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東大理科数学2018〜2024 講評

こんにちは。シスです。
合格体験記で書いた通り、今回東大理科数学2018〜2024を、受験者目線で講評したものを講評します。
なぜ2018〜2024かと言うと、来年東大を受験する人たちが使う赤本に収録されている年度に合わせたかったからです。
難易度は「易、やや易、標準、やや難、難、激難」の六段階で表します。判定基準は以下の通り:
易:東大受験生なら当たり前に取れるレベル
やや易:東大受験生なら苦労せず取りたいレベル
標準:東大受験生ならなんとか完答したい問題
やや難:数学が得意な人が完答して差をつける問題
難:東大理科数学で点数3桁取るような人がギリ完答できるかくらいの問題
激難:東大理科数学で満点取るような人が果敢に挑戦してなお爆死する程度の問題
※なお、この難易度は完答の難易度です。それぞれの小問の難易度は講評しませんのであしからず。
※難易度づけは全て私の独断で行っています。そのため、他の方々の難易度付けと大きく異なることがありますが、ご容赦ください。
※解答の根幹にまで触れている問題があるため、実際に問題を解く前にこの講評を見るのは明確にお勧めしません!ご注意ください!
では、いきましょう!


2018年

「難しくはないが厄介な問題」と「難しくて厄介な問題」が混在されているセットだと感じます。この7年間の中で2番目に嫌い。

問題。ざっくり難易度講評もついてる

第1問 難易度:やや易

ただ微分するだけの問題…なのですが、三角関数と多項式関数が分数関数の形でまぜこぜになっているため、要領よく微分して式をまとめないと大変なことになります。
こういうのを時間かけてしまうか、短時間で切り上げられるかでこのセットの出来が大きく変わってしまうため、油断のならない問題です。私は大きく時間をかけたために、厳しい戦いを強いられました。
なんかすごいこき下ろされている問題な気がするけど、個人的にはそんなに簡単ではないと思う。
極限は雑魚。気分転換になぶり殺してあげよう(?)

第2問 難易度:やや易

⑴はただの計算問題ですが、⑵が少し発想が要ります。⑴から、an=(qn×qn-1×…×q2)×a1/(pn×pn-1×…p2)の形で表せ、さらにちゃんと⑴ができていればqnはnに関わらず奇数であるとわかるため、pnが偶数となるnに対し、それ以上の自然数ではanは整数とならないことがわかります。これが⑵のざっくりとした解法です。少しひらめき問題の様相を呈するため、気付けないと沼にハマることになります。(私は少し沼った。2018年の数学はかなり解きにくかった印象)

第3問 難易度:やや難

問題文が何言ってるのかぱっと見よくわからないですが、ちゃんと読解すれば二次関数をx軸方向に並行移動した時の通過領域の面積求値問題だとわかります。ただ、今回は通過領域の形が二つに場合分けされ、そのうちの1つが面積を求めるのがそこそこ大変なので、ちゃんと完答しきるのは至難の業です。これちゃんと取り切れたら入試本番では大きなアドバンテージになったでしょう。(こういう現実的に取れそうな問題で差がつく問題はこのような形で明示します)文科数学の方に易し目の類題があるため、わからなかった人はそちらをやってみましょう。

第4問 難易度:易

何をやらせたいかが至極単純明快な上、場合分けなどの複雑な操作もいらないため、とても解きやすい問題となってしまいました。絶対落とせません。最後のグラフは位置関係などにも注意して書きましょう(一敗)

第5問 難易度:難

複素数平面の問題ですが、ここまで幾何的内容にアプローチする複素数平面の問題はなかなかないため、ちゃんと複素数の扱いに慣れていなければ⑴から苦戦必死です。解答の分量も多く、総じて6問150分という東大入試の時間では完答は相当厳しいでしょう。
多分東大数学2018の中では最難問。

第6問 難易度:難

立体の図が絶望的にイメージできないとかではなく、誘導も丁寧なため、時間をかければ完答できます。が、それを6問150分という環境下で解くのは相当厳しいです。なので、完答できるかどうかよりも、部分点をどれだけ稼げるかにかかります。逆に、部分点は取りやすいため、第5問よりは希望が見える問題です。

2019年

難しい問題はありますが、方針がまるで立たないような問題はないため、うまく波に乗ればかなりの高得点が期待できます。また、部分点を稼ぎやすい問題が多く、実際の入試では高得点勝負となったと思われます。

