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アゲハ蝶【SS】

蝶々を捕まえるなら、きっと夜がいい。と、私の下でその羽根を羽ばたかせる、蝶々を見ながら。あなたの鎖骨下のアゲハ蝶よ、私の手に落ちてこい、落ちてこい。そう願いながらも、もう既に堕ちているのは私の方で。鱗粉の甘い香りに酔いながら、あなたの体温を貪る。どうせなら酷くして欲しい。明日の朝あなたのつけた跡だけが、今が夢ではないことを教えてくれるはずだから。


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