毎日が日曜日?65歳までにしておきたいこと、65歳からしたいこと♯16

新しい年を迎えて「無理せず」「楽せず」これを2年目に入る「ハイブリッド年金生活」1年の計としたものの、1月を振り返ると超多忙、土日でゆっくりできたのは今日が初めてだ。

今年最初のテーマは終活だ。少し早いのでは?と思われる向きもあると思うが、私の場合、まず自分自身よりも両親の終活を引き継ぐことになる。

負の遺産というつもりはない。両親は定年で自身がここに戻ってるものと、そしてやはり首都圏に嫁いだ姉たちの帰省先を残しておこうと、いろいろ住みやすくしてくれた。私自身、帰郷について肯定も否定もせずあいまいな態度をとっていたのだ。

1月の最終週に父の七回忌、母の三回忌を今は空き家となっている田舎の実家で行った。次は4年後、正直、それまで空き家を維持するのは負担が大きい。

法要を区切りとして、実家の売却を本格化させる。久々に姉妹、近い親戚が一堂に会したので、この意思を伝え、いろいろ思いはあるだろうが、理解はしてもらった。

売れないかもしれないが、自治体の空き家バンクに登録し、いつ来るともしれない内見に備え、両親の私物を片付け、目立つところに、「売物件」の看板を立てた。もちろんご近所にはその意志は伝えている。

空き家バンクと言っても実際には不動産屋が介在し、自社の広告に掲載さら、全国版のマッチングサイトにも展開される。自治体の役割は地方創生と人口増加、登録物件を購入するとリフォームする際、補助金が付く。

看板はいかにも原始的だが、売り手が付きにくい田舎の空き家は意外とご近所に需要があるそうだ。実家を出たい若夫婦で子供の学校区を変えたくない人にとってはコスパ最高の物件だ。

今回の帰省を機に自分では価値のわからない骨董の売却を試みた。実家は私が6代目で大きな納屋があり、今は使われることとない催事用の御膳、漆器、茶器、食器が満載だ。

仏間には100年以上かけて買い整えられた掛け軸、香炉、黒檀、茶箪笥、彫刻が多数ある。代々の嫁入り道具の桐たんすや着物も多数。これらは家の売却とともに、残置撤去のためただのごみと化す。

買いたたかれた。万の単位が付くものは名の知れた作家の掛け軸(箱付き)それ以外は一本千円、着物などは「引き取ってあげる」と言った体で単価100円、おそらくは買った時の1/1000もしない。しかも程度の悪いものは容赦なく置いていく。

黒檀の輪机、相当の値が付くと期待したが、需要がないと「買いたたき」もしない。螺鈿を施した茶箪笥など「形も色もよい」と評価するも修繕の必要があるとかで1万円。

蒔絵を施した漆器、あまり使用されてない伊万里など数点が万の単位が付く、明治から催事に使われた輪島塗の御膳などは見向きもしない。両親に申し訳ないという後ろめたさも手伝って心が折れていく。

収穫は記念品の銀杯、結構の数があり、これはグラムいくらで査定され、査定額の半分を占めた。残念ながら金杯はなかったが、金なら万年筆のペン先でも数千円の値が付くそうだ。おびただしい量のギフト品も箱の壊れていなければ一応値が付く。

それでも骨董屋はというと、2時間ほどの時間をかけ、座敷や蔵を丁寧に観察し買い取れるものを抜き出し、最期は査定額を算出し、査定の根拠を丁寧に説明し、この状態であれば値が付くなど、査定の正当性を丁寧に説明した。

思った値段の1/3にもならなかったが、これで捨てずに誰かが使ってくれると思うと気持ちの整理が付いた。「このまま引き取りなら」とその場で決断すると若干のプレミアムもつけてくれた。もちろん時間があれば複数の古物商と比較もできる。

同じ境遇にある人は少しは参考にしてほしい。田舎の大きな家は木造で築30年を超えると無価値、自身の場合は鉄筋コンクリートなのでわずかに市場価値があると、不動産屋から査定された。

ただ放置しておけば、固定資産税や庭木の剪定、草刈り、最低限の公共料金の支払で年間50万円ほどの経費が掛かる。

両親には本当に申し訳ないが、この世代までには何とか整理しなければならない。これまで「ハイブリッド年金生活」などと入る方ばかりを話してきたが、先祖から受け継いだものがある限り、こうした出る方も考えておかなければならない。

、運よく売れた場合でも、気を付けなければならないのは譲渡所得税だ。売却で利益が出ればその所有期間で20~40%の税金がかかる。所有期間が5年が境目だ。

それと売却益というのは売却額-取得金額となる。特に相続した場合、先祖が取得した金額を示す売買契約書がないと売却金額にそのまま、譲渡所得税、住民税がかかる。これを不動産屋から指摘され必死に契約書を探し当てた。

売却希望額は取得額を大きく下回るので、何とか税負担は免れる。それでも引き渡しまでに残置撤去に大きな経費が掛かる。3LDKのマンションなら40万円ほどで済むが、この費用は家の大きさに比例する。

本来なら自分自身の終活、断捨離に手を付ける年齢だが、その前にやるべきことはたくさんあることを思い知らされている。「ハイブリッド年金生活」はこうした一時的な経費を早く、整理して定常ベースを作ることが肝心だ。

2月に入り、やっと「無理せず」「楽せず」の「ハイブリッド年金生活」ができそうだ?そうありたいと思う。

いいなと思ったら応援しよう!