東大数学2019

第1問 難易度:やや易

正直に言います。落とせない問題です。
方針はすぐ浮かぶでしょう。置換積分でやってもいいし、展開してから解いても良いと思います。大事なのは、こう言った問題をミスなく取り切ること。ここで満点を取れると、割と他の受験生と差がつきます。こういうの、かなり大事です。

第2問 難易度:易

方針は割とすぐ立つと思います。文系向けの第一問を見れば分かりますが、正方形上の全ての点の間の距離が、どこかしらの長さをpとすると、それだけで求まるので、それを使います。私は三角形PQRを囲む三つの三角形の面積の条件から求めましたが(こちらの方が考える三角形が全て直角三角形なので計算はしやすい)、三角形PQRの面積が1/3から考えても簡単に解けます。第1問以上に落とせない問題でしょう。

第3問 難易度:難

毎度思うのですが、なんで東大の立体っていつもいつも難しいのでしょうか…?難しくしなきゃいけないとかいう決まりでもあるのかな…?
⑴は流石に簡単ですが、⑵からとんでもなくややこしくなります。断面を考えるだけなのですが、どことどこが交わるのとかを考えるのが難しいです。この手の話題が苦手なら⑵の時点で逃げるのは悪い手ではないでしょう。⑶も⑵が解ければ極端に難しいものではないですが、難しいことに変わりありません。
多分東大数学2019の中では最難問。

第4問 難易度:やや易

⑴はユークリッドの互除法だけで簡単に解けますが、⑵は若干ひらめき要素があります。平方数をなんらかの数nで割ったあまりには、多くのnに対してかなり強い縛りがあるため、それを考えることがカギになる問題です。
整数論に慣れているか慣れていないかで少し差がつくかも。ただ解答の道筋の大部分が素直な議論で占められており、完答できなくともかなりの部分点が狙えそうな気はします。

第5問 難易度:やや難

⑴と⑵は中間値の定理だけで取れます。絶対に落とせません。
⑶は、3つの極限いずれに対しても、極限の問題への高い対応力が求められる、いわゆる難問となっております。挟み撃ちの極限、式変形の工夫、微分系の持ち込みなどなど、難しい極限を解くカギを全て使わせる問題です。これが解ければ極限問題に対する実力は相当高いと言って良いでしょう。

第6問 難易度:やや難

ぱっと見すごく難しそうに見えますが、実は飛躍的な発想はあまり要らず、全ての条件をきちんと使い、着実に計算を実行すれば、定石通りにやるだけで完答が狙えます。計算量が非常に多いですが、根気よくやれば、試験時間内の完答も充分見込める問題であり、これが完答できれば大きなアドバンテージになったことに違いないでしょう

2020年

出題傾向は2019年と似た部分がありますが、全体的に2019年より一段階上のレベルにいるような感じの問題です。ただ極端に難しい問題はなく、バランスの良い出題になっていると感じます。

2020年問題①


問題②

第1問 難易度:やや易

あまり発想の飛躍が要らず、わかることを積み上げていけば容易に解ける問題だと思います。論証に気をつけて解き切りましょう。二次関数への解像度が高いとなお有利。

第2問 難易度:やや易

少し調べるだけで一気に道が開ける問題です。三角形ABX、BCX、CAXを組み合わせた図形が、任意の状況下において三角形ABCを内包し、かつ三角形ABCの外側の図形がABCと辺を共有しており、面積が求めやすいことに気づくことがポイントとなります。そこが気づけば場合分けも突破できることでしょう。これも取り切りたいですね。ここまできちんと取り切れると、東大数学120点中40点分を攻略できたことになるので、気が楽になると思います。

第3問 難易度:標準

方針は難なく立つと思います。⑶とかも大学受験に限らずよく出る考え方を活用するのみです。が、完答となると話は別。割と全般において計算が重く、計算弱者泣かせの問題に仕上がっています。これが完答できたらそこそこなアドバンテージとなると思います。

第4問 難易度:やや難

割と嫌らしい数列の問題です。
何がいやらしいって、考えなきゃ行けないことが多い割に規則性が見えづらいことだと思います。
(1)からどぶる人も多いと思います。
素直にいけると言えばいけますが、これを素直にいけると自信を持って言える方は相当の数学力をお持ちになっていると思います。私は無理でした。

第5問 難易度:標準

回転体の問題ですが、これはかなりイメージしやすいと思います。
最終的には、様々な円錐が平面z=t上でどのような切り口を描くのかを考えるのですが、全ての円錐について、平面z=tで切断した時の円の半径が一定であることに(1)で気づきたいところ。
逆にそれに気がつけば、円錐の頂点が動くときの、平面z=t上での挙動がわかるため、立体が把握できる、という問題でした。
これは立体問題の中では解けるライン上にきちんと位置している問題だと思います。きちんと取りましょう!

