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僕の恋人
〜愛しい人よ、泣かないで〜③
「もう2度と男と一緒に暮らすのは嫌、、、」
美沙子の口癖。
僕と出会う前美沙子は結婚してたらしい。
詳しいことは知らないが、今は恋愛はしてないようだ。
だけど最近少し様子が違う。
「ねぇユウタ、、、彼はどうしているかしら?
元気にしてるかしら、、、
風邪ひいてないかしら、、、
寂しくはないかしら?ねぇユウタ聴いてる?」
僕は寝たふりをしていたが、少しだけ目を開けて美沙子を見た。
美沙子は僕を抱いたまま、瞳はあさっての方を見ている。
僕にわかるわけないよ。
美沙子は会社で若い男に告白されたらしい。
そんな男のこと知るか!
でも僕にわかることはひとつ。
美沙子は断ったみたいだけど、その男を心の底から愛してるってこと。
身内の僕が言うのもなんだけど、美沙子は
なかなかの美人なのさ。
男がほっとくわけがない。
だけど僕にはわかる。
毎晩美沙子はお月様をみながら祈ってるんだ。
「今日もお疲れ様でした。頑張ったね。
ゆっくり休んでね。
明日もあなたが心の底から、笑える瞬間がありますように、、、」
僕にもおんなじことを言って「おやすみ」してくれるけど、それとは違うみたいだ。
ベランダで僕を抱いて夜空を見上げていた。
「ユウタ、心の底から誰かを愛せるってとても幸せなことね」
「にゃー」
僕の声は美沙子にはこう聞こえるんだろう。
「ユウタは優しいね」
僕は、、、
僕は切ないよ。
僕は美沙子が辛い時、ぎゅーと抱きしめることができない。
「愛している」と、言葉にすることもできない」
僕なら美沙子を泣かせたりしない。
お月様、、、
どうか僕を人間にしてください。
kaoruko_days
今日もお疲れ様です。
寒くなったので風邪に気をつけて。
それではおやすみなさい。