🐕️といっしょに何かしたい、と言っていた。1年間プロジェクトで関わったあとに、私と何かをしたいと言ってくれたことが嬉しかった。
彼がぼんやりと描く未来の端っこに自分がいることを、とても嬉しく思った。以前このこと書いたかも。

あの日の彼は、すごく優しい目で私を見ていた。
私は時々、左隣からのあの眼差しを思い出す。
そう言えば初めて飲んだ日も左隣にいたね。
あの時とは違うあなたの視線から、好きって気持ちが伝わってくる気がした。
幸せだった。
偽物でも、本物じゃなくても、それでも良いと思った。

帰り道、一緒に歩いて帰った。
いつもは悲しくなってしまう別れ際も、全く悲しい気持ちに襲われることがなかった。素敵な思い出だ。

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私に気を遣ってくれていたのか、会いたいと思ってくれていたのか。もしかしたら会えるかも知れない、という時には、彼は連絡をくれる。タイミングよく会えることは少ないけれど、それは今もそう。

私はそれを嬉しいと思っていた。

だけど、いつしか辛く感じた。
周りを気にして、コソコソしか会えない。
会うために私は時々予定を繰り上げたり後回しにしたりしていた。

そういう現実にだんだん疲れてきた私は、疑心暗鬼になった。
私が会いに来るかどうかで、気持を計っているのでは?
嬉しいなんて、とんだ勘違いなのでは?
いぶかしく思い始めてしまった。

あなたが欲しくてたまらなかったんだろうね。
それでも私は、あなたを好きになって、一緒に過ごした時間に感謝しているよ。

あなたと楽しく仲良く過ごすにはどうしたらいいのか。体を重ねなければ、悲しい気持にならずに済むのか。会わずに居たらいいのだろうか。

あなたに人生に居て欲しいけれど、この関係は、私には辛いんだろうな。

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