04:ゲイのおじさんが40歳で女友達と結婚して子供を作り、ゲイを隠さないまま暮らしているという話▪️30代の僕−3
予定より3時間オーバー。大変だったね。
目を開けるとマイが僕に優しく語りかけてくれました。
目が見える。手足が動く。記憶も、、、、繋がっている。
あぁ、無事に終わったのか。
思い起こせば、仕事が忙しくキビキビしてキツイ性格だった僕。
それでも会いたい、といって誘ってくれる友人達の顔が頭に浮かびました。
仕事が忙しい状況は変わらない。それどころか更に忙しくなる可能性もある。
これからは少ないプライベートの時間を自分を求めてくれる人達のために使おう。そして、ゲイの人と恋人としてきちんと付き合ってみよう。
まず大きな心境の変化はお見舞いのシュチュエーションで起きました。
数少ない友人や知人達から、メールにお見舞いに行きたいと連絡がきました。
全員にカミングアウトしていたわけではなかった僕は、
14時〜15時まではカムアウト済みの友人の時間
15時〜16時までは非カムアウトの友人の時間 など
友人の種類によって時間を分けていました。
でも、まてよ。
友人を分けるってなんだろう?友人って分けるものなのか?
そもそもカムアウトできていない関係って友人なの?
中途半端な友人や頭数の友人はいらない。
カムアウト済みの友人、非カムアウトの友人、みんなを合わせてみよう。
無理と感じる友人がいたら残念だけど受け入れよう。
例えば10年先、一緒に楽しめているイメージができないようであれば、
イメージできる友人との時間を優先しよう。
大きな心境の変化、そしてそれを行動に移す!
本当の意味での30代のゲイライフは、ここからスタートしました。
まず、目的だったきちんとしたゲイの彼氏を作る。
ってことで携帯のキャリアを変え,iPhoneデビュー。
時代はgrinder降誕の時。
30代の僕はテクノロジーの力を使って2つの宝物を手に入れました。
宝物の一つ、ゲイの恋人との交際という経験。
暗闇ではなく、、お日様の下で人生初のゲイの恋人に出会ったのです。
恋人だった二郎とは2年弱の付き合い。
休日が合わずすれ違いも多かったけれど、とても楽しい時間だった。
お互いの誕生日をお祝いし、デートにも出かけた。
仕事や人間関係の相談をしたり、将来のことをぼんやりと考えたりした。
嫉妬もしたし喧嘩もした。そんな恋人としての経験を2年弱の間に凝縮して経験した。
仕事での成功を第一にがむしゃらに働いていた僕。
そんな僕が、二郎との関係を蔑ろにしてしまったことで2人の関係は終わりました。
もう一つの宝物は、家族に代わる友人関係。
相変わらず数少ない休日。
その休日に僕はフリーマーケットに参加するようになりました。
そこにゲイの友人、ノンケの友人を呼び引き合わせ、
気が合いそうならそのまま食事へ。
そんなことを繰り返しながら、居心地の良い気の合う友人関係を少しづつ築いていきました。
今まで経験したことのない、明るく前向きなゲイライフ。
美術館に行ったり映画館に行ったり、お泊まり会したり、
たまにはおしゃれしてラグジュアリーホテルでランチしたり、旅行に行ったり。
僕がただただ一方的に好きな人たちが、目の前で楽しそうに会話している。
性別や年齢、環境を超えた不思議な人間関係。
例え無言の時間が1時間あったとしても苦にならない。
そんな関係の友人達のやり取りをただぼんやり眺めている時間が、僕にとっての幸せな時間になりました。
手術前、自分の生き方を悔いた時憧れたものをようやく手にすることができた30代。
この時の僕は、このままみんなと一緒に楽しい時間を過ごしながら、ゲイライフを謳歌する理想の人生を夢見ていました。
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