![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/157568201/rectangle_large_type_2_fe7e736b303be5431953f07eb8927ff0.jpeg?width=1200)
23時の軽井沢#6
「見てないわよ。あんたが一番知ってると思うけど、23時以降、外に出る人なんていないでしょ?だから次の日、朝起きてニュースで知るの。毎日びっくりしてるわけよ」
「やっぱりそうだよな~」○○はため息をついた。
そのとき、和が立ち上がって言った。「ちょっとパパに電話してくる。心配してると思うから」
「そうだな、夜も遅いし」
和が部屋を出ていくと、○○は一人ごちた。「はぁ……手がかりなしか……せっかく交通費かけて、嫌いな地元に帰ってきたのに、金になる情報を見つけないと」
しばらくして、和が戻ってきた。「お待たせ~」
「おじさん、大丈夫だった?」○○が尋ねる。
「うん。○○もいるって言ったら、東京に帰る前に家に寄れってうるさかったよ?」和は笑いながら言った。
「勘弁してくれよ……」
和はふと真剣な表情に戻り、「ねえ、まだあのこと気にしてるの?」と問いかけた。