毎日が日曜日?65歳までにしておきたいこと、65歳からしたいこと

退職するその日まで、不思議と集中していつも通り働いた。
午前中まで引継ぎがかかり、午後からは私物を整理して粛々と、いつも通り帰宅しようと思っていたが、思い直して同じフロアの同僚にご挨拶、照れ臭かったが、やってよかった。

その時離席していた面々も後で追いかけてくれたり、出張中の同僚も電話やメールで別れを惜しんでくれた。

通り過ぎようとすると後ろから声をかけてくれる社員がいたが、何人も顔と名前が一致しないが、うーん思ったより顔が広かったようだ。

先に退職した面々は最終出社日に宛先をb.c.cにして「お世話になりました」的なメールを送信してくるが、こちらはご丁寧なようで正に略儀なので、リアル挨拶に勝るものなしとやめにした。

こんな儀式は今時もうないと思っていたけど、「定年の花束」というものもいただいた。

それでも42年余り勤めた会社、明日から縁が切れると思うとやはりあっけないもの、そして65歳までの第一の人生が幕を閉じた。

入社というものは入社した瞬間に社員になるが、やめるときは中々大変なもの、簡単にやめさせてくれない。

催促は一切ないが、退職届の提出、追いかけるようにして持ち株会の退会届(証券口座の取得)誓約書の数々、これも最近厳しくなった金融商品取引法や機密漏洩対策、年金手帳など数々の書類が送られてくる。

すぐに困るのは保険証だ。
次の職場に行くまで1か月、国民健康保険に入るつもりで市役所に行ったら「離職票があれば即日発行します。」と言われた。

ただしこれは会社からもらうものではなく、会社が離職証明書をハローワークに提出し、ハローワークが発行する。

これは退職した翌日に会社から申請されるので、自分の手元に届くに10日ほどかかった。

即ち、その間は無保険状態に置かれ、風邪もひけないし、家族がこの間、通院予定があるといったん自費診療になってしまう。

発行日は退職した翌日にさかのぼるので、事後でも保険金支払いはされると思うのだが、父の扶養だった期間を含めて、こんなことは初めてなので、まるで国籍を失ったような惨めな思いにさいなまれた。

また転職先の決まっている自分には影響はなかったが、この離職票というのは失業保険の給付を受ける際も必要になるようだ。

そう言えば雇用保険というもの、長年加入しているが一度もお世話になっていなかった。でもそれは幸せな会社人生を送ってきたということだと思う。




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