あたしたち やっとstart line(考察)
Find Meの話をさせてくれ。
先日の3rdLIVEアーカイブ同時視聴コメンタリーで石田Dにコメントを拾われて、びっくりして尻もちをつきました。
コメンタリー聞きた過ぎて現地行ったのにアーカイブ買ったし、どうせ擦り切れるまで見たくなると思ったので後追いでハラジュクのエリアスポンサーになりました。ありがとう電音部。おかげで旅費含め3rdLIVE関連で6桁万円のお金が飛んで行ったのですがどうしてくれるんですか? 頼むから現地勢はアーカイブ割引してくれ電音部。
さて、今回は石田さんにコメント拾われた件、Find Me (feat. ミディ) が3rdLIVEを経て全然意味の違う曲になった、という話をさせていただきたいと思います。考察というほどではなく、ワッとなってしたためた程度の文章です。
※歌詞の解釈はあくまで個人的なものです。
※3rdLIVEおよび若干第2部ノベルの内容に触れています。ネタバレ注意。
Find Me (feat. ミディ)という曲
これまでのFind Me
このポップでカワイイジャケットの通りの曲です。
このハラジュク3人衆めっちゃ可愛いですよね。
自分の印象としては、こんなにDJがうまくてカワイイあたしを見つけられないなんて! じゃああたしから会いにいってやるわ! という強気な美々兎の曲でした。そう、ハラジュク曲というよりは美々兎の曲としてとらえていました。
キャラクター性を除くと、音楽が氾濫する現代において、あたし(曲、あるいは歌手)を見つけて! というテーマの曲として聞いていました。
この曲では、もちろん「誰にも言えない 自分の心」「もしかして ひとりなのかな」「ホントは怖かったの ひとりきりは嫌なの」のように、美々兎の内に秘めている不安や寂しさも歌われています。
ですが、曲調が明るいポップなので、”素直になれない”美々兎の気持ちを歌った曲、という印象が強かったです。
美々兎の強気な性格や、想いと実力の不一致によるもどかしさは、どちらかというとPrincess MemeismやDYED?の方が印象的が強かったです。
第1部の美々兎個人曲と印象
Princess Memeism (Prod. Snail's House)
・かわいい私を見て!
・”あの子”への嫉妬。
電脳ロリポップ(feat. 周防パトラ)
・強気な美々兎。
・”愛かAIかどうか薄れていくけど”って歌詞いいよね
Do You Even DJ? (feat. Neko Hacker)
・強気さと弱気さの混在。
・こんなにかわいくてDJも上手いのに、なんで誰もわからないの?
第1部のハラジュク曲と印象
Future (feat. ミディ)
・明るさの中にあるちょっぴりの寂しさ。
・歌詞エモ。
シロプスα (feat. 安藤啓希)
・うー、はいっ!
Hyper Bass(feat.Yunomi)
・音ヤバ
・はい……ぱぁ……べぇす……♡
Distortion (feat. Yunomi)
・音ヤバ
・すていむー!
悪魔のララバイ (Prod. KiWi)
・わかりみしかない歌詞。
こうして並べてみると、第1部ハラジュクの曲はまさにKawaii、Future、Bassが強くて、Yunomi神によるやや難解な歌詞を除くと、シンプルにかわいらしさやツンデレ感を表現している曲が多いですね。ぽっぴんぱんのやぱぱぱぱはちょっとわからん。
3rdLIVEを経たFind Me
Sync My LightsからのFind Meで泣かんかったやつおる?
Sync My Lights自体も、零奈と美々兎の友情の曲から美々兎を支え励ます曲へと変わったわけですが、そのあとのFind Meに私はすっかりやられてしまったのでした。
第1部当初、美々兎はシブヤに勝つという夢を掲げつつ、海月に門前払いされたり、思ったようにDJができなかったりと、自分の理想と実力のギャップにもどかしさを覚えていました。
しかし、零奈との出会いやバトルを経て、DJが上手いとかSTACK バトルで勝つだけでない、美々兎らしいやりかたでDJを楽しむことを知ることができたのです。
””あるハズ”がない この世界”
”ワクワクしてたのにどうして?”
