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23時の軽井沢#30
次の日の朝、○○が登校し、教室に入ると、黒板に信じられない光景が広がっていた。まるで前回のいたずらが繰り返されたかのように、今度は○○とアルノのツーショット写真が貼られている。
そこには、「彼氏はいるけどやっぱり○○が好き」「今の彼氏は○○にふられたときのためのホ・ケ・ン」と、大きな文字で書かれていた。
○○は写真を見て顔をしかめ、「なんだよこれ…昨日、俺とアルノさんが一緒に帰った時の写真だ。だれがこんなことを?」と呟く。
教室のあちこちから不満や批判の声が上がった。「やっぱりあの人最低だよね」「二度と教室に来ないでほしい」「この写真、学校中に広めて、あの人の居場所なくそうよ」などの意見が飛び交い、アルノへの敵意が高まっていく。
○○は皆の反応に耐えかねて黒板の前に立つと、思い切って写真を破った。そしてクラス全員に向かって訴えた。
「みんな聞いてくれ!確かに、昨日俺とアルノさんが一緒に帰ったのは事実だ。でも、それは俺から誘ったことだし、アルノさんには何の非もない。だから、彼女の変な噂を流すのはやめてあげて欲しい。」
一瞬、教室がしんと静まり返る。そんな中、和が口を開いた。
「分かった。私は○○の言葉を信じるよ。でも、どっちにしてもこれは悪質ないたずらだね!」と、真剣な表情で答えた。
○○はほっとしたように和を見つめ「和…ありがとう」と言葉を漏らす。彼は改めて和の優しさに気づき、和への想いを再確認するのだった。
この場ではなんとなく事態が収まったように見えたが、噂はすぐに学校中に広まり、アルノは一部の女子から陰湿ないじめを受けるようになってしまう。○○は、前回自分が一緒に帰ろうと誘ったせいでいじめが広がったことを自覚しており、次第にアルノに声をかけることさえできなくなった。
そんな日々が続き、ついに二か月後——
ある寒い朝、突然の知らせが学校を騒然とさせた。アルノが、学校の屋上から飛び降りたという衝撃のニュースだった。