アロマセラピー基礎講座 レッスン3 テキスト
LESSON3: フェイストリートメント
1.皮膚学
女性は肌にとても気を使います。ローションをつけて、クリームを塗ってと手入れに余念
がありません。いつまでも美しくありたいという気持ちの表れです。戦いでも敵を知らずに勝利はありません。肌をきれいに保ちたいなら、肌つまり皮膚について知識があるほうがいいですよね。
皮膚のメカニズムについて学んでみましょう。
(1)皮膚の役割
皮膚は最も大きな器官ともいえます。火傷などで体表の1/3を超える皮膚が失われると、生命の危険があると言われています。皮膚は外部からの有害物質に対して体の中を守ったり、体温の調節を行っています。また触覚、圧覚、痛覚、温覚、冷覚を感じる器官でもあります。
(2)皮膚を層で分けると
皮膚は、(表皮)(真皮)(皮下組織)の3つに分けられます。
〈表皮〉
私たちが普段、手入れをしている肌の表面の層です。厚さは部位によって異なり、(0.05〜0.2)mmくらいですが、機械的な刺激を受ける手のひらや足の裏は(1)mmにもなります。表皮はさらに5つの層になっています。
(下から)
①基底層
表皮には血管が通っていませんが、ここでは真皮の毛細血管から栄養分が取り込まれ、表皮の細胞が絶えず作られています。そして表皮は(細胞分裂)して上の層へ移動していきます。この層には(メラニン色素)を作る細胞があります。紫外線を多く浴びて真皮へ紫外線が届くと皮膚を傷めてしまいます。そこで(基底層)で紫外線を吸収してしまうためにより多くのメラニンを作り、日焼けした黒い肌となって(真皮)を守ります。
②有蕀層(ゆうきょくそう)
細胞が分裂して、トゲを持った細胞になります。
③顆粒層
生まれて二週間程した細胞で、ブッブツの織胞に変わります。
④淡明層
細胞核を失って 細胞は死に、透明な層になります。
⑤角質層
ケラチンで出来た 硬くて薄い板状の層になります。そして生まれてから(4)週間経つと垢となって剥がれ落ちます。
〈真皮〉
真皮は表皮の下にある密に集まった強靭な結合組織の層です。血管と神経を豊富に含み、厚さは(1〜2)mm くらいですが、機械的刺激を受ける手のひらや足の裏は(3)mmにもなります。非常に丈夫な層なので、(鞄や靴は)動物の真皮を用いています。
真皮には次のような器官があります。
①(汗の器官)
汗腺から汗を分泌し、体温調整の役割を果たします。
②(毛と皮脂)
毛には主に皮膚を保護する役目があります。また、脂腺から毛穴を通って分泌される皮脂は表皮の脂分となり、皮膚の荒れるのを防ぎます。
③(毛細血管)
細胞に栄養や酸素を運びます。また、体熱を発散させます。
④(知覚器官)
外からの刺激を感じる受容器として 触覚、圧覚、痛覚、温覚、冷覚を感じる器官があります。
〈皮下組織〉
皮下組織は真皮の下にあり、皮膚を深部の組織と結合させる役割を持っています。柔らかい目の粗い組織で出来ています。皮膚が下層の骨や筋などからルーズに移動できるのはこのおかげです。皮下組織には多くの脂肪細胞があり、栄養を貯蔵すると共に体温の放散を防いでいます。
各層の役割を理解していただけたでしょうか。美しい皮膚というのは皮膚の新陳代謝が、スムーズに行われ、水分と皮脂が正常に分泌されている皮膚のことです。若い肌ではこのようなシステムが順調に行われていますが、年齢が進むと(新陳代謝)が滞り古い皮膚がなかなか剥がれ落ちなかったり、水分や皮脂分の分泌が不足したりしてしわなどができ、老化肌となります。最近は、若くても生活が不規則だったり、無理なダイエットで体調を崩したり、(化学合成品)の化粧品を使うことで年齢以上に肌が老化している方も多いようです。
(3)皮膚の状態と体調
皮膚は、『内臓の鏡』と言われます。
肌の状態と 体調の関係を見てみましょう。
(続きます)