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1999年から2003年までの阪神タイガース その㉑

デーゲームの二次会が大好きだった。
何故って?
試合は夕刻に終わる。
二次会が出来る時間が長いからだ。

時間を気にする事なく、
思う存分楽しめる。
そして、当時はデーゲームが少なかった。
梅雨明けに入ると試合はほぼナイター。
明るい時間帯から行う二次会は新鮮味もあった。

白昼堂々とあれだけ大騒ぎ出来た瞬間。
今では考えられないだろう。

球場だけでは無い。
場外、阪神電車直通特急。
そしてホワイティから長嶋さんのセコムの看板。
阪急東通りまで続くんだ。

試合が終わり、
応援団主催のバックスクリーン裏の二次会に参加後に僕らの二次会はスタートする。

アイパーがリードを執る。
タイガーがマントを靡かせる。
21号門前。いつもここだ。
1-9からジャイアンツの悪口へと内容がシフト。
二次会参加者はいつも新鮮なゴシップネタを用意していた。

レフト方面へ移動する。
300人以上集まるタイガースファンを目の前にアイパーが阪神ボウルのボーリングのピンを指差す。

アイパー
「みなさ〜ん!!!」

大歓声が沸き起こる。

「長嶋は!!
 ◯◯に!!
 あのピンを挿れてると思う人〜!!?」

300人以上の阪神ファン
「はーーーーい!!!!!!!!!」

初めてこれを聴いた時は
腹筋が崩壊するかと思う位笑った。
こんな事を思いつくアホはいない。

もう一ついっておこう。

アイパー
「みなさ〜ん!!!」

「一茂は!!
 ◯◯と!!
 エッチをしていると思う人〜!!?」

300人以上の阪神ファン
「はーーーーい!!!!!!!!」

このくだりが1時間以上続く。
全て下ネタだ。
当時の阪神ファンの長嶋に対する執着心は異常だった。
ちなみに◯◯は長嶋の娘だ。

二次会参加者の快進撃はこれだけでは終わらない。

下ネタで盛り上がった後は駅前まで真弓ダンスで駆け抜ける。
そして、阪神電車駅員の胴上げが始まる。
亀山ユニを着た常連がヘッドスライディングで改札を抜ける。

甲子園駅。
二次会はここまでかと思う?
それは違う。
楽しみはまだまだこれからだ。

梅田方面のホームへ向かう通路。
タイガーが囁く。
「みんな!!しー!!!」

ここからタイガースファンはみんな「いい子」になる。
びっくりするぐらい「いい子」にね。

300人以上のタイガースファンが
お互いの顔を見ながら
みんなで「しー!!!」

阪神ファンはこの数分間、
早くから結婚し子どもが出来、
別人のように落ち着いたヤンキーのように大人しくなる。

梅田行きのホーム。
みんなで「しー!」「静かに!」
みんな「いい子」だろ??
300人以上がみんなで「しー!」
こんなシチュエーション、
体験出来るのは野球場だけだ。

笑いをこらえる。
こらえるのに必死だ。
苦しくて今にも腹筋が爆発しそうだ。

早く来い!
早く来い!!!
早く来い!!!!!!!

この瞬間が、たまらない。
いい子にしないと、
この日は電車での二次会が出来ない。

そう。阪神電車梅田行き。
直通特急が来るまでは。



続く

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