![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/159082760/rectangle_large_type_2_e3935d30b8393b125201e61a28abb75f.jpeg?width=1200)
23時の軽井沢#26
和は周到な計画を練り、○○のクラスメイトに協力を依頼した。彼女の指示はシンプルだった。
「いい?今日、君は放課後に茶道室に行く。そうすれば授業が終わったアルノさんが来るから、そこでこの購買で買ったお菓子を渡すの。」
○○のクラスメイトは困惑しつつも頷いた。「よくわかんないけど、分かった。」
和は自信満々に言った。「大丈夫、絶対うまくいくから。」
「急に話したこともない男子からお菓子渡されたら怖くないかな?」とクラスメイトは不安げに尋ねた。
和は笑顔で応えた。「大丈夫、プレゼントもらって嫌な女子はいないよ。」
「本当に?」とクラスメイトはまだ疑念が残る。
和はさらに作戦を強化した。「それだけじゃないよ!渡すときは、可能な限り密着すること!」
○○のクラスメイトは驚いた表情を浮かべた。「密着ってどういうこと?」
和は自信たっぷりに説明する。「遠目で見たら、まるで抱き着いてるくらいの距離!分かった?」
クラスメイトは眉をひそめた。「それ、本当に意味あるの?」
和は断固として頷いた。「あるよ~。プレゼントを渡して最後に急接近してドキッとさせるの!そしたら、アルノさんは絶対に恋に落ちるから。」
○○のクラスメイトは半信半疑ながら、「なんか不安だけど、やってみるよ」と言って和の言葉に従うことにした。
和は満足げに頷いた。「頼んだよ~。私もスタンバイしないとね!」
放課後
○○のクラスメイトは和の言葉通り、茶道室の前でアルノを待った。少し緊張しながら、手に持ったお菓子を見つめる。そして、授業を終えたアルノが茶道室へとやってきた。
○○のクラスメイトはタイミングを見計らい、「中西さん!」と声をかけた。
アルノは驚いて飛び上がった。「ひゃぁあ!!びっくりした!なにぃ~?そしてだれぇ~?」
「初めまして!僕、○○と同じクラスのものです!」と言って、お菓子を差し出しながらアルノに急接近した。「中西さん、これ受け取ってください!」
アルノはさらに驚き、後ずさりしながら「きゃあ!なに!?距離近いよ!びっくりするじゃん!」と声を上げた。
その瞬間
カシャッーシャッター音が廊下に響いた。
アルノは一瞬動きを止め、不思議そうに周囲を見渡した。「うん?シャッター音?」
○○のクラスメイトも同じように周りを見回しながら答えた。「なんか音しましたね。なんでしょう?」
アルノは不安げに顔をしかめた。「なんだろうね?気持ち悪いね。」
その一方で、廊下の曲がり角では、和がスマホを手にしながら写真を撮っていた。
「う~ん、もうちょっと距離詰めてほしかったけど、まあいいか。抱き着いてるように見えなくもない…」和は満足げに呟き、撮影した写真を確認した。
彼女は、この写真をどう使うか、頭の中で次の展開を練り始めた。