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2、丈夫な植物と理想の恋人

「丈夫な植物ってどれですか?」

この質問は10000回くらい受けました。
その度に私は、その質問に答えずに植物を置く場所や環境のことを聞き返します。
質問に対して質問返しです。

でも、その質問に「これです」と答えた時点で、私が植物を扱っている意味がなくなり、それならただ券売機を置いておけばええやないの、という事になってしまいます。
面倒くさい人と思われても、そこは譲れないのです。

そして結論としては、丈夫な植物などありません。
南極に行けば凍るし、砂漠に行けば干上がります。

それに、すべての植物は丈夫です。
地球ができて何億年だか何十億年だか地球で生きてきて、南極であろうと砂漠であろうと育っている植物はあります。

何が言いたいかというと、

「その環境に適応しているから丈夫に育っているのであって、環境が違えば丈夫に育たない」

ということです。
なんとなく賢そうな説明をしましたね。

砂漠で育つような<丈夫>な植物であっても南極に持っていけば即枯れるし、その逆もまた然り。
当たり前ですね。

なので、「丈夫な植物はどれですか?」の一言だけでは何も答えられないのです。


「理想の恋人を探しているのですが、紹介してくれませんか」

じゃあ逆に聞くけど、どんな人がいいの?
見た目は?身長は?年収は?趣味の合う人?大事にしてくれる人?干渉しない人?
そういうのを教えてくれないなら、無条件で室伏広治をおすすめしますけど?丈夫そうだし。

植物を上手に育てることは、恋人と上手に付き合っていくようなものです。

相手がどうしてほしいのか、何が好きで何が嫌いか、それを知ることです。

相手の為にどれだけのことができるのか、毎日会いたいのか週に一度だけでもいいのか、はたまた数か月に一度?冬の間は一切会わないでも大丈夫?

自分は毎日会いたいのに、相手は週に一回しか会いたくない、そんな相性なら長くは続かないでしょうね。

植物の中には、毎日のように水をやらなくてはいけないものもあるし、一か月に一度程度で良いものもあります。
中には数か月の間、水をあげてはいけないものさえも。

相手が何を思っているのか、恋人と接するように相手のことを知りたいと思えば上手に育てられるはずです。

大事なのは「知ること」です。

「丈夫な植物」などありませんが、「あなたにとっての丈夫な植物」であれば見つけるお手伝いはできます。

こんなところに置きたいと詳しく教えてくれれば、あなたにふさわしい植物を一緒に探しましょう。

イケメンに出会ったとしても、時には「あなたには相応しくないから」と購入を止めることもあるかもしれません。
それでもイケメンと付き合いたいならかまいませんが、「やっぱり見た目じゃない」と悟る時がくるかもしれません。

困ったらLUFFというお店に行くといいと思います。

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