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私にとってポルノグラフィティとは

出会い

デビュー曲の『アポロ』
その曲が私の心を捉えた

高校生の時天文地学部だった私は
アポロという響きだけで傾聴し

アポロ計画を愛の理想みたいだと言うのは
揶揄している様だと思って惹かれた

その後の彼らの曲との出会いは音楽番組が主流だった
音楽トーク番組に出ている彼らを見るたびに

「近所のお兄ちゃん」

というイメージが膨らみ好きになっていった

初めてCDを買ったのは
アルバム「ロマンチスト・エゴイスト」
それ以降ずっと買い続けている



3rdライヴサーキット“ジャパンツアー”

『見つめている』『愛なき・・・』
圧倒的陽だと思っていた昭仁さんの印象が変貌する作詞曲
おそらくこのあたりの世界観を浴びたかったのだろう

「1人でもいいからライブに行きたい」

でもチケットを手に入れる時間もお金もなくて雰囲気を味わうだけでもいいやという気持ちとグッズは買いたくて……
結局
衝動のまま向かった大阪フェスティバルホールでグッズだけ買って帰った

衝動的に動くのは昔から変わらない



love up!

24年目になる
ファンクラブに入会した時の事は実は覚えていない

知らない内に入ってた

大学生だったのにけっこうな決断だったはず

いつの間にか入っていた


ファンクラブ会員限定のライブ
 "FANCLUB UNDERWORLD"に1人で行った

そのライブ終了後
サプライズでメンバーの3人からピンバッジのお渡しがあるとアナウンスがかかった

その瞬間

周りのお姉様方が化粧直しを始めたのが印象深い

もちろんお渡しの流れは速いが
1人1人にピンバッジを丁寧に手渡していく姿

誠実な姿の3人はそれ以来
私の心の中の不動の場所にいる

『CLUB UNDERWORLD』
手渡しされたピンバッジは「VIP」の3文字



変わる生活

結婚して

出産して

子育て

2人目

3人目……と慌ただしくなっていくと

どうしても曲をきちんと聞けなくなる


正直

このまま薄れていくのかもしれないと思っていた


『テーマソング』

私は接客販売業をしている

感染症の脅威以前は
海外からの観光客の方も相手に商売をしていた

田舎だけど
いつ罹るかわからない感染症への恐怖と
自分が罹る訳にはいかないプレッシャーを感じていた

諦め 苛立ち 限界 現実
飲み込み過ぎて喉が渇く

歌詞が刺さる

今まで幾度となく思った事

「私の事を歌ってくれている」

もちろん思いこみなんだけれど

でも
そう思わせる言葉を
紡げる人は強い

そう思った者を
どうしようもなく惹き寄せる重力を持つ

『カルマの坂』みたいに
感動して鳥肌が立った事はあったけど
歌を聞いて泣いたのは
この曲が初めてだった


病める時も

私の3人の子供の内1人の子

その子の両腕に
たくさんの
何本もの
傷を見つけた

見つけたのは昨年の6月
この子の誕生日の直前だった

何故気付いてあげられなかったのか
私がこの子を追いつめているんじゃないか

様々な苦しみの中
この子の誕生日を祝った
あの6月は一生忘れないだろう

いじめの被害にあい
不登校になり

『n.t』

なんだつまんねぇこんな生き方
はやく自分を塗り替えてしまえ
今この胸から溢れ出す
情熱や憤りを
声高らかに吐き出せるそんな僕も
そんな人間(ひと)もいいだろう

「佞言(ねいげん)断つべし」
自分に向かって言う言葉

学校へ立ち向かう時
相手の親と対峙する時
感情的過ぎる事なく
怒りを表す

そんな御守りだった


春になって

いじめの要因は離れたけれど
娘は学校に行けてないまま

傷はしばらく増えていない

『解放区』

たとえわずかな一歩でも
進むことだと
光の国では言うだろう
それさえ出来ない
夜はここにおいで

この歌詞を紡げる晴一さんが好きだ


前を向く言葉は
光へと導く言葉は
私に必要なものだとわかっていても
私には強すぎる時がある
私が求めているものなのに
傷ついてしまう


「ここにいればいい」


と言ってくれる存在が

ポルノグラフィティでよかった



ポルノグラフィティの曲として発表された曲たちが

私に喜びを与え
一緒に怒ってくれて
哀しんでいたら隣に座ってくれて
生活を楽しいものに変えてくれる


だから

私にとってポルノグラフィティとは

人生なのだ






#創作大賞2024
#エッセイ部門

#66日ライラン  


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波
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