ロボットのお花屋さん

街の角のお花屋さん。
今日のお客様は小さな女の子。
「いらっしゃいませ。どのようなお花おさがしですか?」
「お母さんにありがとうを伝えたい。」と女の子。
「わかりました。お母さんはどんな人ですか?」
「とても優しいお母さんだよ。」と女の子。
「でしたら、ピンクのカーネーションはいかがですか?カーネーションの花言葉はありがとうです。優しいピンクのお色にしましたよ。」
「ありがとう。とても素敵。」
「リボンもお付けいたしましょう。何色にしましょうか?」
「んー赤。」「わかりました。お待ちください。」
ピンクのカーネーション一輪。リボンは赤。
女の子はお金を渡して、ありがとうを伝えて喜んでお店を出た。
「ありがとうございました。」
さてさて。お次のお客様は、杖をついたおばあさん。
「いらっしゃいませ。どのようなお花お探しですか?」
「じぃさんがもうすぐ90歳の誕生日。今年は豪華にお花をプレゼントしたいのよ」とおばあさん。
「かしこまりました。でしたら、紫色を中心に花束をお作りいたします。明日、お届けにいたしますね。お住まいを教えてください。」
「ありがとう。お願いしますね。」とおばあさんはお金を渡して、お店を出た。
さて。今日は大忙し。次にもお客さまが見えました。杖をついたおじいさんです。
「いらっしゃいませ。どのようなものをお探しですか?」
「長い間、一緒に生活をしているおばあさんにプレゼントしたいんじゃ。薔薇には大切な思い出があるのじゃ。薔薇を入れて花束にしておくれ。」
「かしこまりました。明日、お届けにまいりますね。お住まいを教えてください。」
「わかりました。ありがとう。」とお金を渡して店を出た。
「いそがし、いそがし、、、。」
さて明日はどこへお届けかなとロボットはひらめいた。
次の日、お届けする花を持って向かったのはあばあさんとおじいさんのところ。
ピンポーン。
「はーい。」2人が一緒に出てきた。
「お届け物のお花です。」
「あらまぁ、ありがとう。」
お花をロボットから受け取って、おばあさんはおじいさんに、おじいさんはおばあさんに
「おめでとう。」「いつもありがとう。」
と花束を渡しました。
おばあさんには赤い薔薇。おじいさんには紫の薔薇が届きました。
おしまい。

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