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セブンアイが買い側から見るとお得なのは、今回の株価低迷の原因であるアメリカのコンビニシェア一位なんだよね。 お金持ちの二位が一位を余裕でぱくっと食べちゃえるわけなんです❗️

セブン&アイ・ホールディングスがカナダの流通大手クシュタール(Couche-Tard)による買収のリスクに直面しているとの報道が市場を騒がせました。この記事では、両社の財務指標を比較し、買収の可能性について考察します。

1. セブン&アイとクシュタールの財務指標比較

報道を受けてセブン&アイの株価は8月20日に22%上昇しましたが、両社のバリュエーション(企業価値の評価)は以下のような状況でした。

セブン&アイの財務指標
- **時価総額(自己株調整後)**: 4.5兆円
- **PER(当期予想)**: 15.4倍
- **PBR**: 1.19倍
- **EV/EBITDA(当期予想)**: 6.98倍
- **ROE**: 6.25%
- **EBITDAマージン**: 9.2%
- **EBITDA**: 1兆500億円
- **有形固定資産の取得**: 3374億円

クシュタールの財務指標
- **時価総額(自己株調整後)**: 9.1兆円
- **PER(当期予想)**: 20.2倍
- **PBR**: 4.41倍
- **EV/EBITDA(当期予想)**: 11.37倍
- **ROE**: 21.20%
- **EBITDAマージン**: 8.1%
- **EBITDA**: 8161億円
- **有形固定資産の取得**: 2842億円

2. バリュエーションの比較と意味

まず、両社の時価総額に注目すると、クシュタールの時価総額はセブン&アイの約2倍に達しています。これは、クシュタールが市場での期待値が非常に高いことを示唆しています。PER(株価収益率)は、クシュタールが20.2倍であるのに対して、セブン&アイは15.4倍です。PERが高いということは、投資家がその企業の将来の収益性に対して高い期待を持っていることを意味します。

また、PBR(株価純資産倍率)を見ても、クシュタールが4.41倍で、セブン&アイの1.19倍を大きく上回っています。PBRが高いということは、クシュタールが資産に対して非常に高く評価されていることを示します。

EV/EBITDA(企業価値/税引前利益)に関しては、クシュタールが11.37倍、セブン&アイが6.98倍です。この指標は企業のキャッシュフローの生成能力を測るもので、クシュタールの方が評価が高いことがわかります。

3. 収益性と効率性の比較

ROE(自己資本利益率)は、企業がどれだけ効率的に株主資本を使って利益を生み出しているかを示す指標です。クシュタールのROEは21.20%であり、セブン&アイの6.25%を大きく上回っています。これは、クシュタールがより高い収益性を持っていることを示唆します。

一方で、EBITDAマージンを見ると、セブン&アイが9.2%、クシュタールが8.1%であり、セブン&アイの方が利益率が高いことがわかります。これは、セブン&アイが効率的に営業活動を行っている可能性を示しています。
4. 有形固定資産の取得と戦略的背景

有形固定資産の取得額については、セブン&アイが3374億円、クシュタールが2842億円です。セブン&アイは日本国内での店舗網の拡大や改装に積極的に投資しており、これが固定資産の取得額に反映されています。一方、クシュタールはグローバル展開を進めており、特に北米市場での成長に注力しています。

5. 買収のリスクと円安の影響

円安が進行する中で、海外の企業が日本企業を買収するリスクは高まっています。クシュタールから見れば、セブン&アイの評価が割安に見えることから、買収の対象として魅力的に映る可能性があります。特に、セブン&アイのPBRが1.19倍と低いことは、資産価値に対して市場が過小評価している可能性があるため、クシュタールにとっては「買い」のチャンスと捉えられるかもしれません。

クシュタールの高いROEと積極的な成長戦略を考えると、同社がセブン&アイのような優良企業をターゲットにする理由は十分にあります。さらに、円安が進行すれば、クシュタールにとって日本の企業を買収するコストがさらに低下するため、このような動きが加速するリスクが増す可能性があります。

6. 結論

セブン&アイはクシュタールにとって買収の対象として非常に魅力的であり、特に現在の円安局面では、そのリスクが高まっています。セブン&アイの経営陣にとっては、こうした外部からの圧力に対してどのように対応するかが今後の課題となるでしょう。市場の反応として、セブン&アイの株価が急騰したことは、投資家がこのリスクをどれほど深刻に受け止めているかを示しています。


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