第6問 難易度:難

見るからに(1)が(2)の誘導になっているっぽいのですが、私が(1)から解けなかったため、この問題の難易度は難となりました。唐突に中間地の定理とかやめてほしいですよね。
ちなみに(1)がとけたら(2)が解けるほど甘くはないです。私はこの問題が東大理系数学2020最難問だと思う。第4問とどちらが難しいかは個人差の範疇かな。

2021年

手強い問題揃いです。
すっきり完答できるような問題はあまりないですが、小問が多く、部分点が稼ぎやすいセットだと思います。

問題①


問題②

第1問 難易度:やや難

もちろん(1)はとらなきゃ行けないのですが、(2)はかなり難しいです。
考えなきゃ行けないパラメータが2つあるので、まずそこから工夫が求められます。
私はパラメータを一つ固定して逆像法みたいなことをやったのですが、まあ大変です。考えなきゃ行けないことが多くて。
これ取れたらかなりのアドバンテージになってると思うのですが、実際のところどうなのでしょうかね…

第2問 難易度:標準

素直な複素数の問題ですが、計算ミスなく解くのは割と大変です。
とは言いつつ、これ多分2021年のセットの中では簡単な方だと思うので、計算ミスなく取りきれないと少しきついかもしれません。

第3問 難易度:やや難

例の如く(1)は取らなきゃ行けないのですが、(2)がえぐい。2019年の第1問とかと比べ物にならないくらい積分の実行が大変です。
これ取れたら大きなアドバンテージになったでしょう。

第4問 難易度:やや難

問題量が多いんだよ(怒)
誘導がしっかりしており、東大の整数問題にしては発想の飛躍が要らず、そういう意味では簡単なのですが、問題数も記述量もバカみたいに多く、25分で解き切れる気がしません。
これ解けたら大きなアドバンテージになると言いたいんだけど、3問もそういう問題があると、それが解けたからじゃあアドバンテージになるのかと言われたら微妙なんですよね。2021年のこういうところが嫌い。
後(2)でコンビネーションを分数に開くということができないと無限に詰むので注意。

第5問 難易度:やや易

これは簡単ですね。2021年唯一の良心。
典型問題だし計算重くないし。
逆にこれが合わないととんでもなく厳しい戦いを強いられることになります。気をつけましょう。

第6問 難易度:難

(1)は取りましょう。
もうそれでいいと思います。
だって(1)できたところで(2)意味不明なんだもん。
まあ(3)が(1)と(2)使って割と素直に解けそうなので、余裕があれば試すのはアリだとも思いますが、そんなことしてる時間が果たしてあるのか…?
多分東大数学2021の中では最難問。

2022年

割と簡単な問題と難しい問題に分かれており、取るべきものがはっきりしているセットです。しかし、同時に難しい問題がかなりむずかしく、数学が得意な人と苦手な人で差がつくセットだったかもしれません。

問題①


問題②

第1問 難易度:易

特に詰まる要素はないはずです。
絶対に落としてはいけません。

第2問 難易度:やや難

⑴はただの合同式の問題です。
(2)で少し発想がいるでしょうか。とは言っても、⑴の議論を振り返れば、anを5で割った値に周期性を見出すことができると思います。それと同じことが他の整数(特にan)について成り立たないだろうか?と考えることができると、一気に見通しが良くなります。山場は(2)で、(3)は(2)を使ってなんとかできるので、なんとか(2)で頑張って思いつきたいところです。もちろん思いつかなければ他の問題を頑張りましょう。これは決して「絶対取らなきゃ行けない問題」ではないと思います。

第3問 難易度:標準〜やや難

これ地味に難しくないですか??自分だけ??
⑴は確認のための問いなので、取らなきゃ行けないんだけど、(2)とか場合分けめんどくさいし、頭こんがらがるだけだと思うのですが…
もちろんこの問題も山場は(2)で、また(2)も発想がいるわけでもないので、いわゆる「頑張ればできる」タイプの問題ではあるのですが…私は完答できませんでした…

第4問 難易度:やや易

(1)は典型問題です。取りましょう。
(2)に関してなのですが、fが奇関数であることに着目できると、かなり見通しが良くなります。
どういうことかというと、fが原点対象なので、原点を通るように直線を引けば、その直線って条件を満たしませんか?ということ。逆に条件を満たすような直線は原点を通ることを示してあげれば(証明は簡単)、全て終わりになる、というかなり旨味な問題でした。
もちろん面積を導出してそれを用いて解くこともできますが、それだと少し時間がかかってしまい、計算ミスのリスクも高いです。
今回は全体的に問題が難し目なので、こういった問題を工夫して解けるとそれだけでそこそこアドバンテージになると思います。もちろん複雑な計算を完遂する能力も軽視してはなりません。その辺りのバランスを考えるために過去問演習ってあるのではないでしょうか。