そこへきて、カブキの襲撃。これから楽しくなるはずだったのに、どうして? という歌詞に聴こえます。
”この手を掴んで!掴んで!胸が苦しいの!”
”終われない 止めないで キミはドコにいるの”
和音とふたばの説得により、美々兎のために立ち上がった雛と紫杏。この部分の歌詞は、心を閉ざしてしまった美々兎に手を差し伸べる雛と紫杏が重なります。
”あたしを見つけて!見つけて!ココにいるから!”
”ホントは怖かったの ひとりきりは嫌なの”
雛と紫杏を守るために、ひとりカブキに立ち向かった美々兎の本心。同時に、雛と紫杏の想いでもあると感じました。
美々兎に何もできないままだった雛と紫杏。襲撃の時もそうだけど、その後も怖くて一歩が踏み出せずにいた。ホントはひとりきりは嫌なのに……。
”あたしたち やっとstart line”
個人的に、この部分が一番意味合いが変わったところだと思っていて。これまでは、勝ち負けや順位だけじゃないDJの楽しさを知った美々兎、いつだって堂々としている美々兎に触発されて隠れるのをやめた雛、嫌々やってたDJもみんなとなら楽しいかもと思うようになった紫杏、三者三葉の想いの変化と、真の意味でのハラジュク電音部の結成、というストーリーをこの曲に見ていました。
第2部ノベルや3rdを経て、美々兎についていくだけだった雛と紫杏が、今度は美々兎を連れ出す。本心を伝えるのが苦手なハラジュクの3人が、ようやくその想いを伝えあったことで、やっとスタートラインに立てた、という意味に変わりました。
第1部ノベルを振り返ると、美々兎も雛も紫杏も、自分の本心ははっきり口にしていないんですよね。零奈と対比するとより際立ちます。
一応、一番口下手な紫杏が「みんな……いるし」とは言っているのですが。美々兎の(雛と紫杏じゃなきゃダメなんだ。……なんて、口が裂けても言えないけど。)とか。そういう大事なことは口に出して言え~!!!
”諦めない 何度でも Stand Up”
言わずもがな「踊れ、心」だし「美々兎はもう大丈夫です!」です。
”みんなのストーリー”
天才、超人、化物が跋扈する電音部世界において、美々兎は”あたし”であり、”きみ”であり、私でも、”みんな”でもあると思います。そんな美々兎の挫折と再起、ハラジュクの絆と祈りは、きっと”みんなのストーリー”でしょう。
他の曲の変化
ここまで3rdLIVEで大きく意味が変化したFind Meの話をしてきました。ここからは、第1部のハラジュク曲を聞き返していて気付いたことの雑記になります。
3rdLIVEでは、第1部のハラジュク曲としてFind Me、Hyper Bass、シロプスαの3曲が歌唱されましたが、それ以外の曲にも印象の変わる点があったので、そのあたり話していきたいと思います。
シロプスα
3rdLIVEのシロプスαは公式によるとBonus trackらしいですが、”さあ 飛び込んで”はNew Frontier!への返歌みを感じます。
Future
”いつかキミがオトナになったとしても 絶対忘れちゃダメ この色を全部”は、雛の”あなたの世界がどんなにモノクロになったって、何度だって色を塗ってみせます”というセリフに応じた歌詞でしょうか。そうだったらいいな……。
”やっと見つけたから ワタシの全てを”は、全てを失った美々兎が、雛と紫杏という、本当に大切なものを見つけた、という意味に感じます。
Hyper Bass 2023
曲名が違うので、厳密には意味合いの変化ではないかもですが……。”光る犬歯”が”光るくちばし”なのは美々兎&雛バージョンだからでしょうか。
この曲はChangeによって新しい意味が生まれた、といった感じでしょうか。魔法の呪文はアナグラムで「解き明かした なら会いに来い」。一方、Changeでは”魔法の言葉「もう大丈夫」だよ”とあります。そして”解き明かしたら、次はこうしよう”、”行動しよう”、”もう一度燃やしたいんだ”、”踊れ、心”と続いていきます。
