東雲和音は魔王になりえるか(考察)

カブキの違法DJに打ち勝てるのは和音だけではないかという話。

MY NEW GEAR presents 電音部 REMIX 09 のベルカ [Powerless Remix] のことを勝手に魔王Remixと呼んでいるオタクです。


東雲和音という女の子

和音の第一印象

・17歳
・ブルーカラー
・ロング
・外面がとてもいい
・生徒会長で優等生
・女の子大好き(いいわぁ♡)
・ゲーマー
・面倒見がいい

外神田文芸高校の生徒会長である和音ですが、クールビューティーに見えるオトナな生徒会長が、実は女の子および女の子同士の絡みが大好物である、というのはキャラ付けとしてある意味テンプレというか。

ゲームが好きという趣味も、サブカルオタクの巣窟であるアキバエリアでは取る足らない普通の趣味に成り下がっています。ただし、和音のゲームの腕前と、和音ほどたくさんのグッズを集めているのはさすがに特異的なようですが。

和音の内面について

さて、音楽原作キャラクタープロジェクトである電音部ですが、こと和音の曲については難解というか、”誰”の”何”を歌っているのかがよくわかりません。

Mani Mani、ベルカ、トアルトワなど、キラーチューン揃いの和音の曲ですが、これらにおいて和音の物語や内面が語られているかといわれると、正直よくわかりません。強いて言えば、トアルトワは何かしら物語に絡んできそうですが。
共通するのは、儚い恋、深い愛情、悲恋などをロマンチックに歌い上げているということでしょうか。

この、自分のことを歌わない、夢物語のようなロマンス、という和音の曲から、和音の内面が見えてきます。
すなわち、自分がなんでもそれなりにできるが故に、何物にもなれないというもどかしさとある種の諦観。転じて、夢(あるいは妄想)でくらいロマンチックに生きたいという願望が感じられます。

第1部ノベルでも、和音はそれほど努力しなくても、勉強や人間関係、もちろんDJもそつなくこなせてしまい、それ故に人生が面白くない、という描写がされています。
そんな時、零奈や火凛に出会い、秀才は天才には敵わないと悟ってしまいます。海月の「こちら側に来るのは無理」というセリフも、追い討ちをかけていますね。

一方で、並々ならぬ努力で天才に比類する力を持つことができる、というのは、海月自身が証明しています。火凛が海月を電音部に誘った時だって、こいつならアタシの敵になれる、と思ったからなわけで。

話が逸れましたが、和音は生粋のゲーオタです。しかも、実家がゲーセンだからか、現代のゲームより格段に難易度の高いアーケードゲームやレトロゲーを好んでプレイしているようです。彼女自身は、勉強や人間関係、DJは適当にそつなくこなせてしまう、と言いましたが、ではゲームはどうなのでしょう。

「人生はイージーモード。ゲームより簡単」とまで言い切っていた和音ですが、裏を返せばゲームはクリアするために何度も何度も繰り返しプレイし、攻略法を見つけていくことができる、しかもそこに楽しみを見出しているタイプだと思われます。まさにゲーマーです。

隙あらば自語りですが、私はいわゆる“死にゲー”が苦手で、何度も同じことを繰り返して攻略法を見つけるということができません。そんな自分からすると、何度も何度も繰り返して攻略法を見つけて次にすすむ、といったプレイングができる人は、それだけで才能があると思ってしまいます。私からすると和音は天才です。

和音のDJスタイル

第1部ラストの海月との対決で、和音はDJプレイをまるでゲームのように攻略できると気付き、一気に高揚する様子が描かれます。結局和音は海月に負けてしまいますが、このシーンは非常に印象に残りました。

STACKバトルを攻略することは、人間の感情や感性を攻略すること。そして、それを意図的に操作し、支配することすらできる、とまで思い至っています。
敗北後に清々しい表情で「自分なりの電音部を見つけた気がする」とか言っていますが、相当重大なことを見つけてしまったことに、和音は気づいているのでしょうか。

零奈や火凛のように天才的な感覚でDJプレイする人、海月のように理論で固めた上で殺気ともいえる気迫をもって叩きのめす人、美々兎のようにみんなが応援したくなるプレイをする人。彼女たちと和音には大きな違いがあります。それは、相手がいるかどうか

火凛や海月は一見違うと思いがちですが、火凛は”寂しいヤツ”なので、常に自分と同レベルで戦える相手を探しています。
海月はもともとクラシックの世界で聴衆、あるいは母親に認められたくて努力してきたし、第1部時点では零奈や父親に対する怒りでDJをしています。

それに対し、なんと和音は完全に己との戦いをしているんですね。もちろんアキバ電音部として勝ちたいとか、第2部では友達のハラジュクのみんなを助けたいという気持ちも持っています。
しかし、ことDJに関しては、一人用ゲームをするがごとく、点数の増減からもっとも点数が高くなるようにプレイする“攻略”をしています。第1部ラストのバトルでも、最終的に仲間の零奈やふたば、対戦相手の海月のことは頭になく、スコアやデータだけを見ており、聴衆の感情に流されずプレイをしています。

