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崩壊

2024年7月24日。国際秩序は、音を立てて崩壊した。
米連邦議会でイスラエルのネタニヤフ首相が4回目の演説を行った。
外国首脳では過去最多である。
1948年3月10日シオニスト指導者と若い将校からなる11人による、パレスチナの民族浄化計画の最終調整が行われた。Ⅾ計画(ダレット計画)である。パレスチナ人を組織的に追放するために地上部隊に詳細な説明が添えられた。村々を包囲。爆撃してから襲い放火。追放して破壊。追放した人が戻ってこれないように瓦礫に地雷を敷設した。イスラエルはこのような作戦を何度も何度も繰り返してきた。パレスチナは、1948年から今に至るまで実に76年間もの間ずっとイスラエルによる国策(民族浄化)に苦しめられてきた。2023年10月7日のハマースによるテロでイスラエル側で1万2000人の死者を出したが、10月7日のテロ以降パレスチナ人の死者は分かっているだけで3万9000人を超える。その内半分は女性や子供だ。瓦礫の下に埋まっている人も多いだろう。なにより水や食料、薬も無い中、人道危機に瀕している。国際法では、民族浄化作戦であるⅮ計画は、人道に対する罪とみなされるはずだったが、24日の米連邦会議によってその認識は覆された。
レイシズムによる植民地主義的侵略、パレスチナ人への民族浄化(ジェノサイド)もアメリカの強力なバックアップによってユダヤ人(シオニスト)によるユダヤ人のためのユダヤ至上主義国家がパレスチナに創られたのだ。
国連の国際刑事裁判所(ICC)は、今年5月にネタニヤフを含む閣僚5人に戦争犯罪容疑で逮捕状を請求しているが、連邦議会でネタニヤフは、こう言いはなった。「パレスチナ民間人の犠牲者は、実質0だ。ICCは逮捕状をだしたが、俺は自衛権の行使をしているだけだ。国際秩序など関係ない。」
と。この演説で米連邦議会は、拍手喝采に包まれたのだ。人権だの民主主義だのという言葉は強大な権力にとって便利な道具に過ぎない。
世界に発信されたこの連邦議会を観て同じく逮捕状が出ているプーチンはニヤリとするだろう。 習近平は何を思うのだろうか。金正恩は?
世界の紛争や戦争はもう歯止めがかからないだろう。ネタニヤフがヒトラーに見える。
秩序が無くなってしまった世界ならもう何もかも破壊されてしまえとさえ思った。




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