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後継者 「次」が決まらない 社長、必読!


後継者

石井憲正


事業継承のカギは、個性の相性にあり!カリスマ創業者たちの事例から学ぶ、後継者選びのノウハウ

📚 book review

「後継者」とは、誕生日データを元に個人の性格や相性を判断する「個性學」の提唱者である石井憲正さんが、企業経営者向けに書いた本です。本書では、どのような人物を後継者として選べば企業は発展するのか、実際の事例とともに解説しています。

本書の内容は、以下のように構成されています。

第1章では、後継者選びの重要性と難しさについて説明しています。後継者選びは、企業の存続と発展にとって最も重要な経営課題であり、多くの企業が失敗していると指摘しています。その原因として、後継者の能力や経験だけでなく、個性や相性も考慮しなければならないということを強調しています。

第2章では、個性學の基本的な考え方と用語について説明しています。個性學とは、生年月日によって人の個性を12種類に分類し、それぞれの特徴や相性を分析する方法です。本書では、個性學の用語として、天分、性格、気質、適性、相性、相補、相反、相乗、相殺などを用いています。

第3章では、後継者の選び方の基本原則について説明しています。後継者の選び方は、以下の3つのステップで行うということを提案しています。

1. 自分の個性と企業の個性を把握する
2. 後継者の個性と相性を分析する
3. 後継者の能力と経験を評価する

第4章では、後継者の選び方の応用例として、有名な企業の事例を紹介しています。例えば、ソニーの盛田昭夫と出井伸之、トヨタの豊田章一郎と豊田章男、ユニクロの柳井正と柳井良行などの事例を取り上げています。それぞれの事例では、後継者の個性と相性が企業の成長や変革にどのように影響したかを分析しています。

第5章では、後継者の育成と指導の方法について説明しています。後継者の育成と指導は、以下の3つのポイントに注意するということを提案しています。

1. 後継者の個性に合わせた教育と環境を用意する
2. 後継者の個性に合わせた目標と評価を設定する
3. 後継者の個性に合わせたコミュニケーションとフィードバックを行う

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本書の評価として、以下のような点が挙げられます。

本書の強みは、個性學という独自の視点から後継者選びを考察していることです。個性學は、生年月日によって人の個性を分析するというシンプルでわかりやすい方法であり、多くの読者に興味を持ってもらえると思います。また、個性學の用語や概念を具体的な事例や図表で説明しているので、理解しやすいと感じました。

本書の弱みは、個性學の根拠や信頼性について十分に説明していないことです。個性學は、石井憲正さんが独自に発見した法則であり、科学的な裏付けや統計的な検証がなされているかどうかは不明です。また、個性學は、人の個性を12種類に分類するという単純化した方法であり、個人の多様性や複雑性を無視しているという批判もあります。そのため、個性學に基づいて後継者を選ぶことが本当に有効なのか、疑問に思う読者もいるかもしれません。

本書の著者の目的は、個性學を広めることと、企業経営者に後継者選びの重要性と方法を伝えることだと思います。本書は、個性學の概要と応用例を紹介することで、個性學の魅力と有用性をアピールしています。また、本書は、後継者選びの基本原則とポイントを提示することで、企業経営者に参考になるヒントやアドバイスを提供しています。

私の感想としては、本書は、個性學という興味深い視点から後継者選びを考えることができるという点で、読み応えがあると思いました。個性學は、自分や他人の個性を知ることで、自己理解や人間関係の向上に役立つということを主張しています。そのため、後継者選びだけでなく、自分のキャリアや人生にも関係するテーマだと感じました。一方で、本書は、個性學の信憑性や普遍性についてはあまり触れていないという点で、不満が残りました。個性學は、一つの考え方やツールであり、絶対的な真理ではないということを認識しておく必要があると思いました。

おすすめの理由としては、本書は、後継者選びという重要な経営課題に対して、個性學という独自の視点からアプローチしているという点で、他の本とは異なると思います。個性學は、生年月日によって人の個性を分析するというシンプルでわかりやすい方法であり、多くの読者に興味を持ってもらえると思います。


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