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昔、大学時代にマルクス経済学を学んだ伊藤先生の遺著である。大著であるが、一気に読破 📖

伊藤先生の遺著に寄せて:資本主義の矛盾と未来への展望

大学時代にマルクス経済学を学んだ伊藤先生の遺著は、その内容の豊かさと洞察の深さに圧倒される一冊でした。私は一気にこの大著を読み切り、その中で描かれる資本主義の矛盾と未来への展望について深く考えさせられました。

資本主義の転換とその影響

1970年代にはケインズ主義的な社会民主主義が一般的でしたが、時代の流れとともに新自由主義へと転換しました。この転換は世界的な潮流に乗ったものであり、競争的市場原理主義が主導する時代を迎えました。しかし、この市場原理主義が生み出したのは、経済の不安定化、格差の拡大、そして地球環境の破壊という厳しい現実です。これらの矛盾は少子高齢化を加速させる一因ともなっているのです。

資本主義の本質とその矛盾

資本主義の本質は資本による搾取にあり、労働力の商品のみならず、人間そのものの価値をも商品化することにあります。このため、資本主義はその内在する矛盾を深刻化させ続けています。伊藤先生はその矛盾を鋭く指摘し、その影響について詳しく述べています。

自身の経験と資本主義のルール

私は銀行や投資ファンドという資本主義の「中心地」で働いてきました。若い頃から、資本主義のルールに従いながら勝ち組になることを目指してきました。しかし、その過程で感じた疑問を封印しつつも、政府与党の求めに応じた規制緩和や資本家(株主)側の利益を守る制度の推進に携わってきました。果たして、これらの施策が本当に人々を幸せにしたのでしょうか。

資本主義の矛盾と向き合う覚悟

8月5日付けのエントリー(コメント欄に添付)で紹介したFM軽井沢番組でも話した内容と重なりますが、形だけのSDGsを叫ぶのではなく、心底から資本主義の矛盾と向き合う覚悟が求められます。資本主義のルールの中で最善を尽くしつつ、その矛盾を直視することが重要です。

未来への展望

私は、いずれ世界全体が21世紀型の社会民主主義へ移行する日が来ると信じています。しかし、そのきっかけが何であるかは誰にも分かりません。高い確率で起こると予想されるのは、過去10数年単位で繰り返されてきた巨大な相場の変動です。今月の株式相場の乱高下がその前兆なのかどうかはまだ分かりませんが、注意深く見守る必要があります。

終わりに

伊藤先生の遺著を通じて、私は資本主義の本質とその矛盾を再認識しました。そして、その矛盾と向き合う覚悟を持ちつつ、未来への展望を描くことの重要性を改めて感じました。資本主義のルールの中で最善を尽くしつつも、その限界を見据えた新たな社会の形を模索することが求められているのです。伊藤先生の遺著は、その道しるべとして私たちに多くの示唆を与えてくれます。


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