国家資格 キャリアコンサルタント試験体験&試験対策(JCDA 第23回受験)10. JCDA論述・面接試験対策 5 (論述問題対策 問3のキャリアコンサルタントから見た相談者の問題点のポイント)
続いて、問3のキャリアコンサルタントから見た相談者の問題について、どのような視点をもって問題点を記載するのかについて少し深堀りした内容を記載します。
結論から言うと、基本的には、以下の4つの領域を中心に考え、まとめれば十分です。ただし、思い込みのところは、過去の試験の模範解答などを見てもあまり出てこないようです。
1. 自己理解不足
2. 仕事理解不足
3. コミュニケ―ション不足
4. 思い込み
ただ、論述試験の回答では、上記4領域の表現を逐語録に合わせた形で表現しなければいけません。過去問をやるに当たり、最初のうちはそれが少し難しいと感じていました。ただ、それぞれの模範解答などを分析していくといくつかのパターンがあるので、基本はそれを覚え、あとカバーしていない部分は応用として試験時間の中で考えるようにしました。各項目での内容は、事例を挙げると以下の通りです。
1. 自己理解不足
(枠組み)
・価値観→自分なりの役職理解不足
・自己の強み、弱みの理解不足
・求められる知識・スキルの理解不足
・求められる態度・姿勢への理解不足
2. 仕事理解不足
・職業・仕事内容(業界、特定の仕事)理解不足
・組織のルール(含む不文律)の理解不足
・仕事の仕方(仕事・家庭両立等含む)の理解不足
・役割の理解不足(役職の仕事)の理解不足
3. コミュニケーション不足
・純粋に必要な情報収集不足
・聞けばわかることを相手に聞いていない→聞けない理由がある可能性もある(近くにいる人に聞けばわかることを聞いていないという意味のコミュニケーション不足)
4. 思い込み
l自らの(内的準拠枠=物事を見てするメガネのようなもの)に縛られて視野狭窄に陥ることによる思い込み(例:現場感覚を本社業務での強く持つべきという思い込み、自らの経験は幅がないので世の中では通用しないという思い込みなど)
さらに実際の過去問や模試に出てきた回答例などを見ると、上記4つが以下のような表現になっています。それぞれの過去問題で求められた、キャリアコンサルタントから見たふたつの問題点をセットにしていますので、そのポイントも記載します。
・この会社で求められる管理職の役割の理解不足(仕事理解不足)
・自身が目指す管理職像の理解不足(自己理解不足)
⇒この問題は、管理職像に対する理解不足と認識できたのですが、管理職像を会社から求められるものと自分が目指すものというふたつの見方で見ることで問題をふたつとしているところが特徴です。ひとつの問題をふたつの視点から見るというのがポイント。
・今後のキャリアを考える上での価値観に関する理解不足(自己理解不足)
・〇〇の仕事と家庭の両立についての理解不足(仕事に対する具体的な働き方に関する理解不足)
⇒仕事に対して自分自身がどのような価値観を持つべきか、どのような方法論で求められる役割を果たしていくのかがポイント。
・自身の習得してきた能力と今後習得する能力についての理解不足(自己理解不足)
・職場で上司から求められている仕事の仕方についての理解不足(仕事理解不足)
⇒自己理解の場合、価値観などのほかにスキル・能力もありますが、それを過去、未来と時間軸で見ていないこと、仕事の仕方を理解していないというのがポイント。
・今の職場で〇〇という仕事に求められる役割の理解不足(自己理解不足)
・〇〇という仕事としての(仕事に対する)価値観の理解不足(自己理解不足)
⇒いずれも自己理解不足になりますが、会社から求められていることを理解していない、仕事と自身の価値観を合致できていないというのがポイント。
・課長(その他、さまざまな役職)の仕事(役割)に関する理解不足(仕事理解不足)
・評価された自身の経験やスキルに関する自己理解不足
⇒既述の役割にも似ていますが、まずは課長というポジションに対する役割不足、過去の自分自身の経験やスキルがどのような他の仕事や社会に還元できるのかの理解不足がポイント。
・「現場での実績」という狭い価値観にとらわれたこと(自己理解不足・思い込み)
・上司とのコミュニケーション不足(コミュニケーション)
⇒人は自分の仕事スタイルなどを異なる職場に異動しても継承したいと思いがち(という思い込みを持ちがち)ですが、環境が変われば求められるものが違うという意味で、価値観をリセットする必要があること、単純に話を聞けばわかることを、聞いていないために自分自身の頭の中でぐるぐるしてしまうという意味でのコミュニケーション不足がポイント。
・幼稚園運営業務(やり方)に関する理解不足
・先輩教師とのコミュニケーション不足
⇒今までとほぼ同様ですが、仕事のやり方を理解していないとなかなか前向きになれないという意味での仕事理解不足と、教えを乞うことで理解できることが忙しさの中で視野狭窄になってしまい、後回しになっているという意味でのコミュニケーション不足がポイント。
このように、1から4に掲げた領域に関して、逐語録に基づき、どのように表現をするかが重要です。いくつかパターンがあるので、ある程度は過去問や模試の内容を何度も復習しながら、そのパターンを認識しておくと同時に、当日の試験の際に試験問題としての逐語録を読みながら考える余地を少し残しながら対応するのが良いと考えます。
<添付:個人使用PPT>
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