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給食指導

 「個に応じた指導」近年、盛んに言われるようになった言葉で、私自身もその視点から自分の指導を見直したものが多くあります。今日はその代表例、給食指導についてです。
 数年前までは苦手なものは3分の1まで減らすのはOKだけど完食すること。食缶を空にして戻すことという2つのルールを学級に課していました。「食べる経験を積む」「食べ物を大切にする」という2つの柱で給食指導をしてきました。「個に応じた指導」が学校現場に少しずつ浸透していること、そして、コロナ渦で各自治体が給食のルールを決めたことで給食指導を変えました。今、学級では、自分が食べられる量を自分で把握することが最大の目的です。そして、私が捨てられない拘りである「食缶を空っぽにする」は「できたら嬉しいな」程度で子供たちに伝えています。
 先週子供たちは7回連続で食缶を空にすることができました。「今日はごはんを減らしちゃったから、サラダをたくさん食べよう」
「ほんの少しだったら食べられる」今の給食指導の中で子供たちに育っているのは「食缶を空にする」という課題に対して自分がどうやって貢献するかという所属意識です。誰かが食べてくれるのを待つ人と、少しでも協力しようとする人。どちらが人から信頼され、どちらに人が集まるかは明白です。一方、特定の誰かの献身性だけで成り立っている組織も健全な状態とは言えません。そのため、無理なときは無理と主張できることも同じくらい大切です。私も「あとスープだけだよ」程度の声はかけますが、基本的には子供たちは押し付け合うことなく、自分たちで相談したり、分け合ったりして上手に課題をクリアしています。
 給食を通して食育とは、全く関係ない学びをしている子ども達。でも、学校教育ってこんなことなのかなとも思います。そして「食缶を空にする」という単なる私の拘りに付き合ってくれている子供たちに感謝です。

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