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60歳からの飲食業開業記録(その5)

(その4から続き)

「物件探しで申し分のない空き店舗が見つかったが、後でとんでもないことが分かった」と書いたんですが、そのとんでもないこととは、

「夏は異常に暑く、冬は異常に寒い」です。

4階建てのビルの上に塔屋の様に建てられた5階は、まるで温室の様です。

実は最初から付いていたエアコンは家庭用の6畳用でしたが、約20畳あるお店には全く効き目が無く、夏は置いていたチョコレートが溶けて全滅、お酒は焼酎や日本酒の一升瓶のフタが飛んでいました。
最初の夏に行なった音楽会では、お客さんがランニングシャツ姿で汗だくになりながらウチワを使っていました。
冬はカウンター席で足元が冷えて、ブルブル震えるお客さんに毛布をヒザに掛けてもらってしのいでもらっていました。

そこでエアコンを20畳用に替え、6月初旬から9月末まで、昼も夜も休日も24時間エアコンを入れっぱなしにしています。
そして窓型エアコン(クーラー)を追加して、扇風機と冷風扇も使って、さらに窓から熱が入らない様に座布団を挟んでコンパネ(ベニヤ板)を貼って窓を遮断して、それでようやく真夏でも何とか過ごせるレベルになっています。
冬には大型の20畳用のガスファンヒーターで足元を温めています。

安い物件にはそれなりの理由があるもんですね。


【ブッキングライブのこと】

とにかく、お客さんを増やすために色々とやりました。

オープンマイクとよく似た、弾き語り演奏ができるシステムにブッキングライブと言うのがあります。

ブッキングライブは、その名の通り事前に予約した5〜6組の出演者が交代で30分程度の持ち時間を演奏できるイベントです。

お店から見るとオープンマイクはお客さんの入りが読めないので、予約して演奏に来てくれるブッキングライブはありがたい方式です。

当店も、お客さんが少ない水曜日に「水曜ブッキングライブ」と言う名目で実施していました。

ブッキングライブに申し込まれる方は上手な方が多く、あちこちのお店のブッキングライブでも演奏されている人が多いです。

当店の水曜ブッキングライブにも通算30名以上の方に来ていただきました。

ただ、その後、ほとんどの方が当店のオープンマイクのお客さんにはなっていません。

なぜなら、ブッキングライブのお客さんとオープンマイクのお客さんは違うんですね。

どちらも自分でお金を払ってギターやピアノの弾き語りをするのは同じなんですが、目的が違うんです。

ブッキングライブの参加者はよく「ライブをする」とか「ライブをした」とかの表現をSNSで発信されています。

ライブハウスで自分のライブをするとなると自ら集客しなければなりませんし、集客できないと観客がいないだけでなく、ノルマチケットの買い取りなど、大きな出費になります。

その点、ブッキングライブだと集客ノルマはありませんし、同じライブに出る出演者たちが観客になって観てくれて、1,000円程度のチャージと飲み代の費用だけで自分のライブができます。

つまり、ライブをやりたい方の欲求に応えられるのがブッキングライブであり、オープンマイクではないんです。

当店はオープンマイクのお店に舵を切りましたので、ブッキングライブ志向の方たちはあまり来られないと考えています。

であれば、オープンマイクに来てくれるお客さんを探さなくてはなりません。


【ネット集客について】

今やホームページやSNSで集客するのは当たり前になりました。

広告費が使えるワケでもなく、広くお店の存在を知ってもらうには当然これしかありません。

Facebook、Instagram、Twitter(X)、さらにジモティーなどのSNSがありますが、やっぱり割合として1番多いのは Google 検索だと思います。

当店に初めて来られたお客さんにお聞きすると Google で検索したと言われる方が多いです。

Google 検索で上位にお店が出るにはどうしたらいいか詳しくは知りませんが、何という文字を打ち込んで検索したのか…

そこが1番気になるところです。

Google Business によると2023年7月に当店のページにたどり着いたワード上位は

103件 神戸 ライブハウス
90件 三ノ宮 ライブハウス
50件 ライブハウス
28件 隠れ谷
24件 オープンマイク

「隠れ谷」は当店を既に知っている人の検索なので「オープンマイク」は4位ですね。
「オープンマイク」での検索はまだ多くない様です。

さすがに「地域+ライブハウス」の検索が多いですね。

当店は「神戸ライブハウス」と検索してもまったく出てこないし、ライブハウスのライバルは多すぎるので、おそらく当店関連のページにたどり着くには「神戸のライブハウス一覧」の様な、まとめサイトを経由しているのかなと思います。

確かに「三ノ宮 ギターの弾ける店」なら楽器店に混じって当店が表示されます。

「三ノ宮 弾き語り」ならダントツで当店が表示されますが、

やはり一般の方は、音楽関連のお店はすべてライブハウスと表現されてしまうんでしょうね。

とにかく、お店の存続のためには、今後もさらにネット集客を研究して潜在顧客の掘り起こしをしなければなりません。


【常連のお客さん】

世の中の小さな飲食店は常連さんで持っていると良く聞きます。
逆に、常連さんが飲食店を存続させていると言えるかも知れません。

当店も常連さんが来てくれます。
ホントにありがたいです。

でも1年おきに観てみると、お客さんの変動は大きいです。

転勤、転居、転職、退職…

毎年の様に常連さんの顔ぶれも変わっていきます。

常連さんも私たちも、せっかくの縁が好むと好まざるにかかわらず、途切れてしまいます。

諸行無常と言うヤツですかね。

だから、お店存続には新しいお客さんをどんどん増やし、ひとりでもリピーターや常連さんになってもらう様に努力するしかないなぁ、と思っています。

(続きはまた…)

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