第1回「九州半導体産業展」が9月25日から26日にかけて、福岡市のマリンメッセ福岡B館で開催

第1回「九州半導体産業展」が9月25日から26日にかけて、福岡市のマリンメッセ福岡B館で開催されます。この展示会には、国内外から261の企業・団体が出展し、5000人以上の来場が見込まれています
主な出展企業と団体
国内企業: 三菱電機、ルネサスエレクトロニクスなどの大手企業に加え、九州の中小企業も多数出展します
海外団体: 台湾の工業技術研究院(ITRI)、韓国貿易センター、チェコのビジネス投資開発庁などがブースを構えます
セミナーと講演
25日朝: 自民党半導体戦略推進議員連盟の甘利明会長が登壇します。
26日朝: 熊本県の木村敬知事が登壇します。
その他: 人材育成に取り組む大学や、台湾の半導体産業についての講演も予定されています
この展示会は、九州地域の半導体産業の集積をアピールする絶好の機会となりそうです。

第1回「九州半導体産業展」では、いくつかの注目すべきブースがあります。以下にいくつかの企業とその特徴を紹介しますね。
注目のブース
三菱電機
特徴: 半導体製造装置や関連技術の展示が行われます。特に、最新の製造プロセスやエネルギー効率の高い技術に注目が集まっています。
SiCパワー半導体
SiC(シリコンカーバイド)技術: SiCパワー半導体は、従来のシリコンを用いたパワー半導体に比べて電力損失が少なく、高温動作や高速スイッチングが可能です。これにより、エアコン、産業機器、鉄道車両、自動車などの省エネルギー化に貢献します
新工場棟の建設: 熊本県泗水地区に新工場棟を建設し、8インチの大口径SiCウエハに対応する生産体制を強化しています。この工場は最先端の省エネ性能を持つクリーンルームを導入し、自動化によって高い生産効率を実現しています
エネルギー効率の高い技術
省エネ性能: 三菱電機は、エネルギー効率の高い製品を提供することで、カーボンニュートラルの実現に貢献しています。特に、SiCパワー半導体は電気自動車や再生可能エネルギー分野での需要が高まっています
酸化ガリウム(Ga2O3)技術: 次世代のパワー半導体材料として注目される酸化ガリウムを用いたデバイスの研究開発も進めています。これにより、さらなる省エネ性能の向上が期待されています
最新の製造プロセス
12インチSiウエハ対応生産ライン: 福山工場に12インチSiウエハ対応の生産ラインを設置し、パワー半導体の生産能力を増強しています。このラインは、電気自動車や産業用機器などの需要拡大に対応するために設置されました
三菱電機のブースでは、これらの最新技術や製品が展示され、半導体産業における同社の先進的な取り組みを直接見ることができます。

ルネサスエレクトロニクス
特徴: 自動車向け半導体や産業用半導体の最新技術を展示します。特に、電動化や自動運転技術に関連する製品が注目されています。

自動車向け半導体
R-Carシリーズ: ルネサスのR-Carシリーズは、自動運転や先進運転支援システム(ADAS)向けに設計されたSoC(System on Chip)です。これらのチップは、高度な画像認識やデータ処理能力を持ち、車載カメラやレーダー、ライダーからのデータをリアルタイムで処理します12。
R-Car V4H: 最大34TOPS(Tera Operations Per Second)のディープラーニング性能を持ち、車載カメラ、レーダー、ライダーによる周辺物体の高速画像認識・処理を可能にします

R-Car S4: 高性能、高速ネットワーキング、高セキュリティ、および高機能安全レベルを備えた車載用SoCで、次世代車載中央コンピュータ向けに設計されています
電動化技術
パワーマネジメントIC(PMIC): ルネサスは、電動化車両向けに高効率なパワーマネジメントICを提供しています。これにより、電動車両のバッテリー管理やエネルギー効率が向上します
電動車両向けソリューション: ルネサスは、電動車両のモーター制御やバッテリーマネジメントシステム(BMS)向けのソリューションも提供しています。これにより、電動車両の性能と効率が最適化されます
自動運転技術
高度な機能安全: ルネサスの自動車向け半導体は、ISO 26262のASIL D(Automotive Safety Integrity Level D)に準拠しており、高度な機能安全を提供します
サイバーセキュリティ: 自動車のサイバーセキュリティ国際規格ISO/SAE 21434に準拠しており、車両のセキュリティを強化します
産業用半導体
産業オートメーション: ルネサスは、産業オートメーション向けに高性能なマイコンやSoCを提供しています。これにより、工場の自動化や効率化が進みます
エネルギー管理: 産業用のエネルギー管理システム向けに、効率的なパワーマネジメントソリューションを提供しています
ルネサスエレクトロニクスのブースでは、これらの最新技術や製品が展示され、電動化や自動運転技術の未来を垣間見ることができます
台湾工業技術研究院(ITRI)
特徴: 台湾の先進的な半導体技術や研究成果を紹介します。特に、AIやIoTに関連する技術が展示される予定です

主な展示内容
AIチップ技術
異種統合先進パッケージング: ITRIは、米カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)と共同で、AIチップの異種統合先進パッケージング技術を開発しています。この技術は、異なる種類の半導体を一つのパッケージに統合し、高性能かつ効率的なAIチップを実現します1。
AIoT(AIとIoTの融合): ITRIは、AIとIoT技術を組み合わせた新しいソリューションを提供しています。これにより、スマートシティやスマートホームなどの分野での応用が期待されています
冷却技術
次世代冷却技術: ITRIは、日本のベンチャー企業ZYRQと共同で、データセンター向けの次世代冷却技術を開発しています。この技術は、水浸冷却方式を採用し、従来の空冷方式や液浸方式に比べて効率的に冷却を行うことができます
エネルギー効率の向上: この冷却技術は、データセンターのエネルギー消費を大幅に削減し、持続可能な運用を可能にします
エネルギー効率と炭素排出削減
新材料と設計: ITRIは、新材料や設計の開発を通じて、半導体のエネルギー効率を向上させ、炭素排出を削減する取り組みを進めています。これにより、2030年までに世界で3638億kWhの電力節約に貢献することを目指しています
期待される効果
高性能と効率性: ITRIの技術は、AIやIoTの分野で高性能かつ効率的なソリューションを提供し、さまざまな産業での応用が期待されています。
持続可能なデータセンター: 次世代冷却技術により、データセンターのエネルギー消費を削減し、持続可能な運用が可能になります。
環境への配慮: エネルギー効率の向上と炭素排出削減により、環境への負荷を軽減することができます。
ITRIのブースでは、これらの先進的な技術や研究成果が展示され、未来の半導体技術の可能性を垣間見ることができます

西日本シティ銀行
特徴: 創立20周年記念事業の一環として特別協賛し、取引先企業と共に出展します。地域経済の活性化や中小企業の支援に力を入れています

下関市ブース
特徴: 市内の中小企業4社が出展し、優れた技術や商品を紹介します。特に、精密機械加工や金属加工の技術が展示されます

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