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23時の軽井沢#2

「大丈夫か?」

突然の声に、和は息をのみ、目を見開いた。「きゃあ!!」

暗闇の中、懐中電灯の光が差し込んだ。その光を持っていたのは、幼馴染の○○だった。

「なんだよ、大きい声出すなよ」

「脅かさないでよ! 大丈夫じゃないわよ、びっくりしたぁ……」

「ブレーカーが落ちたんだな」○○はそう言いながら、携帯のライトを使ってブレーカーを探し始めた。

「うん、でも……多分そうだと思うけど……」

○○はすぐにブレーカーを見つけ、電気を復旧させた。ギャラリーが再び明るくなり、和はようやく胸をなでおろした。

「ありがとう、助かったよ……」

○○はふとギャラリーの壁に目をやり、怪訝そうな表情を浮かべた。「和……お前、絵のテイスト変わった?」

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