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<<自衛隊が次期装輪装甲車として選んだフィンランド製のパトリアのその後>>

<<自衛隊が次期装輪装甲車として選んだフィンランド製のパトリアのその後>>

 自衛隊は96式装輪装甲車(コマツ製)の後継車種の開発をコマツに発注していたが全然開発が進まず2018年に断念、再度(珍しく?)公募をかけて再発注した。
 公募にはフィンランドとカナダ(実際はアメリカ)が応募したカナダの会社はやる気がないのか公募提案提出日に間に合わず、結局パトリア社と三菱重工の一騎打ちとなった。
 三菱は既に16式機動戦闘車を大量受注しており、それの改良型で応募したので大半の識者(?)はまた三菱に発注するためのアリバイ作りと言われていた。

 しかし性能などが段違いで結局珍しく海外のそれもフィンランドの会社の車両が大量に注文されることになった。
 しかしその後は、、、

1.マスコミによる轟々たる非難
 フィンランドの会社への発注に対して「防衛費の無駄遣い!」との経済誌を中心として、「三菱に発注すべきだ!」と言わんばかりの論調が。海外からの調達はその数が少なく海外での価格の通常は2~3倍になるからだそうだ。

2.ライセンス生産先
 実は公募には国内でのライセンス生産が要件となっていて、ここからは噂の域をでないが、防衛省(陸自)も三菱もライセンス生産先は三菱しかないと思っていた(らしい)
 しかしパトリア社にしたら今後も競争相手となるのに彼らの海外での貴重な実戦参加データを盗まれるのはありえないとして、独自に「日本製鋼所」とライセンス生産先の契約を実施。

3.24式装輪装甲戦闘車は全く別の車体を採用、また三菱
 同じ8輪装甲車なのに「戦闘装甲車」と「24式機動120mm迫撃砲」の採用と予算化が発表された。
 ともにパトリアAMVとのコンペに出てきたものの改良型だろう。もともとパトリアAMVも最近流行りのモジュール化でこれらの車両にも対応できるのだからその方が費用の点でも運用上でもメリットが大きいと思うが、またも公募は三菱とコマツの2社だけの旧来に戻った

4.パトリアと日本製鋼所生産のパトリアAMVにはデータ・リンクシステムを積まない!
 なんとパトリアAMVには指揮車だけに積んで一般車両には積まないことが決まっているようだ。これは第二次世界大戦のソ連軍戦車隊が指揮車だけに無線を積んだのと同じ発想!現代ではありえない。
 陸自の説明は「経費の節減」だが、単なるパトリア、日本製鋼所いじめにしか見えない。

『当面の結論』

 昔から日本の装甲車の調達価格は海外の3倍以上と言われていて、今回めずらしく海外メーカー導入したが今後は更に状況を悪くなる一方だろう。これではどんなに防衛予算を増やしても意味がない。日本の防衛産業を守るとの美談の元異常な利益を上げている企業も、、

写真1.多くの国で採用され紛争地域への派遣も多い。走行も強力で対地雷対策も万全で海外の武装勢力からは「破壊できない緑の悪魔」と呼ばれ恐れられた。
 またデーターリンク機能も万全でこの点でも世界の最先端なのだが何故は日本ではこの機能をわざと省くようになっている。言われたパトリア社も驚いていることだろう。

写真2.陸自で運用試験中のパトリアAMV、日本仕様に合わせてエンジン出力を大幅に強化している。
 <余談>最初にパトリアAMVに乗り込んだ自衛官が「これが装甲車なんだ、、」と呟いたとか。今までの自衛隊の装甲車は防弾性能がないに等しかったから、

写真3.同じ8輪装甲車なのに全く別の車体を三菱から調達する24式装輪装甲戦闘車(26トンで来年度の一台あたりの調達価格は約12億円、パトリアAMVは32トンで約5億円、パトリアAMVはモジュール化しているので戦闘車両や迫撃砲搭載モデルも簡単に作れるし実際に実戦参加もしている。





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