第5問 難易度:難

2020年の立体問題と見た目似てますが、考えなきゃ行けない状況はもっと複雑です。東大の難しい立体問題の中では状況が想像しやすい分マシかもしれないですが、それでも相当に自信がなければ捨てるのが安牌といっても過言ではありません。
多分東大数学2022の中では最難問。

第6問 難易度:やや難

考えなきゃ行けないことがすごく複雑そうに見えて、実は単純化することができる。そんな問題です。
最終的に点が原点にいなきゃ行けないとすると、点はどのような動き方をしなければいけないか。
ポイントとなるのは、
「n≡1,2,3(mod3)となる時に同じ回数ずつコインで表が出れば、点は移動しない」
「コインで裏を出せば、点は移動しない」
これを駆使すると、意外と条件は単純な形で言い換えられると思います。そうなればあとは計算力との勝負。
かなり難しい問題ですが、極端に難しいわけではなく、やれば意外とできます。(1)の誘導がいい味を出しており、なかなかの良問です。できるかできないかで大きく差がつく問題だと思うので、ぜひ頑張ってみてください。もちろん「解けなきゃいけない問題」ではありません。
もし理系向けの問題を解いていて難しく感じたならば、文系向けの問題に取り組んでみましょう。もうちょっと簡単なので、状況をしっかり整理できると思います。

2023年

ここ7年で一番嫌いとかそういう次元ではありません。誇張抜きで悪夢のようなセットだと思います。

問題①


問題②

第一問 難易度:標準

山場は(1)です。区分求積法をまともに使いこなせないとかでない限り、(1)がとければ(2)は特に苦労なく解けます。そして(1)については、きちんとx^2が邪魔だと思えるか、そしてx^2を適切になんとかできるかに全てかかっています。
難易度では標準と書きましたが、多分この問題が東大数学2023のなかでは最易問です。他に特に完答できそうな問題が見当たらないため、これが完答できないと2023年の東大理系数学では相当苦しい戦いになります。酷すぎる…。

第2問 難易度:やや難

(1)は典型問題にかなり寄ってますね。落としたくない問題です。
(2)は…これなんですか??いつかの数学オリンピック予選第10問ですか?
問題は特に複雑ではないのですが、どのやり方においても考えることが非常に多く、重複して数えるとかいうミスをとても犯しやすく、完答にはかなりの注意力、慎重さを要します。決して簡単ではありません。

第3問 難易度:やや難

すごく嫌な平面座標幾何の問題です。
こちらも(1)はそんなに難しくないのでとりましょう。問題は(2)です。こういった二次曲線だらけの平面幾何問題ではとても計算が重くなることがよくあるのですが、これは特にひどいです。25分そこらで処理できるようなものではありません。完答できたら誇って良いと思います。
なお、別に方針に迷うところはそんなにないので、途中まで書いて部分点狙い、は通用します。それを狙うのが安牌でしょう。

第4問 難易度:やや難

そうは言っても比較的希望が見える問題です。
というのも、(1)と(2)だけなら教科書の章末問題レベルで、すぐに片付けられる問題だからです。
(3)はやはりかなり手強く、空間図形の把握能力や計算力がないと厳しいことには変わりありません。しかし、根気よくやっていけば、25分とかでもギリなんとかなるタイプの問題であるが故に、第2問、第3問にくらべたらだいぶマシです。まあそれでも評価やや難なんですけど。

第5問 難易度:やや難

はい。これでやや難4問目です。そしてこれが私がこのセットを悪夢のようだと形容した理由です。すべての問いが一貫して難しく、そのせいで標準レベルの問題が事実上完答必須になったり、普段なら数強が数学で稼ぐために解く問題に粘るような問題にくらいつかなきゃいけなかったりするのです。正気の沙汰ではありません。というかもうこれふざけてるとしか思えないんだけど。
やはりこの問題も順当に難しいです。(1)はそんなに難しくなく、取るべき問題です。
(2)も、みるからに(1)を使って楽に解けるかのように見えますが、そんなことはありません。途中でh(x)の49乗が出てきてしまい、何も考えずに処理しようとすると間違いなく地獄を見ます。ここで発想をもう一段階高める必要があり、それが難しいです。
さてここまで5問みてきましたが、全部難しかったですね。まあでも、ここまで苦しい戦いの中で、第6問まで難しいとかということはないはずです。だってこれは入試なのですから。大学に入る上での基礎力を確認するのに、問題が全部難しいなんてこと、あってはいけません。
第6問は、少しは希望のある出題なはずです!