美々兎たちの挑戦的な魔法の呪文をなぞって、ハラジュク再起の魔法の言葉、そしてもう一度心に青い炎を灯す。
……感情。
Distortion
”「どうかあの星を恒星に」”
これ!!! パンフレットを見た方はお気づきだと思いますが、今回の3rdLIVEは”星”がキーワードとして散りばめられています。キービジュやパンフ表紙ももちろんそうですし、StarchildやMy Starなどの楽曲も歌唱されました。
”想いは質量となり 星を産む”
あるいは、2ndLIVEから各エリアミーティングにかけて、”星”は裏テーマとして存在していたように思います。ほかの歌唱された曲にも”星”という言葉はしばしば登場しており、電音部プロジェクトを通しても”星”はキーワードなのかもしれません。それを踏まえて、再度この曲の歌詞を読んでみました。
Distortionとは、ゆがみ、ひずみ、ねじれ、などといった意味です。エレキギターの音を歪ませることもディストーションをかける、と言ったりしますね。曲名の通り、Yunomi神による極めて歪んだ音が印象的な曲です。何食べたらこんな曲作れるんだ。
また、音だけでなく、時間や空間も歪みます。相対性理論ですね。
物質は質量を持っており、万物には引力があります。そして、引力は質量が大きいほど大きくなります。あまりにも大きい質量は時空すらゆがめるほどの引力をもちます。
この曲の歌詞には潮汐、潮の満ち引きによって揺られ、振り落とされず波を掴めるように、といった情景が描かれています。
”波を掴む超パワー キラキラ光る空のうさぎのいたずら”は月の引力のことでしょう。”うさぎ”とあるのだから、当然美々兎のことも想起されます。
”「どうかあの星を恒星に」”
そこで、改めてこの部分です。恒星とは例えば太陽のように、自ら燃えて輝く星のことです。逆に言えば、月は恒星の光を反射しているだけで、自ら光ることはない存在です。
これまでは、月=美々兎として、それに引かれる(惹かれる)雛と紫杏の祈りが”「どうかあの星を恒星に」”だと思っていました。実際、Full Moonでも”月みたいな人”とあります。
ただし、Distortionの中では月という言葉は出てこず、一貫して星という言葉が使われています。美々兎は暗闇を照らす月”みたいな”人なので、逆に言えば自ら輝けない月ではない、という風にも捉えられます。つまり、恒星になれる星、であると。
と考えていたのですが、”想いは質量となり 星を産む”のです。この想いとは、美々兎の想い、雛の想い、紫杏の想い、だと、私は思います。
ハラジュクの3人の想いが合わさって産まれた星。あるいは夢や願い、祈りと言い換えられるでしょう。その星が、誰かの輝きに左右されるのではなく、自ら燃え輝く恒星になるように、という祈り。
”きみのいるところにまた 行けるように、星に祈るの!”
”新たな光が 導く未来”が楽しみです。早くノベルの続きを読ませてくれ~!
おわりに
なんかFind Meの話をしようとして書き始めたのに、気づいたらDistortionの話をしていた……。
前述した通り、今回は考察というほどではなく、ワッとなって書いたものなのですが、思えば電音部は音楽原作キャラクタープロジェクトなので、歌詞をじっくり読んで考察するのが一番重要なのでは? ということに気づきました。曲のパンチが強すぎてすっかり忘れていた。
そして、歌詞考察のためにはあらゆる媒体の文章を控えておかねばならないことにも気づきました……。今回改めてノベルやジャケットアートブックのフレーバーテキストを読み返したりしたのですが、もしかして電音部ラジオの曲紹介も振り返った方がいいか……?
そのうち、またワッとなったら、このような歌詞を読んだ記事を書くかもしれません。
このコンテンツはファンメイドコンテンツです。ファンメイドコンテンツポリシー(http://denonbu.jp/guidelines)のもと制作されています。