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23時の軽井沢#6

「見てないわよ。あんたが一番知ってると思うけど、23時以降、外に出る人なんていないでしょ?だから次の日、朝起きてニュースで知るの。毎日びっくりしてるわけよ」

「やっぱりそうだよな~」○○はため息をついた。

そのとき、和が立ち上がって言った。「ちょっとパパに電話してくる。心配してると思うから」

「そうだな、夜も遅いし」

和が部屋を出ていくと、○○は一人ごちた。「はぁ……手がかりなしか……せっかく交通費かけて、嫌いな地元に帰ってきたのに、金になる情報を見つけないと」

しばらくして、和が戻ってきた。「お待たせ~」

「おじさん、大丈夫だった?」○○が尋ねる。

「うん。○○もいるって言ったら、東京に帰る前に家に寄れってうるさかったよ?」和は笑いながら言った。

「勘弁してくれよ……」

和はふと真剣な表情に戻り、「ねえ、まだあのこと気にしてるの?」と問いかけた。

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