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産業技術総合研究所(産総研)は、AI(人工知能)用スーパーコンピューターである「ABCI(AI Bridging Cloud Infrastructure、AI橋渡しクラウド)」を刷新する。現在利用中の「ABCI 2.0」から「ABCI 3.0」にバージョンアップする予定だ。新版は米NVIDIA(エヌビディア)のGPU(画像処理半導体)である「NVIDIA H200 Tensor Core GPU」を搭載した米HPEのサーバー「HPE Cray XDシステム」を採用するという。

米NVIDIAのGPUである「NVIDIA H200 Tensor Core GPU」

 ABCI 3.0は、1つのサーバー(ノード)に8基のNVIDIA H200 Tensor Core GPUを搭載し、合計すると6000基に達するという。ノード間は「NVIDIA Quantum-2 InfiniBand」ネットワークで接続。演算処理性能は、FP16(半精度浮動小数点演算)で約6.2 EFLOPS(エクサフロップス)を予定している。

 産総研によれば「2024年内にABCI 3.0の導入を完了する」(担当者)。現行のABCI 2.0は2024年10月31日に運用を終了する予定だ。刷新に伴い、24年11月からABCI 3.0のサービスを部分的に提供し、ABCI 2.0と同程度以上の性能を維持する。ABCI 3.0の全ての計算資源を本格的に使えるようになるのは、25年1月頃になる予定だ。

 2018年8月から運用を開始したABCIの初版は富士通製サーバー1088台で構成し、GPUに「NVIDIA Tesla V100」を4352基搭載していた。その後、21年5月に富士通製サーバーを120台増設してABCI 2.0にバージョンアップ。搭載するGPUもNVIDIA Tesla V100が960基増加した。

NVIDIA H200 Tensor Core GPUとは

NVIDIA H200 Tensor Core GPUは、生成AIや高性能計算(HPC)ワークロードを強化するために設計された最新のGPUです。以下の特徴があります:
HBM3eメモリ:H200は、141GBのHBM3eメモリを搭載しており、メモリ帯域幅は4.8TB/sです。これは、前世代のH100 Tensor Core GPUの約2倍の容量で、メモリ帯域幅は1.4倍です。
高性能:生成AIや大規模言語モデル(LLM)の推論速度を大幅に向上させます。例えば、Llama2 70Bの推論速度は1.9倍、GPT-3 175Bの推論速度は1.6倍速くなります。
エネルギー効率:高いエネルギー効率を実現し、総所有コスト(TCO)を低減します。
科学コンピューティング:HPCワークロードのための科学コンピューティングを推進し、データのアクセスと操作を効率化します。
このGPUは、AIとHPCの分野で新たなレベルのパフォーマンスを提供し、企業や研究機関にとって非常に有用です。



ナスダック総合指数は4営業日ぶりに反発し、280.63ポイント高の1万8007.57となりました1。一方で、アルファベットやテスラは軟調でした2。
一方、ASML、メタ、クアルコム、アプライド マテリアルズ、テキサスインスツルメンツは2%以上の上昇を見せました。特にハイテク株が強い動きを見せたようです。
6月の米個人消費支出(PCE)物価指数は前月比0.1%上昇し、市場予想と一致しました1。また、4~6月期のGDP速報値は前期比年率2.8%増と、予想を上回る結果となり、インフレの鈍化が確認されました。これにより、FRBが9月にも利下げを開始するとの見方が強まりました。
このニュースを受けて、マイクロソフトやアマゾンなどの大型ハイテク株が買われ、ダウ平均は一時800ドルを超える上昇を見せました。
特に注目されたのはスリーエム(3M)の決算です。スリーエムは通期の利益見通しを引き上げたことが好感され、株価が22%急伸しました。これは約36年ぶりの大幅な上昇で、同社の事業再活性化の取り組みが評価された結果です

アルファベットやテスラは軟調 理由は

アルファベットとテスラの株価が軟調だった理由は、それぞれの決算発表に関連しています。
アルファベットは、第2四半期の決算で利益が市場予想を上回ったものの、他の主要分野では予想を下回ったため、株価が下落しました。特に、AI関連の高額な設備投資が続く見通しが投資家に懸念を与えました
テスラは、1株当たりの調整後利益が市場予想を下回り、これで4四半期連続で予想を下回る結果となりました。また、期待されていたロボットタクシーのイベントが延期されたことも影響しています。

6月の米個人消費支出(PCE)物価指数は前月比0.1%上昇し、市場予想と一致しました 説明して


6月の米個人消費支出(PCE)物価指数は、前月比で0.1%上昇し、市場予想と一致しました。この指数は、消費者が購入する財とサービスの価格変動を測定するもので、米連邦準備制度理事会(FRB)がインフレを評価する際に重視する指標です。
具体的には、PCE物価指数は前年同月比で2.5%上昇し、前月の2.6%から鈍化しました。また、食品とエネルギーを除いたコアPCE物価指数は前月比0.2%上昇し、前年同月比では2.6%の上昇となりました。
この結果は、インフレが徐々に鈍化していることを示しており、FRBが9月にも利下げを開始するとの見方が強まっています。これにより、株式市場では特にハイテク株が買われ、ダウ平均は一時800ドルを超える上昇を見せました



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