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キーエンス 高付加価値経営の論理 顧客利益最大化のイノベーション延岡健太郎

キーエンス 高付加価値経営の論理 顧客利益最大化のイノベーションは、大阪大学大学院経済学研究科教授の延岡健太郎氏が、日本を代表する製造業の一つであるキーエンスの経営戦略とイノベーションの秘密に迫った一冊です。キーエンスは、自動制御機器や計測機器などの生産財を販売する企業で、売上高営業利益率が平均40%を超えるという驚異的な高収益を維持しています。本書では、キーエンスの高付加価値経営の論理と実践を、理論的にも事例的にも詳細に解説しています。

本書の主な内容は以下の通りです。

- 第1章では、キーエンスの経営理念とビジョン、社会貢献の姿勢を紹介します。
- 第2章では、キーエンスのイノベーションの源泉である顧客企業の利益増加を分析します。キーエンスは、顧客企業の現場での課題を発見し、その解決策として自社の商品を提案することで、顧客企業の生産性や品質を向上させ、コストを削減することに貢献しています。
- 第3章では、生産財のイノベーションの理論を解説します。生産財のイノベーションは、顧客企業の潜在ニーズを顕在化させることで、市場を創造することができます。キーエンスは、世の中にない商品を開発し、顧客企業に「こんなものがほしかったんだ」と気づかせることで、顧客企業の利益を最大化することを目指しています。
- 第4章では、顧客価値イノベーションの組織を紹介します。キーエンスは、社員の自主性や創造性を尊重し、組織の柔軟性やスピードを高めることで、イノベーションを促進しています。また、社員の教育や評価、報酬などの人事制度も、イノベーションに寄与するように設計されています。
- 第5章では、顧客価値イノベーションを支えるソリューション部隊を紹介します。キーエンスは、営業部門と技術部門を一体化させたソリューション部隊を構成し、顧客企業の現場での課題解決に取り組んでいます。ソリューション部隊は、顧客企業のニーズを把握し、自社の商品を提案するだけでなく、新商品の開発や改良にも関与しています。
- 第6章では、高付加価値の新商品企画・開発を紹介します。キーエンスは、顧客企業のニーズを先取りし、世の中にない商品を開発することで、競争優位性を確保しています。キーエンスの新商品開発は、ソリューション部隊と開発部門の密な連携によって行われており、顧客企業の声や現場のフィードバックが反映されています。
- 第7章では、キーエンスの高付加価値経営から学ぶべきことをまとめます。キーエンスの高付加価値経営は、顧客企業の利益拡大に貢献することで、自社の利益も拡大するという循環を実現しています。キーエンスの経営戦略とイノベーションの秘密を知ることで、他の企業も自社の価値創造力を高めることができるでしょう。

本書は、キーエンスの経営戦略とイノベーションの秘密を、論理的にも事例的にも詳細に解説した一冊です。キーエンスは、これまで研究者の調査・取材に応じることがなかった企業でしたが、本書は、キーエンスから初めて出版協力を得たものです。キーエンスの高付加価値経営の論理と実践を知ることで、生産財企業だけでなく、あらゆる業種の企業にとっても参考になるでしょう。本書は、キーエンスに興味のある方はもちろん、イノベーションや経営戦略に関心のある方にもおすすめです。

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