第6問 難易度:激難

??????????????????
いや、これ本当に入試?数学オリンピックじゃなくて?

講評なのですが、解説を見ても何にもわからなかったので、私から言えることはありません。
強いて言えば、(1)はまだ希望はあるかもしれない、でしょうか。
東大数学2023年の中で、いやここ10年くらいの東大理系数学の中で最難問だと思います。 

ちなみにここまで「2023年の東大数学やばい」と言っておりますが、2023年の東大入試は物理の方でめちゃくちゃやらかしてくれたので、相対的にこいつの影が薄くなってしまいました。
2023年度東大受験生の方、本当にご愁傷様でした…

2024年

私が受けた年です。
前年度を受けて東大側も反省したのでしょうか、かなり全体の難易度としては落ち着いており、解きやすくなりました。
ちなみに物理は別ベクトルの難化を見せてくれました。許せん。

問題①


問題②

第1問 難易度:易

一つ一つ条件を考えれば確実に解けます。なので確実に解きましょう。

第2問 難易度:やや易

2022年第1問に、絶対値による場合分けを混ぜてめんどくさくした感じの問題です。
こちらも定石通りやっていけば解けます。(3)の積分はやや大変ですが、あまり取りこぼしたくない問題です。

第3問 難易度:やや難

これは難しいです。よくある確率漸化式の問題なのですが、普通の確率漸化式の問題に比べ考えることが結構多く、対称性などを用いていかないと処理できず、一筋縄で行かない問題となっています。
(1)、(2)あたりまで取れれば十分だと思います。ちなみに私は(2)すら解けてません。

第4問 難易度:やや難

方針が難しいとかはあまりないのですが、計算量だけで難易度が上がってしまっている問題です。平面幾何で計算が重いのはよくあることなので、そこら辺はある程度諦めるしかないのですが、これはかなりきつい部類に入ります。これが完答できれば大きなアドバンテージになったことでしょう。部分点を狙いやすい問題だと思うので、捨てるのは非推奨です。

第5問 難易度:標準

東大の立体は往々にして難しいことが多いですが、これは良心的ですね。こういうの、問題集とかでみたことありませんか?
立体問題の定石は、断面を考えることなのですが、こういう問題はとても断面が考えやすいです。また、単純に回転体なので、最後の積分の計算も実行しやすく、かなりあっさりとした問題に仕上がっています。
私が解けた数少ない東大の立体問題の一つです。

第6問 難易度:難

東大の整数にしては珍しく、かなり難しい問題となっております。
(1)はやればできますが、(2)が難しい。xで割るのは良いんですが、割った後の式を考えるにあたり、考えることが多いのがこの問題を難しくした原因です。地道に考えればなんとかなりそうですが、25分でそれを行うのは相当厳しいでしょう。多分東大数学2024年の中では最難問。

最後に

ここまで読んでくださった方、本当にありがとうございました。以下、未来の東大理科受験生へのアドバイスです、
全体的な傾向として、東大理系数学は量も多いし問題自体も難しい、というのがあります。なので、どの問題をチョイスするか、どれは絶対に解けなきゃいけないのか、どの問題にどれくらい時間を割くべきなのか。その戦略が他の大学の入試以上に大事になります。その判断の一助となれば幸いです。もちろん、以上の講評は全て私の独断に基づいており、どこまで信頼性のあるものかは私自身もよくわかっていません。東大理系数学ともなれば数多の予備校やブロガーなどが難易度づけや講評を行なっているので、それも大いに参考にしてください。
一つ言っておくと、私は立体が数学の中でと著しく苦手なので、ちゃんと難易度の分析ができているとは到底思えません。申し訳ないです。
最終的に、入試における数学での戦い方は個人が構築するものです。数学の中でも何が苦手で、何が得意なのか。それを分析した上で、過去問を解く際にどう取り組むかを決める。解いた後は、解けなかった問題の復習も大事だし、「自分の思った通りに取り組めたか」を分析したり、「何が足りてないか」の分析をしたりするのも大事です。
各問題のカギや難しいところはこの記事で網羅したつもりでいるので、そちらも過去問の復習に役立てていただければと思います。

改めて、最後までお読みいただき、ありがとうございました。
受験系の記事はこれで最後にしようと思います。気が向いたら中の人の東大での生活を書くかもしれません。
ではまた。


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