脱走当日
保健所から譲渡する際、職員さんとボランティアさんから脱走についての注意はあった。
だけど、保護犬、ましてや野犬初心者の私。
気を付けようとは思ったけど「へー、そうなんだ!」位の少々軽いものだった、ように思う。
(職員さん、ボランティアさん、ごめんなさい🙇💦
でも、言われた通り、室内飼い、重石を用いた係留、チェーンリード、お散歩時のダブルリードはやってました!→当たり前💦)
起こるべくして起こった脱走。
迷子にさせる少し前に知り合いの人と話していてショルダーリードおすすめされたのに、伸縮リードでは使えないよなぁーと思って使わなかったし。
(→❌。多分、腰に付けるベルトとかに付けられると思います。)
慣れた頃に自分に変な余裕みたいなものができるし。それを犬に見透かされてるし。
疑問点や不安なこと、悩みとかあれば、こんなことくらいでとか思わずにボランティアさんやSNSで聞いとくべきだった。
餅は餅屋。野犬の事は野犬を飼ってる人や扱ってる人に聞くのがいい。
かくして、脱走当日を迎えることになる。
2019年8月23日 18:30過ぎ
車も人もほとんど通らない川沿いの道。
その先は小高い山に続いている。
そんな場所で、伸縮リードに付け直してレイを走らせていた。
そこでは初めてだった。
何度か同じように走らせた時、全速力で走ることはなかったが、その日は急に全速力で走り、あまりに突然のことで17kgの体重を止めることができず、リードから手を離してしまったのである。
全速力で走る前、こちらの様子を伺っているようだった。
野犬(だけではないかもしれないが)は、こちらの様子をものすごく注意深く伺っている。
その時も、もしかしたらこちらのすきを狙って今だ!と思ったのかもしれない。
追いかけたらダメ、というが、焦って必死になっている時はそんな事思う余裕もなく、追いかけた。
だけど、追いつく訳もなく、レイは小高い山へと走って行ってしまった。
私達も後へと続いた。
リードが付いているので、一度倒れた木か何かに引っ掛かったが、すぐに外れて姿が見えなくなってしまった。
家ではあんなにビビリだから、どこかで隠れて1人寂しくしているかもしれない。リードが引っ掛かっているかもしれない、と、まだ少し明るかったので山の中をどんどん進んだ。
でも、姿は見えない。
もちろん返事もない。
雨も降ってきて、だんだん暗くなっていく。
こちらは二人だったが、薄暗く鬱蒼とした林の中、心細くもなっていくし、道もかなり細くこのまま行くと危険だと思い、引き返した。
そして一旦家に帰り、交番に迷子の届けを出した。
迷子になった場所は、散歩コースから少し外れて、大きめの川を渡った所。
何度か行った事はある場所なので、もしかしたらお腹をすかせて帰って来るかもしれない、と淡い期待をした。
その日はほとんど眠れず、帰って来ないだろうかと暗い中何度も外に出て待ったのだった。