さて、ここで現段階でわかっている違法DJの特徴です。
現状、カブキ側がどのようにDJバトルで勝っているのか、GR社のDJユニットが何をもってミュージッククリスタルの耐久を増減させているのかはわかりません。ただ、摩耶のセリフから、”バトルのイロハ”、つまり攻略法があることがわかります。

一つは、聴衆のことなど考えず、本能のままにプレイすること。これは、ルキアが無双していることからわかります。一方、美々兎やたまが負けたのは、どちらも聴衆にあわせたプレイを意識してしまったからだと思われます。したがって通常状態の零奈はこの違法DJでは勝てません。

では、海月が負けたのは何故か。これも、本能的なプレイではなかったからなのでしょう。海月はDJプレイを理論的に組み、練習を重ねるタイプです。完成度は高いですが、決められた枠から出られないともいえます。
あるいは、零奈との和解により牙が抜けてしまった、という解釈もできます。火凛の見た狂気さが薄れてしまったのかもしれません。

火凛といえば、おそらく彼女もこの違法DJで勝てないのではないか、とすら思います。
彼女は自分がいいと思ったようにプレイすると聴衆が勝手に喜ぶ、と言っています。しかし、聴衆が期待する展開を「だが、やらねー」と裏切り、期待を超えるプレイをするというのは、常に聴衆を意識しているとも言えます。
第2部で纏の破壊的なプレイが描写されたことで、あの傍若無人な火凛ですら客に寄り添ったプレイをしているように感じます。

余談ですが、銀華は勝てると思います。彼女は周囲の望むように自分を演じる生き方をしていますが、それをやめたときにどうなるかは未知数です。ボイスドラマやノベルでもあったように、周りの目を気にしない時の銀華のDJプレイは火凛も一目を置くレベルであり、しかもそれはおそらく銀華の本気ではないということです。
銀華が本気、あるいは本能のままにプレイすれば、違法DJでも勝つことができるでしょう。ただし、彼女が本能を解き放つことでどうなるかは……。Make Some NoiseだしLove me harderなのでしょうか……。

和音はカブキを打ち倒すことができるか?

さて、では、和音はどうか? 彼女は第1部ラストで覚醒し、DJプレイもゲームのように攻略できる、ということに気づきます。聴衆や、対戦相手を気にせずに。

カブキによる襲撃は、相手が混乱しているうちに巻き込んで倒す、というものです。たまや海月は自分から乗り込んではいますが、動揺しているうちに負けてしまう、という流れは同じです。

和音は、ハラジュクやロッポンギ、アザブの襲撃、たまと海月の敗北を経験、分析しています。混乱に乗じた闇討ちは通じない。そのうえ、周りに意識を向けず、自分のDJプレイの攻略のみに集中できる、ある意味本能でのプレイができる和音は、カブキを倒しうる存在なのではないか、と私は考えました。


和音……すべてを支配する連邦生徒会長になってくれ。


和音の心うちは、エリア曲でしばしば語られます。人生イージーモード、でも何か足りない。Blank Paperはそのもの。NEW FRONTIER!も同じような出だしですが、”高鳴る予感がした”というように、彼女の変化を感じます。NEW FRONTIER!はエリア曲であり和音の曲でもある気がします。ジャケットもどでか和音だし。

いずれにせよ、和音に関しては”DJ、意外と面白いかも”以上の感情はまだでてきていません(大変なことに気づいてはいますが)。
以前の記事で、第一部では和音とふたばの成長はあったが零奈はない、ということを書いたのですが、実は和音も、彼女がもともともっていたポテンシャル、あるいは”好き”に“気づいた”だけとも取れます(それをいえばふたばもそうですね)。

彼女の新しい感情は、”友達のために”自分との戦いをすることで生まれるのではないでしょうか。生まれてくれ。そして星を産んで新たな光をくれ。具体的には第2部のソロ曲で。


天音みほさんのウインクが好きすぎる

話の本筋からは逸れますが、3rdLIVEの天音みほさん、めちゃくちゃかっこよかったですよね。感想記事でも書きましたが、歌唱力はバケモンだし、ダンスの切れもすごかった。1日目のベルカは2階席から拝見していたのですが、間近で見ているような迫力があり、圧倒されてしまいました。もともと、1stBDのみほさんのパフォーマンスに惚れて電音部にドはまりしたので、感無量でした……。

同時視聴コメンタリーで、ベルカの振付は天音さんだからできた、とダンスの先生に言われるほど難しい、という話がありました。もちろん、みほさんの並々ならぬ努力があってのことだとは思いますが、なんでもできてしまうのは和音っぽいですよね。

あと、2日目のMC1でヲトハチャンに「か、かわいい……」と漏らして小坂井さんにはたかれるみほさん、あまりに和音すぎる。あのシーン何十回と見返しています。

あとあと、和音のEat Sleep Danceめちゃめちゃよくって……! 最後のウインクも、めちゃめちゃありがとうという気持ちで……!


本筋から逸れすぎたので、この辺で終わります。
アキバ1st、絶対行くぞ!


追記
 ノベル内でまさか「魔王」という言葉が出てくるとは思っていませんでした……! 魔王たりえる器とされたのは和音ではありませんでしたが、和音は「感情の発露としての魔王」とは違った形で魔王に至るのではないかと思っています。



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