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今年の抱負・内田クレペリン検査を使いこなすこと

一年の計は元旦にあり。

「幸せの種」カンパニー付属催眠心理研究所の西村です。
 ことわざに、一年の計は元旦にありと言います。臨床心理士試験合格を受けて、この元旦を含めて正月3日間でこの一年でやっていくべきことを考えました。
 もともと臨床心理士になってやりたかったこと・・・
 それは、作業系の心理検査である内田クレペリン検査をマスターするということです。
 なぜ、内田クレペリン検査なのかというのを語っていきたいと思います。

内田クレペリン精神検査という心理検査について

 内田クレペリン検査では、ランダムに並べられた数字が横1列に115字あって、その列が34行ある検査用紙を使います。一つ一つの数字を足し算していき、合計の数字の一桁を書き込み、それを一分間のうちにどれだけできるかというのを、前半15分、休憩5分、後半15分行うというものです。
 検査用紙をお見せしたいところですが、基本的に検査用紙の中身はインターネット上では公開しないというのが心理士の責務だと思っているので、ここでは載せません(ネット上で探せばいくらでも出てきますが・・・。興味がある方はそちらを参考にしてください)。
 この検査はメンタルヘルスをチェックする場面で多く使われています。どのようにこの心理検査が使われているか、私が今勉強している本から少し引用をしてみます。

・病院では、
❶精神状態の把握のため
❷治療効果の判定のため
に行われます。
・会社・官公庁では、
❶入社・入職の採用試験で採用の資料にするため
❷配置転換を行う時の資料のため
❸安全管理を行うための資料のため
❹いわゆるメンタルヘルスの健康診断として
・学校では、
❶教育指導方針を決める資料として
❷バランスの良いクラス編成を作る資料のため

内田クレペリンテストをどのように活用していくべきか

 今勤めているメンタルクリニックでは、復職判定に活用しようかなと思っています。広い意味では、精神状態把握と治療効果判定になるのですが、うつ病や適応障害(うつ状態など)の患者さんが本当に仕事ができるまで回復できているのかをチェックするのに活用させて頂くつもりです。
 というのも、うつなどの病気で休職して、その後に復職する場合、企業はしっかりと働ける状態で戻ってきてもらいたいと思っています。ただ、医療機関は抑うつ症状が改善し、日常生活がしっかりできるようになったら病気が回復していると考えるケースが未だにあり、企業側の”良くなった“と医療機関側の”良くなった“にズレが生じているケースがまだ見られます。
 そのズレを解消する一つのツールとして、内田クレペリン検査を使うことができれば、しっかりと集中力を保ちながら、作業ができる証明になることでしょう。

大企業であれば、復職のためにリワークを勧めてくる可能性が高い

 ただ内田クレペリン検査を使わなくても、そこのズレを補うことができます。その役目をしているのが、最近活用されるようになったリワーク(復職支援)です。
 大企業には専属の産業医がいることが多いので、専属産業医に「復職判定にはリワークが有効」という認識が広がっていることもあり、会社側からリワークに行くことを勧められる労働者が多くなっています。
 リワークへ出勤時間帯に行き、擬似的な仕事をすることがちゃんとできると、リワーク側が認めれば、企業側も「これなら仕事ができそう」ということで、企業側も安心して復職OKを出してくれるわけです。
 やはり内田クレペリン検査をしてズレがないかを確認するだけの場合と、復職の訓練をしながらズレを少しずつ埋め支援者が実際に大丈夫なレベルまで来ているか確認するリワークでは雲泥の差があります。

実際には、リワークに行けない人もいる

 ただ、休職者のみんなが全てリワークを受けるわけではありません。リワークにはお金がかかるからです。
 一般的な就労移行支援が行っているリワークは補助金が下りるため、対象者は1割負担で済みます。それぞれ事業所によって値段は異なりますが、1日1,000円前後かかることが多く、月20日行けば、20,000円近くになります。それが高いか安いかはその人次第となります。
 ただ、中小企業に在籍している休職者の中には、リワークに行くお金を出すのが難しいという人もいます。傷病手当金は、もらえるお金として基本給の6割であるため、基本給が低いことが多い中小企業の労働者は、経済的にリワークへ行く余裕がないから自宅と図書館の往復を擬似出勤とする人もいて、その場合は出勤できるレベルにまで回復したことの証明として、やはり内田クレペリン検査のようなものが必要になってきます。

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