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23時の軽井沢#19
○○はドアを開け、「いいよ、中に入って」と池田瑛紗を招き入れた。
その瞬間、瑛紗が不意に後ろを振り向く。電柱に身を隠す和の姿が彼女の視界に入った。「ふっ」と不気味に笑う瑛紗。和はその笑みを見て、動揺する。
「え?今、瑛紗が私の方を見て笑った?気づいたのかな?そもそも、なんで瑛紗が○○と一緒にいるんだろう…?」和は心の中で混乱し、葛藤が渦巻いた。
「まさか…○○の後をつけてみたら、瑛紗が出てくるなんて。どういうこと?何かがおかしい…」と和は胸の中で焦りが募る。
一方で、瑛紗は内心ほくそ笑んでいた。「和、ちゃんと私のこと見えたかな~。まさか○○の後ろについてきたら、和もついてきてるなんて…面白い展開になってきたわ」と密かに楽しむように心の中でつぶやいていた。
○○と瑛紗が家の中に入っていくのを見て、和は迷い始めた。「どうしよう…私も家に突撃すべき?いや、そんなことしたら尾行してたのバレバレだし、さすがに気持ち悪いよね。でも、なんか嫌な感じがする…」
和は携帯を取り出し、「とりあえず連絡だけしてみようかな…何かあったらすぐに知らせられるし」と自分に言い聞かせた。
家の中では…
○○はリビングに入ると、「ごめんね、適当に飲み物持ってくるから、そこに座っていて」と瑛紗に言い、台所へ向かった。
瑛紗は微笑んで、「いえいえ、お構いなく」と答えたが、その瞳には何か秘めた意図が浮かんでいるようだった。
五分後、○○はお茶を持って戻ってきた。「お待たせ、気を遣わずに飲んで」と言い、テーブルにカップを置いた。
瑛紗は静かに「ありがとう」と答え、カップに手を伸ばしたが、彼女の動きはどこか緊張感を帯びていた。
○○は少し様子を伺いながら、本題に切り込んだ。「それで、犯人を知ってるって…どういうことなの?」
その一言で、部屋全体に重苦しい緊張感が走った。瑛紗はカップを持ち上げ、一口飲むと、ゆっくりと口を開いた。