![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/158447948/rectangle_large_type_2_da33587d400610a2af2bce6e562dcc56.jpeg?width=1200)
23時の軽井沢#21
瑛紗は不気味に笑いながら言った。「私がなんであの書き込みについて知ってるかって?」
○○は鋭い視線で彼女を見つめ、身構える。「ああ、どうして知ってるんだ?」
瑛紗は微笑んで、さらに○○に顔を近づける。「○○君はほんとに賢いね。ますます気に入ったわ。」
その言葉とともに、瑛紗の顔は○○に迫り、今にも唇が触れそうな距離にまで近づいてきた。彼女の呼吸が○○の肌にかかるほどだ。
「ふふふ…外の和に見えてるかな?」瑛紗は心の中で勝ち誇ったように笑っている。
外で様子をうかがっていた和は、窓越しに二人の姿を確認した。「え、○○と瑛紗が…キスしそう? なんでこんなことに? でも○○の顔、困惑してるし、明らかに瑛紗が近づいてる…どうしよう…」
和は葛藤したが、ついに決心し、慌てて携帯を取り出して○○に電話をかけた。
一方で、○○は瑛紗の急接近に戸惑い、「池田さん、近いって。唇が当たっちゃうよ…」と困った様子で言った。
瑛紗は悪戯っぽく笑いながら、「うん、知ってるよ。私が近づけているんだもん」と囁く。
その瞬間、○○の携帯が突然鳴り響いた。着信音が部屋の静寂を破る。
「ごめん、電話だ。出るね。」○○は慌ててスマホを取り出し、画面を見る。「和?」
電話口から聞こえる和の焦った声。「○○、大丈夫? 今、瑛紗と一緒に家にいるんでしょ?」
○○は驚きつつも答えた。「なんで知ってるんだ?お前、家の前で見張ってるだろ。実は、池田さんの様子がおかしいんだよ。なんでもいいから家に来てくれ。二人きりは、なんか良くない気がする。」
和は少し息を呑んで、「わかった、今行く。すぐに行くから」と返事をした。
○○が通話を切った直後、家のインターホンが鳴り響いた。驚いて○○は笑い、「ほんとに家の前にいたんだな」と呟いた。
○○が玄関のドアを開けると、和が立っていた。「和!? なんでここにいるんだよ?」
和は苦笑しながら、「その下手な演技、もういいよ。あんたが呼んだんでしょ?」と軽く肩をすくめた。
すると、瑛紗はため息をつきながら、「なんで来ちゃうかな。もう少しで、和を犯人に仕立て上げられたのに…」とつぶやいた。
和はその言葉にすぐ反応し、「どういうこと?」と鋭い視線を瑛紗に投げかけた。
瑛紗の表情は一瞬だけ険しくなり、冷ややかに言い返す。「何を言ってももう遅いわね。○○君を利用すれば、和を簡単に犯人にできると思ったのに、あんたが邪魔するから…」
部屋に不穏な空気が漂い、三人の視線が交錯する。その中で○○は、瑛紗が隠していた本当の意図に気づき始めていた。