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それは愛ではなくて、愛のようなものだった。
私は、もともと寂しがり屋だった。
子供の頃から、誰かがそばにいるのが当たり前だったから、大人になっても、その延長で恋愛が心の拠りどころ になっていった。
最初は、それが「愛」や「恋」だと思っていた。でもそれは安心感がほしくて、不安を埋めるためのものだった。
人は最初、みんな優しくしてくれる。その優しさに惹かれ、愛されているような気がしていた。
でも、それは愛ではなくて、愛のようなものだった。
恋愛しているとき、私は相手に尽くし、相手を愛しているつもり だった。でも、その愛の中には寂しさや、安心したい気持ち、保険のような感覚もあった。
相手は相手で、本当の愛ではなくて、損得や利害を求める愛を持つ人が多かった。
今の私は違う。
私はもう、誰かに埋めてもらわなくても、自分で自分を満たせる。
ひとりでいることが寂しいものではなくなったし、誰かがそばにいないと不安になることもなくなった。
愛のようなものにしがみつく必要がない。
私は、これから本当の愛に出会う。
それは、相手に何かを求めるものではなく、ただ存在するだけで満たされるもの。安心も、優しさも、思いやりも、すべてが自然に生まれるもの。
これからの私は、愛のようなものではなく、本当の愛を生きる。